政治ニュースに疲れたあなたへ。怒りと不安に飲まれない生き方【FIRE/老後】
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、政治ニュースで憤慨や焦燥感を覚えることへの対策についてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
政治ニュースで怒りと不安に飲まれない生き方
こんなご質問をいただきました。
「政治関連のニュースに接し、憤慨や焦燥感を覚える際に、どのように心を落ち着かせていらっしゃいますか?
政治に関心を持つこと、ニュースを視聴することに疲労を感じることがあります。戦争、外国人の迷惑行為、中国人の土地買収、増税、物価高騰、少子化、米不足など、怒りや焦燥感を抱かせるニュースが後を絶ちません。
しかしながら、多くの暗いニュースは、私自身には直接的な影響がない場合や、経済的な余裕があれば解決できる問題である場合も少なくありません。
そのような状況を鑑みると、過度に怒りを煽る政治ニュースに興味を持つよりも、経済状況、節税、節約、投資、副業、スキルアップといった情報に触れる方が、より良い生活を送るための助けになるのではないでしょうか。
一方で、各個人の利益や正義を追求するあまり、集団(国家)全体の豊かさが失われ、弱体化していくことも懸念されます。
Q太郎さんは、ニュースや情報に対してどのような距離感を保っていらっしゃいますか。」
とのことです。
まあ、ニュース見ているとけっこうむかつくことは多いですね。ウクライナ戦争とか、クルド人の迷惑行為とか、増税や少子化、米問題とか、いろいろあります。ニュースを見るたびに心がざわつくのは、自分の常識やモラルとニュースで報道された状況との乖離が大きければ大きいほど怒りの度合いが増えていきます。
最近だと給付金問題でしょうか。石破首相が財源がないといいながら、一律で2万円配るとかみたいなこともいいだしてますし、選挙前のバラマキなのは誰の目にも明白なわけです。これも我々の常識やモラルとは大きく離れた行為なので、腹が立つわけです。このどれぐらい乖離しているかでむかつき具合が変わるのですね。
逆に石破首相の支持者とか、自民党の支持者からすれば、自分たちの常識やモラルの範囲内なので、むかつかないどころか支持するわけです。こういうのもけっきょくは個々人の常識やモラルと、ニュースで報道されている内容との差がどれだけあるかということにもなってきます。
よく言われるのは、「ニュースは見ないようにしよう」なんですけど、そりゃそうなんですけど、やっぱり大きなニュースはどうしても耳にとびこんでくるわけです。
芸能人がどうのこうのとかのニュースは、Q太郎にとっては芸能人の名前自体をほとんど知らないのでどうでもよすぎることなのですが、政治ニュースは生活にもかかわってくることも多いので、こういう情報が耳に入ってこないことを防ぐのはほぼ無理とは思います。
コメ問題のニュースを入れないようにしても、スーパーにいってコメの値段を見ればどうしても意識せざるを得ないわけです。
そういうわけで、むかつくかどうかはけっきょく自分の常識やモラルに対して、そのニュースの状況がどれだけ乖離しているか、どれだけ離れているかによってきます。
ウクライナ侵略も西側諸国からすれば腹の立つ話ですが、プーチンの支持者からすれば「もっとやれ」とか「ロシアを守れ」みたいな話になってきます。これも常識やモラルの違いの問題なのですね。
トランプ氏の高関税に投資家は腹を立てますが、トランプ支持者からすれば「もっとやれ」みたいな話なわけで、我々投資家にとってのバッドニュースも、トランプ支持者からすればグッドニュースなわけです。彼らの常識やモラルでは、これらは正しいことなのですから、むかつくニュースどころか大喜びしたいニュースなのですね。
そんなわけで個々人の常識やモラルによって、ニュースがむかつくかどうかが変わってくるわけです。そんなわけで、まずはこの心のメカニズムを客観的に理解することが重要とは思います。
自分の常識やモラルを変える必要はないのですが、その怒りや不安がどこから来ているかということを理解しておく必要があるのですね。ニュースの内容が自分の常識やモラルと離れていればいるほど、怒りはどんどん大きくなりますし、自分の範囲内であればむしろグッドニュースとしてよろこんだりするわけです。
たとえば芸能人や政治家の不倫問題とかも、自分の常識だと不倫はNGという人ならこういうニュースはむかつくわけですが、不倫とかべつによくね?という人にとってはむかつかないわけです。
今回の2万円給付問題も、税金納めてなくて2万円が欲しい人にとってはグッドニュースになります。非課税世帯だとさらに2万円追加でしたね。なんにもしなくても4万円入ってきますので、グッドニュースなわけです。
一方で働いている人からすると、苦労して働いて税金納めているのに、なんでいったんこっちから搾り取ったお金を、またコストかけて返すんだという話になるわけです。そんな手間かけるなら減税でいいじゃないかという話ですね。しかもなぜか配っているだけの政治家が感謝されるわけです。その金出しているのは労働者のはずなのにです。
こういう風に労働者側の常識とモラルからすると、2万円給付問題は離れすぎているわけです。そのためバッドニュースであり、怒りを覚えるわけです。
まあ、労働者でも税金の仕組みをよくわかってなくて、「2万円もらえればいいじゃん」という人もいるとは思いますが、それもその人の「常識」からの反応になります。
そんな感じで、怒りというのは自分の常識やモラルから湧いてくるものなので、常識やモラルを変える必要はありませんが、メカニズムだけは理解しておけば少しは気が休まるとは思います。全員がおなじような怒りを感じているわけではないということですね。むしろ喜んでいる人もいるわけです。
それと物理的な心の距離もありますね。
たとえば日本で米が高いといっても、Q太郎は台湾にいるときは台湾のコメを食べていますし、ニュージーランドにいるときはニュージーランドのコメを食べているわけで、海外にいるときは身近な問題に感じられないというのがあります。
この物理的な距離というのは日本にいてもそうでして、たとえばアルゼンチンは昨年まで物価が3倍ぐらいに上がる超インフレ状態になっていましたが、アルゼンチンのトランプ氏ともいわれるミレイ大統領が、かなりの荒業で対処をしています。
まずやったのが、ペソを対ドルで50%余り切り下げることですね。1ドル=およそ391ペソだったのを、切り下げて1ドル=800ペソにしました。
普通に考えたら自国通貨を一気に2倍も安くしたらインフレ進むやんとなりますし、実際前年よりも1.8倍とインフレが進みまくったのですが、今年に入ってから一気に鈍化しました。
なんでかというと、アルゼンチンは政府に信用がなくて、国民は給料日になったらさっさと両替所にお金を持って行って、ドルと交換するみたいなことをしているわけですね。
そうなると、政府の発表している公式レートと、実際の民間の両替所の非公式レートが大きく乖離していくわけです。つまり世間だと政府の発表している公式レートよりもだいぶやすい比率でドルとペソが交換されているわけです。
しかも公式レートが強気に出れば出る程信用できなくなってきて、民間だとどんどんドルへの両替が進んでしまうわけですね。
それで今回、民間の非公式レートとおなじぐらいにして、政府の信用を取り戻そうという行動に出たわけです。それが通貨切り下げだったのですね。民間だともともとその価格で取引されているわけです。
そうなると、民間では「あわててドルに交換しなくてもいいや」という話にだんだんなってくるので、レートも落ち着いてくるわけです。これも政府の信頼の問題ですね。
それとアルゼンチンは小さな政府を目指して、公務員などを3万5000人以上削減し、公共事業も見直して、昨年やっと14年ぶりに黒字化しました。公務員側からすればむかつくバッドニュースですが、民間側からすればグッドニュースですね。
ちなみにインフレについても、ミレイ大統領が就任した当初の消費者物価指数は25.5%ありましたが、今年の年初で2.7%まで収まっています。インフレ率を加味した実質GDPも昨年にプラスに転じています。
ただこれまでいったようなことを知っている日本人はあまりいないようにも思います。日本のニュースではそもそもほとんど放送されませんし、これも物理的な心の距離の問題ですね。日本から遠くて、直接生活に結びつかないアルゼンチンのことには興味がないわけです。
そんな感じでニュースは自分の常識やモラル、物理的な心の距離の問題で、捉え方がいくらでも変わってしまうというのがあります。それを知ったうえで、「自分の常識ではこれはむかつくな」と俯瞰化・客観化しておくと心も落ち着くのではないでしょうか。
個人個人で利益が違うので、自分のバッドニュースが他人のグッドニュースなったりしてしまうのも仕方がないわけです。
そんなわけでニュースを見る量を減らすというのも重要ですが、一方で個人の常識やモラルで捉え方が変わってくるというのも知っておくとちょっと落ち着くとは思います。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・自分の常識やモラルと、ニュースの内容との乖離が大きければ大きいほど怒りは大きくなる。
・逆にその範囲内であれば、グッドニュースに変わる場合もある。(自分のバッドニュースも他人のグッドニュースになる場合があるのですね)
・物理的な心の距離によっても、ニュースのとらえ方は変わってくる。
・自分の常識やモラルを変える必要はないけど、個々人の常識やモラル、物理的な距離でニュースの捉え方が変わってくることを理解することで、「自分の常識ではむかつくな」と俯瞰化・客観化して理解すれば、心は落ち着くかと。
となります。
そんなわけで、ニュース自体がその人の常識やモラルとの差で怒りの大きさや捉え方が変わってしまうため、自分のバッドニュースが他人のグッドニュースになる場合もあります。自分を変えることはないですが、そういうメカニズムで怒りの大きさが変わっているということを理解すれば心はちょっと落ち着くんじゃないかとは思います。