株価下落時に投資信託取り崩しは怖い?リスクと対策
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、現在進行形での、下落時の取り崩し投資についてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
下落時の取り崩し投資
こんなご質問をいただきました。
「取り崩し報告、毎月拝見しています。再生数が少なくてグーグル様に怒られているとのことですが、私にとっては老後取り崩しの貴重なデータになっています。ぜひとも続けてください。
それで今回のトランプ関税ショックによってS&P500、NASDAQ100ともに下落しました。とくにNASDAQ100の下落は著しいことになり、FANG+に関してはひどいやられ方をしています。
4月の取り崩し動画でもかなりの下落を食らっていましたが、今回のトランプ関税ではそれ以上に落ち込んでいます。このような状況でもQ太郎さんは取り崩しを続けるのでしょうか?
バケツ戦略の観点からすれば、下落時には取り崩さず、中期バケツの資金を利用することをQ太郎さんは言っていました。今の状況で取り崩しを続けるのは矛盾なのではないかと思います。
言い方が悪いかもしれませんが、来月の動画が楽しみなので、ぜひとも報告動画をお願いします。」
とのことです。
取り崩しデータの報告動画ですが、対策を考えて来月もやろうと思います。どうもデータ動画だとデータの部分だけ見るので視聴時間が短くなり、グーグル様からすれば「普段のユーザーが見ない上に、視聴するユーザーもちょっとしか視聴していない悪い動画を出している悪いチャンネル」みたいな、いわゆるスパム動画扱いされてしまうようですね。
再生数が少ないのは別にいいのですが、データ整理とかで時間と労力をかけて苦労した上に悪者扱いされてしまうのはいかがなものかとは思います。サブチャンネルでアップするというアイディアもいただいたので対策を考えてみます。
まあ、新NISAがはじまったばかりですし、ほとんどの人が資産形成期なので、その先の取り崩しにまで興味を持って、しかもデータを観たいという人は少数派のようです。需要がニッチなので、なかなか難しいところがありますね。対策を考えてみます。
それで今回の下落ですが、なんとなくズドンしたという認識ではなく、数字で理解しておいたほうがいいとは思います。
S&P500は為替の影響込みの円換算で年初来-20%、NASDAQ100は-24%、FANG+は-26%となっています。どれも-20%以上の下落になっていますね。NASDAQ100とFANG+に至っては資産の4分の1が吹っ飛んだ形になります。
まあ、正直なところ20~25%ぐらいなら正直大したことないかなとは思いますし、なぜ株式の年平均成長率が4%ぐらいなのかと言えばこういうことがあるからです。株式は上がり下がりが激しくて、長期でならしていけば4%ぐらいという話なので、まあこういうこともあるよね的な話です。
ドットコムバブルときなんて、S&P500が-50%、NASDAQに至っては-80%みたいなレベルでしたしね。まあ、-25%レベルならまだまだといったところです。まあ、よくはありませんけど。
そんなわけでQ太郎がこの状況で取り崩しをしているのは、そういうルールだからです。
取り崩し投資を始めるときにルールを決めているので、そのルール通りで自動取り崩しをしています。
バケツ戦略だと、暴落時には長期バケツにあるリスク資産を取り崩さずに、中期バケツから取り崩していきます。これもこれで一つの方法ですし、長期バケツの運用効率を考えれば取り崩さないのが正解でしょう。
取り崩すということは、全体の量は減りますので、取り崩さなかったときに比べて上昇時の上がり方が鈍くなります。
言い方を変えれば、取り崩しとはボラティリティ落としている行為になるのですね。取り崩さないという事は、もともとのボラティリティで運用するということです。
当然上昇時は、ボラティリティの高いもののほうが上昇しますので、資産を膨らませるという意味では取り崩さないほうが合理的です。そのため資産形成期は取り崩さないほうがいいです。これは以前の動画でも何度も話したこととは思います。
ただQ太郎的には資産を大きく膨らませるより、どちらかといえばボラティリティを落として運用したいというのがあります。資産の変動をあまり大きくしたくないのですね。そうなると機械的に取り崩して、ボラティリティを落とした方が良いことになります。
そんなわけで、先ほども言ったように上昇時は取り崩しによってボラティリティが下がるので、なにもしないのに比べれば上昇が弱くなりますが、下落時は逆に取り崩しによってボラティリティが下がりますので、なにもしないのに比べれば下落がちょっと抑えられます。こまめに損切りしているのとおなじですしね。
NASDAQとかFANG+とかボラティリティの大きい銘柄に対しては、その分毎月の取り崩し率も大きくしています。これもボラティリティを抑えるためですね。そのため、下落時も少しマイルドになります。
といっても、毎月せいぜい0.数パーセントとか1%とかそのていどの取り崩しなので、そこまで大きく変わるものでもありませんね。下落時にちょっとは助かっているといったところでしょう。
ただ回復期はそのまま持っていたほうが回復が速いという利点もあります。
上昇時は、さきほどもいったように取り崩しをするとボラティリティが落ちるので、普通に持っていたほうが上がります。右肩上がりを期待するのであれば、そのまま持っていたほうが効率的ともいえます。
そのため、いつが下落かいつが上昇かがわからない以上、機械的に取り崩すか、それとも取り崩さないでそのままにするか、そのときの気分でころころ変えるよりもルール通りに運用したほうがいいでしょう。
まあ、ルールは守りましょうという話です。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・取り崩し動画に関しては来月もやります。対策を考えておきます。
・現在の米国インデックスのズドンは年初から円換算で-20~-25%程度。
・ドットコムバブル時は、S&P500は-50%、NASDAQは-80%。
・取り崩しはボラティリティを落とす行為。そのまま持っていたほうが、上昇時の上がりが強い(資産形成期は取り崩さずにそのまま持っていた方が良いですね)。
・下落時の取り崩しはボラティリティを落とすことで、下落がマイルドになる(こまめな損切にもなっていますしね)。
・ただ取り崩さない方が当然回復速度は速い(回復期も取り崩していたらボラティリティが落ちますしね)。
・いつ上がるか下がるかわからない以上、ルールどおりに運用する。そのときの気分で変えない(ルールを守りましょうということです)。
となります。
そんなわけで、取り崩しは、言い方を変えればボラティリティを落とす行為なので、下落時はマイルドになりますが、上昇時や回復期は上昇力が弱くなりますね。
一長一短ですし、Q太郎は減らすのを防ぐことが目的になりますが、資産形成期の方は増やすことが目的なので、自分の目的に沿った資産運用をして、ルールを守るようにするのがいいでしょう。
積立投資していたのに、こういう局面で「怖いから全部売ろう」とか、そういうのはやめたほうがいいという話ですね。そもそも怖くなっているのは投資額がリスク許容度より大きくなっている可能性があるので、そのあたりの調整をすることが先とは思います。