今年の夏、円高ドル安がさらに進む?ヘッジで金を買った方が良い?【新NISA】
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、円高ドル安が今年の夏にさらに進むのではないかとのことについてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
円高ドル安が今年夏にさらに進む?
こんなご質問をいただきました。
「ドル円ですが、最近はしきりに今年の夏に大きなドル安が来ると言われています。
とあるインフルエンサーは、ドル安は金やビットコインの価格上昇になるので、今のうちに買っておいた方が良いとも言っています。
なぜ夏なのかがまずよくわからないのですが、どういうロジックでこうなっているのでしょうか?
現在金やビットコインの購入を考えています。何か知ってましたらご教授願います。」
とのことです。
そのインフルエンサーに連絡がつくのであれば直接聞いた方が良い気もしますが、まず金やビットコインの価格上昇については、ようはドルが安くなることにより、相対的にそれらの価格が上がるというだけの話です。
金やビットコインの価値自体は変わらなくても、ドルが安くなるので、ドルから見れば価格が上がっているように見えるという話ですね。
金は価値を保持する財産です。金1を100ドルで買えていたとして、ドルの価値が10%下がれば、そのぶん金の値段は単純計算で10%上がるという話です。金の価値自体は変わっていないのですね。
そのため、通貨安に備えてゴールドを買っておくというのも、一つのポートフォリオ戦略なので、これはこれで特段目新しい話でもなんでもありません。
ただビットコインについては、こちらは裏付けがないため通貨の価値を保持するものではないので、ドル安=ビットコイン高になるかどうかは微妙なところです。
たんにドル安へのヘッジにしたいのであれば、ビットコインよりゴールドを買ったほうがいいとは思います。ゴールドも現物じゃなくて、特定口座や新NISA口座で投資信託を買うのが税金的にも楽ですね。金ETFのGLDMでもいいとは思います。
ゴールドの話については以前の動画でも取り上げたので参考にしてください。
ビットコインのほうですが、税制的にもあまりうまみがないですし、利益の計算や確定申告が面倒くさいというのもありますね。とくにビットコインを何回かに分けて買ったりすると、取得価格の計算がかなりめんどいことになります。楽天ウォレットとか暗号資産業者もそのあたりほとんどサポートしてくれませんしね。確定申告は自己責任でやれみたいな感じになっています。特定口座預かりできれば楽なんですけどね。
Q太郎は観測用にビットコインとイーサリアムはちょっとは持っていますが、観測用なので売ったりする予定もありませんし、たぶん一生置きっぱなしとは思います。
そんな感じで、現状日本では暗号資産は使いづらさがあるので、ヘッジに使うならゴールドの投資信託が一番楽かなという感じです。ヘッジですから、売り買いしやすいものがいいですね。
これらを今のうちに買っておいたほうがいいのかどうかについては、ヘッジの意味でなら、必要であればゴールドをちょっとぐらい買ってもいいんじゃないかとは思います。あくまでこのあたりは、自分のアセットアロケーション戦略をどうするかによりますね。
それでなんで夏にドル安になるかについてですが、そのインフルエンサーの方がどういう理屈でそういうことを言っているのかという事自体がわからないのでなんともいえないのですが、現在はトランプ高関税によるアメリカからの資金流出でドル安が現在進行形で進んでおり、夏まで待つでもなくすでにドル安状態になっています。
ドル指数のDXYですが、さきほど見てみたら年初来で-8.9%と、今年ですでに9%ほどの落ち込みを見せていますね。そんな感じで、夏を待つまでもなくすでにドル安状態にはなっています。
それでトランプ大統領が4月9日に関税の90日延期を発表しているので、それが解除されるのが3か月後の7月ということになりますので、それで夏頃という話なんじゃないかなとは思います。
高関税が実施された場合、他の国に比べて一番貿易の多いアメリカが一番被害を受けるという当たり前の結果になってしまうため、米国経済の弱体化によって夏以降にドル安に進んでいくというシナリオは全然ありえるとは思いますね。
アメリカの地域別貿易赤字を見ますと、中国がダントツのトップで3000億ドル近くありますが、2位はEUで2400億ドルあります。日本相手は700億ドル弱程度ですね。
そのため、中国は当然のことながら、トランプ大統領がEUに攻撃的なのも、一つにこの貿易赤字の問題があります。
それでEUに対して、6月1日から一律50%の関税をかけると言い出していましたが、そのあとで7月9日まで延期するとまた言い出していますね。
なんにしろ、これも7月には解除される可能性があるため、ドル安にしろ、株式市場にしろ、高関税延期が解除される夏以降はいろいろ危ないんじゃないかという話になってきます。
なんにしろ、トランプ大統領のいうことは本当にコロコロ変わりますので、夏になったらまた延期になったりで、株価が上がったりする可能性もあるとは思います。
こういう先読みは、ぶっちゃけ上がるか下がるかの2択なので、あんまり意味はないかなという気はします。ギャンブルやっているようなものですしね。
そんなことより、バケツ戦略をどうするかとか、アセットアロケーションをどうするかとかのほうをちゃんとしておいて、どう転んでもいいように備えたほうがいいとは思います。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・金は価値を保持する。ドル安になれば、相対的にゴールドの価格は上がる(価値は同じ)。
・ビットコインについては裏付けがないため、ドル安=ビットコイン高になるとはかぎらない。
・ヘッジとして金を使うなら、売り買いのしやすい投資信託や、GLDMなど金ETFが便利。
・ドル指数は年初来で-8.9%なのですでにドル安。
・夏にドル安になるというのは、トランプ関税の延期期限が7月ごろになるからかと。
・ただトランプ大統領は言うことがコロコロ変わるので、本当に下がるかどうかはまた別の話。
・ギャンブルをするよりもバケツ戦略やアセットアロケーション戦略をしっかりやって、どう転んでもいいようにしておいたほうがいいかと。
となります。
夏にドル安になるというのは、トランプ関税延期の期限がくることが理由かなとは思います。ただすでにドル安自体は現在進行形で起こっています。
夏からまた一段安になるかどうかはその時次第ですし、トランプ大統領次第とは思いますので、そのときはそのときで考えればいいでしょう。それよりどう転んでもいいように資産配分を考えたほうがいいとは思いますね。