【高市発言】投資家から見る中国依存ーハイリスクハイリターンを理解できない日本人

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china risk

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は米国株投資家から見る中国依存についてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

投資家から見る中国依存リスク

こんなご質問をいただきました。

いつも動画をありがとうございます。高市総理の発言ですが、台湾ではどのように受け止められているでしょうか?

また今回の発言によって、観光業や輸出業などがダメージを受けるとは思いますが、もともと中国というのはそういう国なので、この辺りをなぜ業者は織り込んでおかないのでしょうか? ある意味自業自得では無いかと思います。ご意見お聞かせください

とのことです。

実は今一時帰国して日本にいるのですが、台湾だと体感的にはそこまで大きな反応はなくて、中国がごねてるのはいつものことなので、いつもどおりみたいな感じです。特段大きなニュースになっているわけでもないですね。

そもそも日本を含めたどこの国も、普段からニュースとかをよく観ている人は別として、多くの一般市民にとって政治とか国際情勢とかはそんなに興味のある話題ではなくて、興味がある場合もせいぜい食べ物の値段が上がったとかの、生活に関わることが中心になるとは思います。

現在、日本のアーティストの中国公演が中止になっているようですが、そのアーティストのファンが「なぜ中止になったのかを調べて、はじめて理由を知った」みたいなレベルなので、多くの人は自分自身にとって身近な話にならないと、政治とか国際情勢に興味を持ったりしないんじゃないかとは思います。

それで中国リスクについてですが、このこと自体はずっと昔から言われていたことなので、こういうことが起こることは想定しておくべきとは思います。

これまで儲かっていたということは、いわばそれはハイリスクの裏にあるハイリターンを得ていたという話なので、投資的に考えればそのハイリスクの部分を無視してハイリターンだけを得るというのは、さすがに虫のいい話なわけです。というか、そんな投資はあり得ないわけです。ハイリターンということは、そのぶんハイリスクなわけですね。

中国事業や中国人観光客をあてにした事業というのは、これまではそのハイリターンの部分の恩恵を受けていました。それでハイリスクの部分が出てきたときに、「なんとかしろ」と言われても「いやいやいやいや」みたいな話になってくるわけです。

投資で例えれば、レバナスとか暗号資産に全資金を突っ込んで、そのあとに大暴落したからお金返せといわれても「いやいやいやいや。そのハイリスクがあるからハイリターンなんだよ」という話です。

中国依存のリターンとリスクをわかりやすく言えば、リターンはやはり中国の成長性や高リターンの可能性ですね。

一方のリスクですが、なんかあるたびに規制がかかるリスクや政治的なリスク、そもそも情報が不透明すぎるリスクなど、いろいろとリスクがあるわけです。そのあたりをわかったうえでリターンを享受しているのなら話はわかるのですが、「なんか中国との取引がうまくいかなくなったから補助金出せ」は、「レバナス買ったけど暴落したから補助金出せ」と言っているのと似たようなもので、投資の観点からすればそれはないだろうという感じです。

そんなわけで中国事業のハイリターンはハイリスクの裏にあるものなので、「儲かっていたのは、ハイリスクと引き換えの結果」であることは理解した方が良いとは思いますが、ただ日本だと昔から「今うまく行っていることは将来もうまくいく」という現状維持の文化があって、将来起こるリスクを真剣に考えてこなかったというのがあります。これは政治でも経済でもおなじですね。

銀行預金をずっとやっているのもそうでして、「お金が減らなくて将来も安全」と思っているのかもしれませんが、通貨の価値が下がっていくリスク自体を考えていないのですね。銀行利息が高ければ話は変わりますが、日銀がむりやり低金利で抑え込んでいるのでリスクは高いとは思います。

かと言って、リスク資産に全部振り分けるというのも極端すぎる話で、けっきょくはどう転んでもいいように分散投資したほうがいいという話ですね。

中国依存というのも中国という株に財産を全部突っ込んでいるようなものなので、そりゃ当然ハイリスクハイリターンなわけです。中国事業自体をやめる必要はありませんが、中国以外の国からも利益を取るようにして、リスクを分散させていくことは重要とは思います。もちろんそのぶん利益は減りますが、堅実にいきたければミドルリスクミドルリターンぐらいにおさめておいたほうが良い気はします。

というか、昔からそういうことが言われているのにリスク分散をやってこなかったということは、それはもうハイリスクハイリターンの現状維持を続けているという話なので、それはもう自分の問題なんじゃないかとは思います。

そんなわけで集中投資はハイリターンの一方でハイリスクなので、それを受け入れたうえでやる分にはいいとは思いますが、「損した。補償しろ」は、投資の観点からすればさすがにどうかなとは思います。

あと観光の方についてですが、中国人観光客の9割は個人観光で、残りの1割が団体旅行と言われています。今回旅行中止になっているのは団体客の方で、これは旅行会社が中国政府に忖度しなければならないからですね。

残り9割の個人旅行客はそのままじゃないかという話もあり、そこまで影響は大きくないともされていますが、データがあるわけではないのでちょっとよくわかりません。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・そもそも一般市民の大半は、身近なこと以外は政治にあまり興味がない。

・中国からの利益というのは、ハイリスクがあってのハイリターン。「儲かっていたのは、ハイリスクと引き換えの結果」であることは理解した方が良い。

・ただ日本は昔から「今うまく行っていることは将来もうまくいく」という現状維持の文化があって、将来起こるリスクを真剣に考えてこなかった。(政治でも経済でもおなじですね。銀行預金もそうですが、現状維持による将来のリスクを考えるのが苦手とは思います。)

・中国依存というのも中国という株に財産を全部突っ込んでいるようなもの。それゆえのハイリターン。

・ハイリスクをわかっていてやっているのはいいけど、失敗して「なんとかしろ、補償しろ」とかは、投資の観点からすれば通らないかと。

・投資の観点からすれば分散投資(取引先の多様化)して、リターンは減るけどリスクを減らす努力もした方が良いかと。(ミドルリスクミドルリターンぐらいに収めた方が良いかと)。

となります。

そんなわけで今回のことで中国からの客が減って利益が減ったという話は、ようは中国にフルベット状態というハイリスクハイリターンの状態をずっと維持してきたので、わかっていてやっているのであればいいのですが、そういうのが嫌であれば、取引先を増やすなどの分散投資をしていくことで、利益は減るけどリスクも減るというミドルリスクミドルリターンに収めた方が良いんじゃないかとは思います。

そんな感じで中国リスクはわかりきっている状況なので、それでも中国にフルベットするのであれば、それはご自由に、ただしリスクは引き受けてくださいという話です。さすがに暗号資産にお金全部突っ込んで、もうからなかったら助けてくれはどうなんだろうという話ですね。

中国はハイリスク・ハイリターンの典型的市場とも言えますので、それをわかったうえで自己責任でおこなっていただければとは思います。