【新NISA】長期バケツのリバランス方法について【バケツ戦略】
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回はバケツ戦略における長期バケツでの現金の取り扱い方についてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
長期バケツの現金の取り扱いについて
こんなご質問をいただきました。
「買い増し、またはリバランスのマイルールはありますか?
いま長期バケツ内に買い増し用の現金があります。
上昇局面では放置してるのですが、下落し始めると買い増そうと思いつつもタイミングや量が定まっていません。
短期中期バケツは出来ているので、長期バケツの現金は全て投資に回しても構わないと思う一方で、 下落しても気持ちに余裕があるのは、買い増し資金があり配当金も入ってきてるおかげだと思っています。
昨年夏の下落時に適当に少しずつ買い増した際、長期バケツ内の現金が減っていくことに心理的負担があったので、 あらかじめルールを決めたり、長期バケツ内でも現金を保有して年に一度くらいリバランスしたほうが良いのかな?とも思うのですが、 投資経験が浅く判断材料に乏しいため方針が決められずにいます。」
とのことです。
バケツ戦略についての質問が増えてきたので、具体的な運用方法の詳細についてはまた後日の動画で行うとしまして、今回は長期バケツの中身の運用方法についてです。
まず質問者様ですが、短期バケツ・中期バケツと長期バケツを切り離して考えているのは、ちゃんとバケツ戦略を理解しているとは思います。
よくある間違いとして、たとえば現金40%:株60%のアセットアロケーションを作るときに、この現金部分に短期バケツ・中期バケツを入れてしまうことですね。
短期バケツ・中期バケツはあくまで生活用の資金なので、これと余剰資金である長期バケツを混ぜてはいけません。生活と投資は切り離してください。投資はあくまで余剰資金でおこなうものです。
そのため現金40%:株60%のアセットアロケーションを作りたければ、すべて長期バケツの中で用意した現金と株でやってください。短期バケツ・中期バケツはあなたの生活にかかわるものなので、アセットアロケーションに含めないでください。株が暴落したときにリバランスをするために短期バケツと中期バケツの資金を突っ込んでしまうとか、生活を崩す原因にもなってしまいます。
バケツ戦略の概念としては、FIREであれば短期バケツに1年分の生活費、中期バケツに5年分の生活費を置いておきます。そうすればハイパーインフレでも起こらない限りは、その資金で6年間は生活することができます。
たとえばFIREして年間300万円で生活するなら短期バケツに300万円、中期バケツに1500万円の合わせて1800万円ですね。年金などの確実な定期収入があればその分金額を低くできますが、いったんそれは置いておくとします。
すると1800万円以上のお金については、少なくとも6年後まで使う予定はないということなるので、インフレ対策のために長期バケツで資産運用します。
人によっては全部株式に突っ込む人もいますが、ボラティリティを抑えたければ、現金や債券などの無リスク資産と組み合わせたアセットアロケーションをつくるのがいいでしょう。
一番扱いやすいアセットアロケーションは現金と株の組み合わせですが、その比率を何対何にするかは自分の性格やリスク許容度に合わせればいいでしょう。
よくあるのは年齢=現金比率というもので、例えば40歳なら現金40%:株60%、60歳なら現金60%:株40%というものですね。このあたりは別に答えがあるわけではありませんので、自分が一番心地よい数字でいいとは思います。
それで質問者様はリバランスのタイミングがわからないということで悩んでいるのだとは思いますが、リバランスは年に一回ぐらいやれば十分です。年始か年末の暇なときにやればいいでしょう。
リバランスは株価を見て、「下落しているから買い足そう」みたいなタイミング投資をするものではありませんしね。ようするに年末か来年の年始までは、ぶっちゃけ株価とか長期バケツ内の配当でもらった現金とか見なくていいです。時間の無駄ですし、株価の上下に一喜一憂したり、妙な判断をしてしまう可能性が高いです。
投資が好きとか株価を観るのが好きとかだったらいいのですが、そうでなければ来年の初めにでも新NISAへの追加投資との合わせてリバランスすればいいでしょう。
質問者様がまず決めることは、長期バケツ内の現金比率です。それで来年の初めに、その比率に合わせて現金と株を調整すればいいでしょう。配当や収入で現金が増えた場合も、たんに長期バケツの現金が増えたという話なので、来年の年始にでも現金と株式の比率をまとめて調整するだけでいいです。
たとえば現金40%:株式60%にしたいのであれば、来年の年始に長期バケツ内の現金が500万円、株式も500万円だったら、長期バケツの100万円を使って株を買えば現金40%:株式60%になります。
「株式全ツッパだ」というストロングスタイルなら、現金全部使って株を買えばいいでしょう。そのあたりは人それぞれなので自由にやればいいとは思います。
そんな感じでリバランスは年一回、年末か年始の暇なときにやれば十分です。タイミングをはかってなにかをする必要はありません。それと短期バケツ・中期バケツのお金を投資資金にまわさないように注意してください。これはあくまで生活を守るための資金です。投資は余剰資金でやるものです。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・短期バケツ・中期バケツは生活用の資金。長期バケツと混ぜてはいけない。
・アセットアロケーションは長期バケツ内の現金と株式で行う(もう一度繰り返しますが、短期バケツや中期バケツの資金をアセットアロケーションに組み込んだり、投資に利用したりしないでください。投資は余剰資金でやるものです)。
・現金と株式の比率は自分の性格に合わせて決める。(高ボラがいいなら現金比率低くすればいいですし、低ボラなら現金比率高くすればいいでしょう)。
・受け取った配当は長期バケツの現金として扱う。
・リバランスはタイミング投資ではないので、年に一度、年末か年始の暇なときにやればOK。それまでは現金が増えようが株価が下がろうが放置。
となります。
長期投資はとにかくメンテナンスをシンプルにした方が良いでしょう。短期的なタイミング投資をする必要はなく、年に1回リバランスしてやればOKです。
そもそも長期投資って数十年後のための投資なので、短期的な値動きを追ったりとか、そういうことに時間をかけるようなものではありませんしね。
また次回にでも、バケツ戦略の具体的な運用方法について述べていこうと思います。