「働きたくない」でFIREする人が陥る3つの致命的な罠

hatarakanai fire

取り崩し投資運用中のQ太郎です。

今回は「働きたくない」が理由でFIREすることについてです。

最近の日本の職場環境は改善されてきているとはいえ、人間関係、満員電車、ノルマなどから逃れることは難しく、「働きたくない」からFIREを目指すのは、極めて自然な動機だとは思います。

一方で、この「負の動機」、つまり「逃げ」だけでリタイアした人の多くが、FIRE後につまづきを覚えることになるというのはよく聞く話です。今回はそのあたりを詳しくお話ししていきます。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

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いただいたご質問

こんなご質問をいただきました。

「FIREの目的ですが、多くの人がたんに『働きたくないから』を理由にしている人が多くなっていると感じます。

これは職場の問題であって、FIREの問題ではないとは思います。

たんに転職するなどの方法を取ればいいところを、嫌な職場にしがみついてFIRE資金を貯めることは非効率だと思います。考えをお聞かせください」

とのことです。

おっしゃる通りで、転職で解決できるケースも多いとは思います。

ただ、それとは別に「逃げのFIRE」そのものにも罠があるので、今回はそちらを掘り下げていきます。

罠その一:社会的死と自己有用感の喪失

仕事を辞めた瞬間、私たちは「価値を提供する側」から「消費するだけの側」へと回ります。

Q太郎的に、この「消費するだけの存在になる」というのが極めてまずいのですね。

消費するというのは、ある意味、「提供している側に依存する」ということにもなります。

このチャンネルでは「依存の危険性」をよく話題にしていますが、便利なものへ依存し続けると、それがないと生きていけない存在になっていきます。

便利なものが増えれば増える程、体中に延命用のチューブをつながれているような状態になっているようなものですね。

自分の生命線を他者に握られてしまっている状態なので、「自分は独立している存在である」「自分は役に立っている」「自分は自分の力で生きられる」という自己有用感の喪失が起こります。

貯蓄を切り崩して生活するだけの日々は、ふとした瞬間に「自分は社会の役に立っていない、ただの消費機械ではないか?」という猛烈な虚無感を生みます。

また現役時代の肩書きを失い、社会との接点が「店員と客」だけになった時、自己肯定感は音を立てて崩れることがあります。

お金を稼ぐ必要はないのですが、なにかしら世の中に役に立つことをしたり、社会とつながるようなことをしないと虚無感に襲われる可能性が高いでしょう。

罠その二:自由という名の「暇」という拷問

人間は「やりたいことができない」のも辛いですが、「やらなければならないことが何もない」のはそれ以上に苦痛です。

これは何度も例に出している哲学者・ショーペンハウアーの唱える「人間は苦痛と退屈の2大地獄の振り子から逃れられない」というものです。

仕事をしすぎれば苦痛の方に振り子が触れていきます。

これを逃れるために仕事をやめれば、やがて振り子は「退屈」というもう一つの苦痛へと触れていきます。

よく大金持ちが退屈になって、わざわざ危険を冒してライオン狩りをしたりとか、バンジージャンプしたりとか、危険な地域へ旅行に出かけたりとか、あほなことをやり始める例がありますが、これも退屈の方向へ行き過ぎた振り子を、あえて苦痛の方向へと揺らしていく行為とも言えます。

またドーパミンの問題もあります。

Q太郎は散歩や読書で十分ドーパミンが出ますし、わざわざお金を払ってお化け屋敷とかジェットコースターに乗る人とかまじで意味が分からないですが、Q太郎みたいなのは少数派のようで、多くの人は散歩とかだけで24時間365日を埋めるのは至難の業です。

適度なストレスや課題がない生活は、脳を急速に老化させ、幸福度を下げることになります。

つまるところ、多くの人にとってのFIREは「ゴール」ではなく、膨大な余暇という「荒野」への入り口に過ぎないともいえます。

「苦痛」という地獄を抜けたあとに、「退屈」というもう一つの地獄が待っています。

罠その三:インフレと円安による資産の目減り

ここから急に現実的なリスクの話をします。

よくある4%ルール、すなわち「生活費の25倍を貯めろ」という数式は、右肩上がりの物価や為替変動を完全にはカバーできません。

またリスク資産以外の生活防衛資金があったとしても、インフレによって実質的に目減りしていく恐怖が存在します。

以前、バフェット氏の「インフレ対策は稼ぐ力が重要」という話をしましたが、働いていない、つまり入金力がない状態での資産減少は、とくに年金もない現役世代には想像以上に精神を削ります。

「逃げのFIRE」だと、このストレスに耐えられない可能性もあります。

まとめ:真の自由を手にするために

「何から逃げるか(From)」ではなく、「何のために生きるか(To)」を定義することが重要になってきます。

完全に社会を断絶しない「緩い社会との接点」を持つ。お金を稼ぐ必要はありませんが、人の手伝いをしたりなど、ソーシャルキャピタルを稼ぐ方向で動いていくのがいいとは思います。

正直、趣味だけでなんとかしようというのも厳しいものがあります。

またこれからの時代、お金の価値はどんどん下がっていきます。

経済はヒト・モノ・カネの要素から成り立ちますが、これからはヒトが減り、それに伴ってモノも減ってくるので、重要になるのはヒトとモノになっていきます。

サービスを受けたくてもヒトがいないので受けられない、モノを買いたくてもモノが無くて手に入れられないみたいな状態ですね。

本当の自由はやはり依存を減らすことです。

真の「経済的な独立」とはお金への依存を減らすことなので、いかに便利なモノやサービスに頼らなくても生きていけるかを模索していくほうが真の自由を勝ち取ることができるとは思います。

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