【FIRE/老後】FIREを見て育った若者はお金を使わない?

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okane tukawanai

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、FIREを見て育った若者はお金を使わないことについてです。

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FIREを見て育った若者はお金を使わない?

こんなご質問をいただきました。

最近の若者がお金を使わない背景としては、税金と社会保険料の増額で可処分所得が少なくなったこともありますが、FIREブームの影響も大きいと思います。

FIREという考え方が広がったことで、これまで一般的に考えられてきた「お金は使うもの」という価値観から、「お金は守るもの」へと価値観が変わりつつあるのではないかでしょうか。

経済成長期の世代は「稼いで使え」というイケイケドンドンな生き方でしたが、モノが揃っている現代には合わなくなってきています。

また若い世代は、子どもの頃から「浪費よりも節約、消費よりも投資」を良しとする親たちを見て育った世代も多いですし、これからはこの傾向が強くなるのではないかと思います。

「お金を使わない=堅実で賢い生き方」という価値観が当たり前になりつつあると思うのですが、この辺りをどうお考えでしょうか」

とのことです。

確かに「FIRE」という用語が結構一般的になってきていますし、若い世代は仕事よりも趣味とかライフワークに力を使うようになってきて、仕事に対してあまり力を入れなくなってきている感じはあります。

レバレジーズの出している「若者しごと白書」の昨年のをデータを見ると、若年フリーターの正社員希望率は年々減少傾向にあって、2022年は44.9%だったのに対し、昨年の2024年は34.4%と、たった2年で一気に10%ぐらい減っています。

これは少子化・労働力不足でフリーター自体の給料が上がっていることもあり、「長期的にもフリーターで大丈夫じゃね?」という考えも出てきているとは思いますね。

今別に正社員になったからといって、終身雇用があるわけでもありませんしね。

また将来希望する雇用形態としても、正社員が47.2%に対し、パート・アルバイト・フリーランスなどを合わせると48.9%と、正社員よりも希望が多い形になっています。どこかに所属するよりも、自分で自由に稼ぎたいという人が多くなっているのだとは思います。

ちなみに派遣社員・契約社員を望んでいるのは全体の3.6%ほどしかなく、こちらは人気があまりありませんね。若い世代での派遣についてのイメージがあまりよくないですしね。

フリーターを希望する理由としては、「自由な時間が多いから(49.2%)」が最も多く、「仕事量や勤務日数・時間を調整できるから(48.6%)」と続き、自由時間の確保がほぼ100%を占めている形になっています。

正社員だと少なくとも毎週5日間の8時間労働をしなければならないというのがあって、そういうのが嫌というのもあるとは思います。このあたりも安定を求める昔の世代とはだいぶ考え方が変わっていますね。

ただ現実問題、それがうまくいっていない現状もあります。

フリーターの週の平均労働日数でもっとも多かったのは「週5〜6日」で(43.5%)、1 日あたりの労働時間は「4〜6時間未満」が35.7%、「6〜8時間未満」が35.6%と、合わせれば全体の約7割を占めており、けっきょくそれなりに長時間労働になってしまっているのが現状です。業種にもよりますが、「労働時間が似たようなものだったら正社員のほうがよくない?」という話にもなってきたりします。

ただ正社員は正社員で、「残業が当たり前で長時間拘束される」「いわゆるみなし残業やらサービス残業があるから、長い時間働いても給料が上がるわけではない」みたいなのがあるので、どっちがいいかというのも難しいところがあります。

あとITmediaの調査では、20~40代正社員300人のうち42%が「今より出世したくない」と回答していることから、正社員でも「そこそこの給料をもらって、責任もあまり重くなくて、時間が取れるポジション」を取ろうとしている感じがうかがえます。

Q太郎的にはこれけっこう結構すごい数字だと思っていて、4割の人が仕事したくないという話でもあるのですね。出世というのはようするに今の仕事をさらに深くしていくためのものですけど、それを拒否しているわけです。ようは「金と自由時間くれたらそれでいい」みたいな感じにはなってきているのですね。いわゆるライフワークバランスというやつです。

高市総理が馬車馬のように働くといって批判されていましたが、やっぱり若い世代はライフワークバランスを重視する傾向にあるとは思います。

結局のところ、その人がどういう生き方をしたいかが重要になってきますね。自由な時間を取ろうという人が増えているあたり、若い世代はそのあたりをちゃんと考えるようになったのかもしれません。

それで節約傾向になってきているのも、可処分所得の少なさもありますが、ある意味自分の人生設計を他人任せにできなくなっているというのがわかってきている世代だからというのもあります。

昔は終身雇用ですし、年功序列で年齢が上がれば能力に関係なく給料が上がっていくような状況ですし、十分な退職金と年金もあったので、とりあえず会社に入ってしまえば安泰という状況でした。税金や社会保険料もいまほど高くないので、可処分所得も十分にありましたしね。

そのため、人生設計みたいなものをあまり考える必要もなく、世間のモデルケースどおりにやっていけばいいというのがありました。

しかし今は、そんなものは全部なくなっている上に可処分所得もほとんどないという状況なので、そりゃ若い世代は強制的にでも貯金とか人生設計を考えざるを得ませんし、新NISAやiDeCoも考えないといけなくなっているのが現状です。

その一方で、「お金を稼ぐだけの人生で本当にいいのか」みたいな疑問も出てきており、FIREとかミニマリストとかの思想に触れていくと、「なんか世の中にはたくさんの物があるけど、ほとんどの物は必要ないよね」みたいな仏教的な悟りに近づいていく感じになります。「欲望や執着を捨てて今を生きる」みたいな感じですね。

「今を生きる」の生き方は、かならず欲望を捨てることをセットにしないと、「今を生きるために浪費しまくるぜ。ブランド品買いまくるぜ」みたいな話になってきますので注意が必要です。あくまで欲望や執着を捨てて今を生きることです。

そんなわけで欲望や執着を捨てることを意識していれば、自然に節約していることにもなりますので、お金も自然に貯まっていくとは思います。当たり前ですけど、お金を使わなければ貯まりますしね。

そんな感じで、FIREしたいわけではないけど、時間や自由を重視するというFIREやミニマリスト的な思想みたいなものを持ち始めており、いまはその過渡期というべき時代とは思います。次の世代はもっと生き方が意識されていくんじゃないかとは思います。

そんな感じで将来的には、経済成長はしないけど結構平和で幸福度高いみたいな、昔のブータンみたいな国になったらいいんじゃないかとは思います。

まあでも、日本人は民族的に不安を抱える民族なので、幸福な暮らしをしているわりに、幸福度はなかなか高くならないのですけどね。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・若年フリーターの正社員希望率は年々減少傾向にある。(ここ2年で10%ほど減って34.4%になっています)。

・将来希望する雇用形態は、正社員が47.2%に対し、パート・アルバイト・フリーランスなどを合わせると48.9%と正社員を抜いている。

・フリーターを希望する理由として、「自由な時間が多いから(49.2%)」が最も多く、「仕事量や勤務日数・時間を調整できるから(48.6%)」と続き、自由時間の確保がほぼ100%。

・ただ現状、フリーターの労働時間は「週5〜6日」が一番多く、「4〜6時間未満」「6〜8時間未満」が合わせて全体の約7割と、正社員(週5日・一日8時間)に近い時間になっている。

・一方正社員は、「残業が当たり前で長時間拘束される」「みなし残業・サービス残業がある」ことから実際の労働時間に対する賃金が不明瞭。

・20~40代正社員300人のうち42%が「今より出世したくない」と回答。出世して仕事を深めるより、ライフワークバランスを重視する傾向。

・昔と違って人生のモデルケースが無くなったので、自分で人生設計をしなければならない。節約や投資を考える必要がある。(頭を使う時代にはなりました)

・一方、「お金を稼ぐだけの人生で本当にいいのか」といった考えも芽生え、FIREやミニマリストの思想に触れることで、「欲望・執着を捨て、今を生きる」という仏教的悟りに近づく若者も。(現在はその過渡期の時代ですね)

となります。

そんな感じで、今は就職して、家庭を持って、一戸建ての家を買って、みたいな人生のロールモデルはなくなりましたので、個人個人が自分の将来を考えなければいけないというある意味頭をつかわなければならない時代になってきたとは思います。

自分はどういう生き方をしたいのかとかを真剣に考えないといけないのですね。

その過程で、時間を大切にするという人達が多くあらわれてきており、そこからFIREとかミニマリストとかの思想に触れて、「欲望・執着を捨てて今を生きる」みたいな仏教的悟りに近づいていく若者も多くなっていっている感じはあります。

そんな感じで、昔のようなお金を稼いで裕福になるみたいな時代は過ぎてしまって、いまは個人個人がどういう人生を送るのかに焦点を当てる時代になってきているとは思います。ある意味、頭をつかわないといけない時代になっているのですね。