
取り崩し投資継続中のQ太郎です。
今回は、ベストセラー本『THE WEALTH LADDER 富の階段』で書かれている「0.01%ルール」の危険性についてです。
Youtubeで観たい方は以下のリンクから。

「0.01%ルール」の危険性
自由への「入り口」
前回、お菓子を買うのをやめて、企業のマーケティングから自由になろうという話をしました。これは、支出をコントロールして資産形成を加速させる「守り」の技術です。
しかし、資産が増えていく過程で、私たちは別の壁にぶつかります。「いくら貯まれば、本当の自由を感じられるのか?」という問いです。せっかく資産を築いても、100円の差に悩み、罪悪感を抱えたままでは、それは本当の自由とは言えません。
そこで知っておくべきなのが、『JAST KEEP BUYING』の著書で知られるニック・マジューリ氏の新著『THE WEALTH LADDER』で提唱する「0.01%ルール」と、それによって解き明かされる『富の階段」という概念です。
0.01%ルール:数学的な「免罪符」
まず、0.01%ルールについて説明しましょう。これは、自分の資産の0.01%以下の支出については、一切悩まず、罪悪感も持たずに即決していいというルールです。
Q太郎的にはこの時点でかなり警戒度MAXなのですが、とりあえず説明していきます。
この0.01%ルールは資産の0.01%の金額なら悩まないで使ってもよいということです。資産1,000万円なら1,000円。5,000万円なら5,000円。1億円なら1万円までは悩まずに使っていいという話です。
たとえば買い物するときに「自分が思っているより500円高いな」と思ったときに、資産が1000万円だったら0.01%は1,000円なので、悩まないで買っていいという話です。Q太郎的には「あ、うん・・・ん???」という感じなのですが、いちおうこれには強力な数学的裏付けがあります。
もし毎日、資産の0.01%を使い続けたとしても、年間の合計は3.65%です。私たちが資産を年利3.7%程度で運用できていれば、理論上、あなたの総資産は1円も減らないことになります。インフレを考慮しても、3.7%という利回りは現実的な数字です。つまり、『資産の寿命を縮めずに今を楽しむための、絶対的な安全圏』が、この0.01%という数字ということになります。
まあ、Q太郎的には「え、あ、うん・・・・ん????」という感じですが、このあたりは人それぞれ考え方があるでしょう。
富の階段:資産レベルに応じた「6つの自由」
それでこの0.01%ルールをベースに、ニック・マジューリ氏は資産レベルを6つの段階に分け、それぞれのレベルで手に入る『自由』を定義しています。理屈としては結構面白いので紹介していきます。わかりやすいように1ドル150円換算でいきます。
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レベル1(資産1万ドル未満(約150万円)):余裕なし ここではまだ、全ての支出に慎重である必要があります。節約での資産ブーストが一番効く段階ですね。
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レベル2(資産1万ドル〜10万ドル未満(約150万円~1500万円)):食料品の自由 0.01%が1ドル~10ドル、つまり約150円~1,500円です。スーパーで値段を気にせず、本当に食べたいものを選べる段階です。「せやろか」と言いたい所ですが、ニックさんの中ではそうなっているようです。
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レベル3(資産10万ドル〜100万ドル未満(約1500万円~1億5000万円)):レストランの自由 0.01%が10ドル~100ドル(約1500円~1.5万円)なので、値段を見ずに好きな料理を注文できる自由があります。「せやろか」と言いたいところですが、ニックさんの中ではそうなっているようです。
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レベル4(資産100万ドル〜1000万ドル未満(約1億5000万円~15億円)):旅行の自由 0.01%が1,000ドル(約1.5万円~約15万円)。1泊15万円のホテルに泊まっても、資産全体には『誤差』でしかありません。好きな時に好きな場所へ行ける、多くの人が憧れるリタイアの目安です。「せやろか」と言いたいところですが、ニックさんの中ではそうなっているようです。
4. レベル5と6:想像を超えた領域
そんなわけで、いろいろとツッコミたいところもありますが、さらにレベル5と6があります。
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レベル5(資産1,000万ドル〜1億ドル未満(約15億円~150億円)):住居の自由 0.01%が1000ドル~1万ドル(約15万円~150万円)。ここに至ると、数億円の家を買うことすら、資産全体に対して致命的な影響を与えなくなります。レベル4の『旅行』は消費ですが、レベル5の『住居』は人生の基盤そのものを「金額の誤差の範囲」で選択できる。これが富の決定的な分水嶺です。
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レベル6(資産1億ドル以上(約150億円~)):影響力の自由 もはや個人の消費は無意味な領域です。企業買収や大規模な慈善活動を通じて、他人の人生や社会そのものに影響を与える自由です。
5. 頻度の罠:投資家が陥る「3.65%の衝撃」
レベル5と6はいいとして、レベル3の資産約1500万円突破程度でレストランで自由に食事していいかというのは、Q太郎的にはかなり疑問があります。ぶっちゃけ1500万円なんて気を遣わなかったらすぐ無くなる金額とは思います。
というか、0.01%もちりも積もればなんとやらで、この0.01%ルールを免罪符にしてバカスカお金を使っていたらすぐ無くなるとは思います。
0.01%を1年間使えば「3.65%」です。これけっこうヤバい数字だとは思います。
私たちは日頃、0.1%の信託報酬の差にこだわり、1円でも安い手数料の証券会社を選び、利回り1%を上乗せするために血の滲むような分析をしています。それなのに、ニックさんが言うように『毎日0.01%を誤差として使う』ことを習慣にしてしまったらどうなるかは火を見るよりも明らかだとは思います。一番怖いのは、消費に対する慣れですね。これがいわゆる生活レベルを上げるという話なのです。
そもそもその娯楽まがいでつかっている0.01%以外にも家賃とか光熱費とか住民税とか社会保険料とか医療費とかローンの返済とか、いろいろな負担があるわけです。「おっしゃ!0.01%なら問題ない。使ってやるー」とは、普通の感覚だとそうはならないわけです。
まじでやったら、すくなくとも1年で3.65%の資産が、文字通り消えてなくなります。それ以外の支払いもあることを忘れないでください。資産は加速度的に減ると思います。
インデックス投資の期待リターンが年利5%程度だとしたら、その大半を消費で相殺してしまう計算です。これでは資産形成のエンジンに砂を放り込んでいるのと同じです。複利の力で資産を雪だるま式に増やすはずが、毎日その表面を削り取っているわけですから、いつまで経っても雪だるまは大きくなりません。逆スノーボール状態です。
それでこの0.01%ルールの本当の怖さは、金額の小ささではなく、『感覚の麻痺』と『頻度』という罠にあります。
『1,000円くらい誤差だ』という思考が毎日のルーティンになった瞬間、それは合理的な投資家の判断ではなく、ただの浪費家への転落です。
昨日0.01%ルールで食べた数千円の贅沢ランチが、今日のあなたの人生をどれだけ豊かにしたでしょうかという話です。もしそれが記憶に残らない程度の満足感なら、あなたは「年間3.65%の死金」を払いつづけることになります。それ以外の支払いがあることも忘れないでください。
この「0.01%ルール」は、この「金銭感覚の麻痺」を習慣づけてしまうという罠が合わさっているわけです。習慣って本当に怖いので、自分のペースを壊すような、「これぐらい使っていい」みたいな変な免罪符や論理武装を手に入れないほうがいいでしょう。
まとめ
まとめると、この0.01%ルールをどう扱うべきなのかですが、このルールは、毎日無意味に垂れ流すための『予算』ではないということをまず考えてください。
それでどうしてもお金を使わないといけないときとか、迷ったときに、0.01%ルールで考えればいいとは思います。「これぐらいだったらまあいいかな」という話ですね。あくまで買うかどうか迷ったときの目安であって、日常的に適応するものではないとは思います。日常的にやっていたら習慣化してろくなことになりません。
むやみに生活レベルを上げるとろくなことがないですし、生活レベルを下げるときに大変なことはいろいろな事例が証明してしまっているので、あくまで迷ったときの一つの指標として使うのがいいかなとQ太郎は思います。
「お金がこれだけ貯まったから、これぐらい使っていい」という話ではありませんし、そういう話にしてはいけないですね。消費の習慣化は本当に恐ろしいとは思います。
そんなわけで、あくまで迷った時の目安としての金額として0.01%ルールを使うのはいいですが、習慣化するとろくなことにならないので注意が必要とは思います。
