FIREより生活保護?【FIRE/老後】
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、FIREよりも生活保護のほうがいいのではないかというご質問についてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
FIREより生活保護?
こんなご質問をいただきました。
「FIREするためにやりたくない仕事をして無理な貯金をしている人たちがいますが、「FIRE=自由な時間」と考えれば、お金をかけない娯楽と最低限の生活をするだけなら生活保護でよくないかとは思います。そもそも嫌な仕事をしなくて済みます。こういう人達は仕事を嫌がっているのに、なぜ生活保護を取らないのでしょうか?
ホリエモンが言っていたことですが、今の時代はエンタメがほぼ無料で手に入ります。ネフリやアマプラも1000円ぐらいで利用できますし、Youtube観ているだけでも十分ですし、一体何にお金を使っているのかと不思議がっていました。そのため、本当にFIREしたいのであればさっさと生活保護取って好きな事やればいいと言っていました。
生活保護でよく聞く、「パンの耳しか食べれない」や「十分な食費がない」というのもおかしな話で、10数万円もらっていて食費が足りないわけがありません。普通に働いている人でも月額10数万円で生活している人達はいます。
生活保護は医療費も無料で、一体何にお金を使えばパンの耳しか食べられない生活になるのか不可解です。食費が3万円だとしても、十数万円なら十分お金が残ります。これは単に収支計算が出来ていないだけで、質素な生活でFIREをしたい人なら生活保護を賢く使えるんじゃないでしょうか。
生活保護でも最新のiPhoneを買ったり、海外旅行へ行ったりする人もいると言います。これを批判する人がいますが、むしろ生活保護の範囲でしっかりお金を貯めて上手く使っているとも言えます。パチンコなどでお金が消えて、食べる物が無いなどと言っている人に比べるとだいぶましだとは思います。
質素な生活なら賢く生活保護を使うことで、苦労して働いて大金を稼いでFIREする必要がないとは思うのですが、この考えについてどうお思いでしょうか?」
とのことです。
生活保護についてはいろいろな偏見があって、とくに嫌な仕事を頑張って働いている人たちからしてみると、「こっちは苦労してお金を稼いでいるのに、働かないでお金もらえるのはずるい」みたいな話になって、やたらと風当たりが強かったりします。
ただニュースになっているのは極端な例ばかりで、実際のところ生活保護を受けているのはほとんどが高齢者です。それで生活保護に使われている3兆円ですが、その半分は医療費になっています。ざっくりですが住宅扶助が15%、生活扶助が35%という割合ですね。
そのため、生活保護を取っている人の多くが健康上に問題がある方でして、やむを得ない理由の方がほとんどです。
ニュースで出ているような不正受給というのは、件数ベースで約2%、金額ベースだとさらに低くなってせいぜい約0.4%程度です。これらはレアケースですし、不正受給を持ち上げて生活保護を叩くというのもちょっと違うとは思います。
ここで不正受給がどういうケースについてですが、収入や財産があるのに生活保護を受け取っている場合ですね。生活保護を受けても働く事自体は問題無いのですが、それを申告しないと不正受給になります。
たとえば生活保護を取りながらYoutubeをやって収入を得ているとか、フリマアプリでせどりやっているとかだと申告しないと不正受給です。
たんに年齢が若いとか、働ける体なのに働いていないというのは不正受給にはなりません。認められればそれは正式な受給です。
そのため体は大丈夫だけど精神が病んでしまって働けないというのであれば生活保護をとることはできますし、むしろ遠慮せずに取ったほうがいいとは思います。鬱のふりをして取っているという人がいるかもしれませんが、それでもそこまでして取るということは、もはや働く気力は無いので好きに取ったらいいとは思います。
むしろ日本は、生活保護以下の給料なのに生活保護を取らない人が多くて、生活保護の補足率も2割程度なので、むしろガンガン取れるシステムにした方が良いとは思います。
不正受給というのは、あくまで生活保護を受け取っていながら収入や財産があってそれを申告していない人のことで、働く気力がない人は遠慮せずに取ればいいのです。認められて取れたのであれば、それは不正受給ではありません。
そのあたりが混ざっていて、「働けるのに働いていない」というのを叩いている人がいたりしますが、正式に認められていればそれは不正受給にはならないのです。働けるかどうかは本人の問題ですし、年齢も関係ありません。他人がどうこう言える問題ではありませんし、問題があるかどうかを決めるのは自治体です。問題は収入や財産を申告しないことです。
もう一つの勘違いとして、生活保護は弱い立場の人のためのものという考えです。生活保護は国民全員に与えられた権利なので、立場は関係ありません。条件を満たしてさえいればいいだけです。
そんなわけで生活保護は取りやすくした方が世の中良くなるとは思いますが、どうも世の中は「自分は苦労して働いているのに、こいつらは楽して許せん」みたいな人たちがいて、話が別の方向にねじ曲がってしまいます。本当にそう思うなら、自分も取ればいいじゃんと言えば、「プライドが許さない」とか「生活保護を取らないのは誇り」とかいう人もいます。
そう思う人が勝手にそうして取らなければいいだけで、その思想を全員に押し付けたり、他人を攻撃したりとかはどうかとは思います。そもそも仕事なんて人間性殺してまでやるようなものではありませんし、そんな苦しい仕事をするよりも無駄金使わないとか、生活保護をとるとかして気軽に生きてほしいとは思います。
「仕事をしない人は価値が無い」みたいな価値観が蔓延すると、無敵の人が発生しやすくなってしまうので、そっちのほうが社会的な損失は大きくなります。その価値観を持つことは個人の自由なのでどうでもいいのですが、それをまわりに押し付けたり、他人を攻撃したりするのはどうかとは思います。
他人を攻撃するというのは、ある意味その状況がうらやましいということでもあるので、うらやましいなら自分もやればみたいな話になります。そこでプライドとか言い出したりして、だったら自分だけでプライド持って、自分だけ頑張っていればいいから、他人攻撃する必要性ないじゃんみたいな話にもなります。
日本的な「おれが苦労しているからお前も苦労しろ」の文化は、怒りをまき散らすだけですし、仕事至上主義の無敵の人やら事件やらを引き起こすので、あまりよろしくない風潮とは思います。仕事が尊いみたいな考え方は、富国強兵の近代に入って以降ですし、国家のためにそこまで尽くさなくてもいいとは思います。
国家はあくまで個人の生活を豊かにするためのものであって、個人が国家を豊かにするためのものではないです。もう少しまったり生きれてギスギスしない世の中のほうがいいので、仕事が苦しい人は生活保護をどんどん取っていただければと思います。取れるかどうかを決めるのはそもそも自治体ですしね。
そもそも生活保護者を叩くより、生活保護レベルの給料しか稼げないような社会にした政府を叩いたほうがまだ健全ですし、そのほうがまだ世の中よくなるとは思います。
たとえばあなたが毎月数百万円稼げていたら、生活保護者が毎月十数万もらってることなんてどうでもよくなりますし、働かないでお金もらえるなんてうらやましいなんてまず思わないですし、「そんなに困ってるなら早く生活保護取れよ」みたいな話にもなります。
国民どうしで対立を生み出して、為政者に矛先が向かないようにするのは、昔からの為政者の常とう手段ですしね。そういうのに乗っからないようにしたほうがいいとは思います。叩く相手を間違えています。
Q太郎的にはみんながばんばん生活保護とって、ヤバいレベルで国の財政圧迫して、自分たちの政治の結果でこうなっているという嫌がらせをした方が良いとは思います。
日本国憲法で文化的で最低限の生活が保障されている以上、生活保護のシステムを無くすことはできませんし、そうすれば強制的に改革しなければいけない段階に進みますので、中抜きやら政治家が毎日おいしいものを飲み食いしている余裕もなくなっていくとは思います。
なんにしろ仕事至上主義のような風潮を無くして、生活保護をとりやすい空気をつくったほうがいいとは思いますね。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・生活保護を受けているのはほとんどが高齢者や健康上に問題のある方たち。
・3兆円の内訳は、医療費が50%、住宅扶助が15%、生活扶助が35%で、半分が医療費。
・生活保護を取っているのに収入や財産を申告していないのが不正受給。働けるのに働いていないのは不正受給にはならない。(働く意思が無いというのも、認められたなら不正受給にはなりません。収入と財産を申告しないことが不正なのです)。
・生活保護の補足率はせいぜい2割。
・生活保護は弱い立場の人たちのものではなく、国民全員に与えられた権利。
・「おれが苦労しているからお前も苦労しろ」の文化は怒りをまき散らすだけ。
・仕事至上主義は無敵の人やら事件やらを引き起こすので、社会的にもあまりよろしくないかと。
・そもそも生活保護者を叩くより、生活保護レベルの給料しか稼げないような社会にした政府を叩いたほうがまだ健全。そのほうが世の中よくなる。(毎月数百万円稼げていたら、生活保護者が毎月十数万もらってることなんてどうでもよくなる)。
・国民どうしで対立を生み出して、為政者に矛先が向かないようにするのは昔からの常とう手段。叩く相手を間違えない。
となります。
そんなわけで生活保護者の風当たりが強いのは、増税やらなんやらでそもそもの手取りが生活保護レベルになってしまっていることも問題だとは思います。そこで叩くべきなのは政府のほうであって、生活保護者ではありません。生活保護のシステムがないと、自分がいざその立場に置かれたときに困るとは思います。
そもそも月数百万円とか稼げれば、生活保護者が毎月十数万もらうことなんてどうでもよくなりますし、「困ってるなら早く取れ」「働きたくないなら取ったらいいよ」みたいな話になります。
そんなわけで叩く相手を間違えないようにしないと、為政者の掌のうえでおどらされていることになります。
先ほどもいったように、Q太郎的にはみんながばんばん生活保護とって、国の財政を圧迫するという嫌がらせをして、強制的に次の段階に進んだ方がいいんじゃないかという気はしますね。