
取り崩し投資運用中のQ太郎です。
今回は、資本主義がいかにして私たちの「お金の不安」を煽り、それを巨大なビジネスにしているのか、というテーマについてです。
Youtubeで観たい方は以下のリンクから。

「お金の不安」を煽るビジネス
はじめに、視聴者様からこのようなご質問をいただきました。
「Q太郎さん、いつも動画を拝見しています。最近、SNSやニュースを見ると新NISAや投資をいかに早くやるかという話ばかりでうざいです。早くしないと円安やインフレに取り残されるということです。この傾向をどう思いますか?」
とのことです。
まあ、たしかに円安やインフレとかは進んでますので、全部日本円はさすがにリスクだとは思いますが、ほとんどをリスク資産にぶち込むというもリスキーとは思います。
ちなみにこの投資煽りも一種の証券会社のビジネスと化しています。
というのも、今の時代、ふとした瞬間に、将来お金が足りなくなるんじゃないかとか、自分だけが周りから取り残されているんじゃないかという、強い不安に襲われることが多いんじゃないかとは思います。
今の日本は、スーパーに行けば安くて美味しいものが買えますし、スマートフォン一つで世界中のエンターテイメントが手軽に楽しめる、一見すると非常に豊かな社会です。
でも、心の中は昔の人たちよりもずっと不安定になっている気がしますよね。これは以前から何度も言っていることですが、お金への依存度が高すぎるわけです。お金がないとなにもできないという状態にされてしまっているのですね。
結論から言ってしまうと、現代の資本主義というシステム自体が、この「不安」を強力なエネルギー源、つまり燃料にして動いているからなわけです。
企業にとって、私たちが今の生活に満足して、安心して毎日を暮らしている状態というのは、実は一番困る状態なんですね。
なぜなら、心から満足している人は、それ以上新しいモノを買わないからです。 資本主義がいかにして私たちの不安を増大させ、それを良い稼ぎ口に変えているのか。そして、その罠からどうやって抜け出して心の平穏を保てばいいのか。
今回はこのあたりをじっくりと深掘りしていきます。
さて、まずは昔と今のビジネスの違いについて整理しておきましょう。 高度経済成長期のような昔の日本であれば、企業は「みんなが持っているから、あなたも買いましょう」という、いわゆる横並びの意識を刺激するだけで飛ぶようにモノが売れました。
隣の家がカラーテレビを買えば、うちも負けじと買う。同僚がマイカーを買えば、自分もローンを組んで買う。そうやって、みんなと同じルートを辿り、同じモノを所有することが幸せの証明だったわけです。企業も「みんな買ってますよ」と言うだけでよかったんですね。非常にシンプルです。
ところが、今はどうでしょうか。すっかり価値観が細分化されてしまいました。 趣味も、生き方も、何に幸せを感じるかも、人それぞれバラバラです。これさえ持っていれば正解という、みんなに共通するゴールが消滅してしまったんですね。 こうなると、モノを売る企業側は非常に困ります。みんなと同じですよという、かつての必勝パターンが通用しなくなったからです。
そこで、細分化された現代において新しく編み出されたのが、不安を煽るという手法です。 みんなの憧れではなく、恐怖を売るようになったわけですね。
今のままでは、あなたは老後破産する可能性が高いですよ。 このサプリメントを飲まないと、将来大きな病気になって後悔するかもしれません。 このプログラミングスキルを身につけないと、数年後にはAIに仕事を奪われてしまいますよ。
どうでしょう。スマートフォンを開けば、こういった身に覚えのある広告ばかりが目に飛び込んでくるんじゃないかと思います。
新NISA自体は、非課税で資産形成ができる非常に素晴らしい制度だと私は思います。しかし、それすらも一部のメディアや金融機関の手にかかれば、やらないと損をする、乗り遅れた人間は一生後悔するという、強烈な不安の煽り道具にされてしまうわけです。
企業にとって、不安を抱えた顧客というのは、言葉は悪いですが最高のカモなんです。 人間は、不安であればあるほど冷静な判断能力を失います。普段なら絶対に買わないような手数料の高い投資信託を慌てて契約してしまったり、万が一に備えると言って不要な保険にいくつも入りすぎたり、よくわからない高額な情報商材に手を出してしまったりするわけです。
なぜなら、これを買えば不安が消えますよと囁かれると、すがりつきたくなってしまうからです。資本主義という巨大なシステムにおいて、私たちの不安は、そっくりそのまま誰かの利益に変換されているという残酷な事実を、まずはしっかりと認識しなければなりません。なんでそんなに焦らなあかんねん、と一歩引いて考える視点が必要なんです。
不安を煽るニュースを見るたびに、ああ、この記事を書いた人は、僕の老後不安を突いてページビューを稼ぎたいんだなとか、この広告は私の焦りを煽ってこの高い商品を買わせようとしているんだなと、少し冷めた目で見るようにしてみてください。そうやって裏側の意図を意識するだけで、不思議と焦りはスッと引いていくものです。
では、私たちはこの不安を煽られる無限ループからどうやって抜け出せばいいのでしょうか。
他の動画でも何度も言っているように、まずはお金を使わないでいろいろなことができるスキルですね。料理がつくれれば外食に頼る必要はありませんし、自分で娯楽が創り出せれば他人がつくったものを高いお金で買う必要もありません。食べられる野草を見分けられれば、安心感は爆上がりします。お金出さなくても食料を手に入れられますしね。
あとはバケツ戦略で生活費をキープしつつ投資していけばいいとは思います。活防衛資金を入れる短期バケツ、ローンの頭金や子供の学費などまとまったお金を入れておく中期バケツ、この2つのバケツさえ充実していれば、残り全部を長期バケツに入れてリスク資産を運用しても問題はないでしょう。逆に生活を支える短期・中期バケツが充実しない状態でリスク資産を買いまくっていると、なんかの拍子で生活がまわらなくなってしまうかもしれません。
とりあえず短期バケ・中期バケツを充実させて、残りは長期バケツに入れてインデックス投資で気長に運用していれば、外野が今は株を買えとか、暴落が来るから全部売れとどれだけ騒ごうが、自分のペースを乱されることはありません。 極端なゼロか百かの思考、たとえば現金はゴミだから全額投資しろといった、プロの投資家のようなポジショントークに振り回される必要もないでしょう。
私たちの目的は、日々の生活の安定であって、投資の大会で優勝することではないからです。投資というのは、本来将来の不安を解消するためにやるものであって、日々の不安を増やすためにやるものではないはずです。将来の安心を買うために投資をしているのに、日々の不安が増えたら、それは本末転倒なわけです。
資本主義のゲームには参加しつつも、自分の心の安寧まで企業にコントロールされる必要はありません。 本当の豊かさというのは、証券口座の数字がただ増えていくことではなく、お金に依存しなくても大丈夫だという安心感そのものです。
世の中の煽り文句に振り回されて、誰かの利益のために自分の心を削る暇があったら、食べられる野草の見分けかとか、スコーンの作り方とかを学んだり、自分で娯楽をつくりだすスキルを磨いておいたほうが、よっぽど生きることに安心できるとは思います。お金に依存しなくていいですしね。
お金の不安は、お金への依存と表裏一体です。
いまの社会でお金がないと生存できませんので、お金の不安を完全に消すことはできませんが、お金をつかわないでなんとかできるスキルが多ければ多いほど、お金の不安は減ります。とにかくお金でなんとかしようみたいなお金への依存を減らすことで、心穏やかに生きられると思います。
まとめ
今回のまとめです。
その一、現代の資本主義は「不安」を燃料にしているという事実を認識することです。 SNSやニュースを見て焦ってしまうのは、決して皆さんのメンタルが弱いからではありません。みんなが同じものを欲しがった昔と違って、今の時代、企業は「これがないと将来ヤバいですよ」と恐怖を煽ることでしかモノを売れなくなっているんですね。
まずはこの構造に気づいて、「ああ、また不安を煽って商売しようとしてるな」と一歩引いて見る。このメタ認知ができるだけで、心の平穏はかなり保たれるはずです。
その二、極端なゼロか百かのポジショントークに振り回されないことです。 「現金はリスクだから全額投資しろ」といった、プロの投資家やインフルエンサーの極端な煽りを真に受ける必要はありません。
大切なのは、日々の生活を支える短期バケツと、数年以内に使う予定のある中期バケツをしっかり満たしておくこと。その足場さえ固まっていれば、残ったお金を長期バケツに入れて気長にインデックス運用するだけで十分なんです。将来の安心のために投資をしているのに、日々の不安を増やしてしまっては本末転倒ですからね。
その三、お金への依存度を下げるスキルを身につけることです。 実は、これが最強の防衛策になります。お金がないと何もできない、という状態が一番の不安を生み出します。だからこそ、食べられる野草を見分ける知識や、家で美味しいスコーンを焼く技術、自分でお金をかけずに娯楽を作り出すスキルが、どんな金融商品よりも確実な安心感をもたらしてくれるわけです。
「いざとなればお金を使わなくても楽しく生きていける」という自信が、資本主義の罠から皆さんを守ってくれます。
最後に。お金はあくまで、私たちが幸せに生きるための道具の一つにすぎません。世の中の不安を煽るゲームに巻き込まれて、証券口座の数字の増減に一喜一憂し、心をすり減らしてしまうのは本当にもったいないことです。
誰かの利益のために焦らされるのはもうやめにして、お金に依存しなくても豊かに生きられるスキルを磨きながら、自分なりの心穏やかな毎日を過ごしていきましょう。

