
取り崩し投資運用中のQ太郎です。
トランプ大統領が、ついに日本を名指しで批判しました。しかも、イラン情勢をめぐる非常に緊迫した場面での発言です。
高市首相があれほどの巨額投資を約束し、アメリカに歩み寄っていたはずなのに、なぜこんなことになってしまったのか。日本が直面している「最悪の板挟み」について話していきます。
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トランプ氏の日本批判
背景をおさらい
アメリカとイスラエルは今年2月末からイランへの軍事作戦を開始し、現在も継続中です。
この攻撃によってイランはホルムズ海峡を事実上封鎖するという対抗措置に出ました。
ホルムズ海峡というのは、中東の石油・ガスが通る大動脈です。日本が輸入する原油の約9割がここを経由しています。
トランプ大統領はイランに対して強烈な圧力をかけ続けており、期限を設けては延長し、また期限を設けてはまた延長するという繰り返しをやっています。
現時点でも新たな期限を設定し、「それまでにホルムズ海峡の開放に同意しなければ発電所をすべて破壊する」と脅しています。
トランプ氏らしいといえばらしいですが、今回は冗談では済まない空気感が漂っています。
問題の発言
トランプ大統領は記者会見で、今回のイランへの軍事作戦に協力しなかった国として、NATO、韓国、オーストラリア、そして日本を名指しで批判しました。「日本には5万人の兵士が駐留している。なのに日本は助けなかった」というわけです。
でも、ちょっと待ってください。高市首相は3月19日に就任後初めてワシントンを訪問し、トランプ大統領と会談したばかりです。
そこで日本はアメリカに対して総額5500億ドル、日本円にして約87兆円もの対米投融資を約束しました。小型原発の建設、天然ガス発電施設など、トランプ氏が最も喜ぶ「アメリカ国内の雇用とエネルギー」に直結する内容です。
トランプ氏はその会談で「日本は責任を果たそうとしている」と高く評価し、高市首相を「非常に人気があり力強い女性」と褒めちぎっていました。
それからわずか2週間あまりで、今度は「日本は助けなかった」という批判です。これがトランプ式のディール、つまり取引というものでして、お金はお金、軍事は軍事、話は別ということなんでしょうね。
日本側の事情
首脳会談でもトランプ氏はホルムズ海峡への自衛隊派遣を求めましたが、高市首相は「日本の法律の範囲内でできることとできないことがある」と丁寧に説明し、理解を求めました。
これは憲法や集団的自衛権の問題があって、簡単に「はい、行きます」とは言えない事情があるからです。
そして何より、日本にとってイランは伝統的な親日国です。
もしアメリカの要求に全面的に応じてイランへの軍事作戦に加担すれば、日本に向けられていた友好的な感情は一瞬で消えます。原油の約9割が通るホルムズ海峡で日本が敵とみなされるリスクは計り知れません。
かといって、国防をアメリカに依存している以上、トランプ氏の要求を無視し続けることもできない。
日本政府は「粘り強く外交努力を続ける」と言っていますが、正直なところ、この板挟みは相当しんどい状況です。
まとめ
87兆円の投資を約束してもトランプ氏の軍事協力要求は別の話で、お金で解決できる問題ではありません。
日本はアメリカとイラン、どちらとも関係を壊せない構造的な板挟みにあります。
アメリカに従えばイランとの関係を失い、エネルギー安保が危うくなる。従わなければ今度のように名指しで批判されます。
日本がとれる現実的な道は、どちらか一方に完全につくのではなく、法律の範囲内でできる貢献を示しつつ、外交でギリギリのバランスをとり続けることぐらいでしょう。
これが正解かどうかはわかりませんが、今の日本に他の選択肢がほとんどないのも事実ですね。

