【新NISA】日本もついに高金利時代!投資より銀行預金が正解?
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
金利がどんどん上がっている現在、時代の流れは投資より預金かどうかについてです。
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今年は投資より銀行預金?
こんなご質問をいただきました。
「現在日本でも金利が上がって、今後もさらに上がるものと予測されます。
これまで「貯蓄から投資」の流れでしたが、これからは「投資から貯蓄」の流れになっていくという記事もありました。実際自分の使っているSBI新生銀行は普通預金で0.4%、5年物の定期預金で1.2%も付きます。
しかも日銀はまだ利上げを残していますので、今後もさらに上がりそうです。
元本保証ということを考えると、今後アメリカのトランプ政権で政治的混乱や経済的混乱のリスクがあったり、円高に進んでいる現状、投資のリスクは高く、むしろ投資から貯蓄の方向へ逆流する可能性も高いとは思います。
経済ジャーナリストの荻原博子(おぎわら ひろこ)氏は、ことあるごとに「NISAは危険。庶民は銀行預金の方が安全」とのことをおっしゃっています。また森永卓郎氏も投資の危険性を訴えてきました。
これらの意見は極端なものがありますが、実際に高金利になった場合、投資よりも貯蓄にした方がよいと思いますか?考えをお聞かせください」
とのことです。
荻原博子さんなどですが、極端なことやワンイシューを訴えることで注目を集めるというのは、現代社会のマーケティング手法のようなものなのでそんなに真に受けなくてもいいとは思います。そういうものだと思っておいてください。
極端なことを言った方が注目されますので、記事を書く方としてもそういう意見を積極的に取り上げた方が記事のアクセス数は上がります。そういう商売です。
ポピュリズムの基本は物事の単純化です。これは「民主主義の劣化」にもつながっていって、実際は「この案件はこうやって解決して、こっちの案件はこうやって解決する」みたいに案件ごとに解決方法が違うのが普通ですが、それを一緒くたにして何か一つのことをすればすべてが解決するのような論調で語ってしまう方が民衆受けはいいわけですね。
そんなわけで、そういう芸風だと思っていればいいとは思います。言論人も生き残りが大変な時代なので、「大変ですねー」と生暖かく見守ってあげればいいんじゃないでしょうか。
それで荻原博子さんは現在70歳で、これぐらいの年齢の方でちゃんと働いていたのであれば十分な年金が入ってきますから、投資より預金というのも正しいことは正しいです。下手に投資する必要がありませんしね。
ただ20代とか若い人はこれから先もありますので、現金だけ持っていると20年とか30年単位の長期でのインフレにはついていけなくなる可能性は高いので、余剰資金があれば何かしらの投資をしておいた方がいいでしょう。投資と考えるより、長期でのインフレ対策と考えた方がいいですね。
あくまで余剰資金の価値を保存する意味での投資なので、生活費とかを削りまくってまでの投資はリスキーとは思います。とくにiDeCoなんかに入れた日には60歳まで引き出せませんので、急に会社をクビになって緊急でお金が必要なときに何もないなどということがないように、短期バケツ・中期バケツも用意して、きわめて計画的に行うのがよいでしょう。
人間は現在しか生きられませんので、遠い未来が存在するかどうかは不確定です。明日死ぬかもしれませんし、あまりにも現在を無視して、来るかどうかわからない未来に対して全ツッパしない方が良いとは思います。
荻原さんや森拓さんは言うことは極端だとしても、現在を捨てて投資に全ツッパしている状況というのも健全とは言えませんので、毎日毎日の日常を楽しく生きられるようにした方がいいでしょう。要はバランスの問題です。
それで直近のことですが、高金利の局面において株式より銀行預金というのは、べつに間違った考えではありません。
例えば銀行の利息が4%とか5%ぐらいあったら、下手に株式投資をしてリスクを負うよりも、銀行にお金を預けた方が安全ですし確実です。日本だったら1000万円以下なら保証されますので、心配な方はいくつかの銀行に分けておいておいたほうがいいでしょう。
そしてこういう高金利の局面だと、株式は下落する傾向にあります。リスクを負っているはずの株式の利回りが、金利に対して低い状態であれば、株式の利回りが合理的な状況になるまで株価は落ちていきます。
こういう局面では下手に株を買うよりも預金していた方が安全というのは、正しいといえば正しいです。S&P500の4%ルールから考えても、4%以上の高金利はおいしいですし、日米金利差を考えれば円高の状況になっているとは思いますので、日本円での利息受け取りも合理的な選択になるでしょう。
そのため、今後高金利になっていけば、いったん投資を控えて銀行利息をもらう方向、いわば銀行預金に投資する方向に向かうのも、ありと言えばありです。
ただ金利というのは変化しますので、未来永劫高金利なわけではありません。
例えばバブル時代に利息が6%とかありまして、それだったら5000万円あれば毎年300万円入って来て安泰じゃんと思うかもしれませんが、利息は永遠のものではないため、やはりどこかで投資先を変える必要があります。
仮に今後利息4%という時期がやってきて、株式投資のために毎月積立していた資金をいったんやめておいたとしても、金利が低下してきた時期にはやはり積立投資を再開させないといけなくなります。そのため、結果的には時期を見たタイミング投資的なものになります。あくまで短期・中期的な戦略ですね。
金利は変動していくものなので、数十年単位の長期的には、やはり株式やゴールドなどに投資しないと現金の価値は減っていき、インフレには勝ちづらくなります。そのあたりをどうするかで考えていくのがいいですね。
基本的には一点掛けせずに、バケツ戦略で株式も現金もバランスよく持てばいいとは思います。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・言論人は極端なことを言った方が注目を集めやすい。そういう芸風だと思って生暖かく見守る(彼ら・彼女らもいろいろ大変だとは思います)。
・高金利下においては、銀行預金を利用するのも一つの戦略(銀行に投資をするということですね)。
・高金利下において、株式はその利回りが合理的になるまで株価が落ちる傾向にある。(預金が4%で株式も4%だとリスクを取っている分株式は不利ですから、利回りが合理的になるまで売られる傾向にあります。)
・金利は変動するので、長期的には株式などのリスク資産でないとインフレに勝ちづらい。
・基本的には一点掛けせずに、バケツ戦略で株式も現金もバランスよく持てばいい。
となります。
そんなわけで短期・中期的には高金利での預金戦略を取るのもありですが、数十年単位での資産の目減りを防ぐためにはやはり現金だけに頼るのはリスクが高いです。今すでに60歳とかで資産も十分で年金も受け取れるのであれば、もうそんなんだったらリスク冒す必要もないので現金でも十分とは思いますが、まだ若くて生活防衛資金以外の余剰資金が多いという方はNISAなどを利用してインフレ対策をしておいた方がいいとは思います。
自分の年齢とか投資スパンを考慮して、自分にとってベストの方法を模索していくのがよいでしょう。