若い人はiDeCoをやらない方が良い?
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、若い人はiDeCoに入らない方が良いかどうかについてです。
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若い人はiDeCoに入らない方が良い?
こんなご質問をいただきました。
「昨年12月にiDeCoが改悪されましたが、今後もこのような状況は続きそうです。
ルールがコロコロ変わるので、10年後、20年後にはどうなっているのか分かった物ではありません。
若い人はiDeCoに入らない方が良いとはよく言われますが、私自身もiDeCoが信用なりません。一応入ってはいますが、掛け金は低く抑えています。
Q太郎さんが今20代だったらiDeCoに入っていますでしょうか。」
とのことです。
まずiDeCo改悪についてですが、iDeCo自体が改悪されたわけではなく、出口のところでのルールが変更されています。iDeCo自体は掛け金が増えたり、拠出期間も「65歳未満まで」から「70歳未満まで」に延びたりと、むしろ使いやすくしてはいるのですが、出口での5年ルールが10年ルールに変わってしまったのですね。
これまではiDeCoを受け取ってから5年後に退職金を受け取れば退職所得控除をいったんリセットすることができるのですが、これが10年になってしまったので、iDeCoを受け取ってから10年以内に退職金を受け取ると、退職所得控除が合算されてしまいます。自営業で退職金が無い人にはどうでもいい話ですが、会社勤めで退職金が多くて、さらにiDeCoにも多額のお金をかけている人は数百万単位で税金を取られる危険性があるので注意が必要でしょう。
それで退職所得控除ですが、40万円×iDeCoの加入年数になります。20年以上に関しては、20年分×40万円の800万円にプラスして、それ以降の年数×70万円になります。基本的には1年40万円の非課税枠があると考えればいいでしょう。
Q太郎は現在毎月1万円をかけていますが、これだと年間12万円なので、仮に3倍の36万円になっても控除枠40万円以下なので安心という理由があります。
それで若い人はiDeCoに入らない方が良いとよく言われているのかどうかはわかりませんが、もしQ太郎だったら、20代でiDeCoは入らないと思いますね。
理由その1としては、60歳までの資金拘束が長すぎることです。
60歳まであと10年ちょいぐらいだから入ってるだけであって、これが今20代だったら60歳まで40年ぐらいありますし、40年もあったら途中で何がおこるかわかりません。その間、ずっと資金拘束されているとか何か罰ゲームとしか思えません。
大した収入もない20代の若造が今を捨てて、60歳以降の存在するかどうかもわからない未来の自分に金を送り続けるとか、冷静に考えてもやってることが意味不明すぎるわけです。そもそも40年後に日本が存在しているのかという根本的な問題もあります。
それに昔と違って終身雇用が保証されているわけでもありませんので、急に会社がつぶれたとか仕事が無くなったとかの時にお金が必要になった場合に、新NISAならまだしも、iDeCoだと引き出しようがありません。公務員でクビにならないという状況だったらまだしも、一般企業とか個人事業主とかの場合はリスクの高い投資になってしまうでしょう。
理由その2ですが、新NISAで十分というのがあります。
そもそも20代の賃金なんてたかがしれていますので、新NISAの1800万円の枠を埋めるのも大変とは思います。だったらいつでも引き出せる新NISAに資金を入れた方が合理的です。40年後にそもそも自分が生きているのか、そもそもiDeCo制度どころか日本が残っているのか問題もありますし、遠すぎる未来に対して資金注入するのはどうかという気はします。
理由その3ですが、そもそもの控除額が少ないことです。
20代の平均年収は約321万円なので、基礎控除を引いた所得金額はだいたい165万円です。すると所得税は累進課税で5%なので、仮に毎月1万円、年間12万円をiDeCoに入れた場合、節税効果は6000円です。
毎月2万円、年間24万円も払っても節税効果は12000円なので、正直あほくさいですし、そもそも20代で毎月給料から2万円もぶっ込めるかという気もします。可処分所得がどんどん少なくなっていく現在、年間1万2000円の節税のために毎月2万円消えていくような状況は生活的にも厳しくなりそうです。そもそも40年後に生きている保証もありませんし、iDeCoどころか日本が残っている保証もありません。さすがにギャンブラーすぎます。今を捨ててまで、存在しているのかどうかもわからない60歳の自分に金を送りたいかと言われると、Q太郎だったらNOですね。12000円の節税効果を求めるぐらいなら、新NISAに毎月2万円ぶっこんだ方がかなりましです。いつでも引き出せますしね。
正直、20代のころから、60歳過ぎた老後に幸せを見るとか正直くるってるとしか言いようがありません。今を生きろとしか言えません。60歳のときよりも今を幸せにしてください。そもそも60歳が来るとはかぎらないのです。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・退職所得控除改悪であって、iDeCoが改悪されたわけではない。
・20代でiDeCoに入りたくない理由1は、60歳までの資金拘束が長すぎる。そもそも40年後に生きているかわからないし、iDeCoどころか日本が存在しているかもわからない。
・理由2は、二十代の収入では新NISAで十分。
・理由3は、二十代の収入では控除額がしょぼい(年収約372万円以下は控除後の所得税がだいたい5%。毎月2万円、年間24万円入れても年間1万2000円のしょぼい節税)。
・そもそも20代から今を捨てて、60歳の自分にお金を送る(しかも届くかどうかわからない)という状況はさすがに狂気の沙汰。(今40代とか50代ならまだ話はわかりますが、20代の時から60歳の心配するのはさすがに度を越しているとは思います。)
となります。
日本人は心配性の民族ですが、さすがに20代から60歳以降の老後を心配する必要はないとは思います。そんなことより今をしっかりと幸せに生きた方が良いでしょう。
ここでいう幸せというのはモノを買って幸せになるという、消費社会の奴隷のような、お金に依存した幸せではなく、何か偉大なことを達成することでもなく、日常のちょっとしたことを楽しめる感性を磨くことですね。そのためには知識とか経験が必要になるので、若い頃はそういうことに力を使っていった方が幸せに生きられるとは思います。