引き寄せの法則、実際どうなの? 本当に効果があるのか検証!

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新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、いわゆる「引き寄せの法則」が実際に効果があるのかどうかについてです。

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「引き寄せの法則」は本当?

こんなご質問をいただきました。

ビジネス書によくある、いわゆる「引き寄せの法則」ですが、科学的にあり得るのでしょうか?

どう聞いてもスピリチュアルな話にしか聞こえません。

まず思考するだけで現実が変わるということに因果関係が無さすぎます。行動を起こさないで思考だけしていればいいみたいな話になってくると、もはやこれは宗教以外の何物でもありません。

最近はFIRE本でもこの手のスピリチュアルな「引き寄せの法則」が書かれているものもあります。

Q太郎さんの意見をお聞かせください。

とのことです。

「引き寄せの法則」、ビジネス書というか自己啓発本だとよくありますね。いわゆるポジティブシンキング的なあれです。

すごい簡単に言うと、ポジティブなことを考えていたら良い事が起こり、ネガティブなことを考えていたら悪いことが起こるみたいな話です。

そのため、思考をポジティブにすることによって、良い出来事を自分に引き寄せるというような話ですね。

そもそもこの考え方自体がキリスト教の異端的なスピリチュアル派閥からきていて、自分の考えと宇宙が連動しているみたいな、よくあるスピリチュアル思想ですね。

そのため、質問者様が言うように「スピリチュアルな話にしか聞こえません。」というのは、そもそもがスピリチュアルな話です。

これが世間で流行りだしたのは、「ザ・シークレット」という本ですね。この本には引き寄せの法則のことが書かれていて、これが全世界で2000万部という大ベストセラーになりました。Q太郎も読んだことがありますが、ポジティブシンキングをすると量子力学的にみたいな、いわゆる疑似科学的な内容になっています。「何か科学的なこと言ってるから正しいんだろう」みたいな、「数字と科学を出しておけば人は騙せる」というアレですね。

Q太郎はこういう疑似科学的なのはあまり好きじゃないというか、科学を利用するよりもまだ神様とか仏様を出していた方がいさぎよくていい感じなのですが、なんにせよ「引き寄せの法則」やポジティブシンキング自体に科学的な根拠はありません。

そもそもこういう本を書いている人たちは、量子力学をまともに勉強しているとも思えません。「ちょっとシュレーディンガー方程式書いてみて」と言っても、たぶん書けないぐらい基本がわかっていないとは思います。

ほかにも、一時期流行っていたマーフィーの法則とかナポレオンヒルもこの手のポジティブシンキング的なものでして、科学的根拠自体のない話がほとんどです。

いわゆるプラシーボ効果的なやる気を出すために利用するのはいいですが、たんにポジティブシンキングしていれば上手くいくみたいな考えは逆に危険なのではないかとは思います。

人間は理想と現実のギャップが大きくなればなるほど不幸を感じやすい生き物です。

以前も言いましたが、幸福か不幸かは主観的な問題で、期待値が現実よりも高ければ高いほど不幸に感じますし、期待値が現実よりも低ければ低いほど幸福に感じます。

自分の理想があまりにも高いところにあると、現実を見たときに「これは本当の自分ではない」とか言い出して不満を感じるようになります。現実が理想に追いついていない状態ですね。

逆に「今日お茶碗一杯のお米が食べられればいい」ぐらいの低い期待値だと、お米におかずが一品ついただけで幸せになるわけです。

ディズニー映画とか古典的な物語もこの形式で、主人公が不幸であればあるほど、現実で成功すれば幸せに感じられるのですね。シンデレラとかまさにこれです。韓国ドラマもこのパターンが多いですね。物語の面白さは、このギャップの差なのです。

ほとんどの人は、年を取れば取るほど現実をしっかり見るようになっていって、この理想と現実のすり合わせがうまくなっていきます。欲望も少なくなっていけば、むしろ現実よりも期待値が低くなりますので、現実で何かいいことがあるたびにラッキーと思えるようになります。自分で期待しているよりも現実の方がいいことが起こっているのですから、つねにラッキー状態なのですね。

それでポジティブシンキングのまずいところというのは、理想を高く持ったうえに、「思っていればそのうち実現するだろう」みたいな、行動を伴わない状態で満足してしまうことにあります。

たとえば大学受験に受かりたいのであれば、普通に考えれば受験勉強することが正しい手段になります。当たり前の話ですね。

ところがポジティブシンキング的な考えだと、「大学に受かった自分をイメージする」みたいな話になってきます。イメージする一方でちゃんと勉強しているならモチベーションを保つという意味では全然いいのですが、どうもそういう話では無くて、イメージするだけで何か量子力学的に現実が変化して大学に受かるみたいな話になってくるのですね。

「いやいや、勉強しろよ」としか言いようがないのですが、どうもイメージするだけで満足してしまって、結果的に現実の行動が伴わなくなってしまうわけです。そりゃ行動もせずにポジティブシンキングだけで何とかなってたら誰も困りませんしね。

それで先程も言ったように、行動しなければしないほど理想と現実のギャップはどんどん大きくなっていきますので、うまくいかない状態が続くと「こんなはずじゃない」みたいにどんどん不幸マインドになっていきます。

しかもポジティブな方向に思考が行っているということは、期待値が爆上がりしている状態です。期待値と現実との差がどんどん大きくなるのですね。

そのため、現実がうまく行っていない人に、「もっとポジティブに考えよう」みたいなことを言うのは、期待値と現実の差を広げてよけいに不幸を感じて精神を病んでしまう可能性が高いので、あまりおすすめできません。

「ポジティブシンキングで成功している人もいる」という方もいますが、先ほども言ったようにしっかり行動をしていて、ある程度結果を残せる人なら、モチベーションを保つためのポジティブシンキングは全然ありとは思います。

ただ「ポジティブシンキングをしていれば量子力学的に世の中の仕組みが変わる」みたいなのは完全にオカルトな世界なので、自分で勝手に信じる分はいいのですが、他人にそういう思想をすすめてさらにお金まで取るみたいなことをやるような人もいますので注意が必要です。

あくまでポジティブシンキングはモチベーション維持のための、無数にある方法のうちの一つであって、ポジティブシンキングさえしていれば世の中が自分の都合のいいように変わるというのは、さすがにそれはどうかとは思います。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・そもそも「引き寄せの法則」はスピリチュアルな思想から生まれてきたもので、科学的根拠はない。

・科学と数字を使って人をだますのは似非科学。

・幸福や不幸は主観的なもの。期待値と現実の差が幸福や不幸の大きさになる。

・ポジティブシンキングは期待値を上げてしまう。現実が追いついていなければ不幸マインドになりやすい。

・ポジティブシンキングは、数あるモチベーション維持のための方法の一つ。

・行動をしている人がモチベーションを保つために行うはいいけれど、ポジティブシンキングをしているだけで世の中が自分の良いように変わっていくというのはさすがにオカルト。(むしろ期待値を上げて不幸になりやすい)。

となります。

そんなわけで幸せになりたいならむしろ期待値を下げて生きた方がいいとは思いますが、ポジティブシンキングだと期待値が上がってしまうので、行動が伴う超やる気のある人ならいいのですが、そうでないとむしろ害になる可能性もあります。

Q太郎はどちらかと言えば期待値をめちゃくちゃ低くして生きていますので、基本的に他人に何も期待していません。お店の店員にも何も期待していませんので、他人が親切にしてくれたら、期待していないぶん「本当にありがとうございます」みたいな感じです。

そんなわけでポジティブシンキングは使いどころを考えないと単に期待値を上げて不幸を感じやすくする危険性をはらんでいるでの注意が必要とは思います。