【新NISA】老後はバランスファンド?

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新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、老後はバランスファンドがよいのかどうかについてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

65歳以降はバランスファンド?

このようなご質問をいただきました。

いつも動画で勉強させていだたいております。 質問です。

出口付近、例えば65歳で退職金を貰い、年金と合わせて暮らしていくような場合に そのまま全額現金で持っているよりは、 多少手元に残して、残りは取り崩し投資をした方が良いように思うのですが、 運用先としてニッセイ インデックスバランスファンド(4資産均等型)はどう思われますか?

GPIFに近い運用方法をしていて手堅いと思うのですが、 S&P500やオルカンの方が良いでしょうか?

とのことです。

FIRE後や老後の資産管理については、バケツ戦略を使うのが一番わかりやすいとは思います。

というのも、ご質問にあるような「多少手元に残して」という曖昧な形で管理すると、いつの間にかお金が無くなっていたりすることもあるからです。「年間でいくら必要なのか」をがっちり決めておく必要があります。

それで何度も話していますが、バケツ戦略では短期バケツ・中期バケツ・長期バケツの3つのバケツを用意します。

短期バケツには生活防衛資金生、中期バケツには直近数年で使うまとまったお金、残りはすべて長期バケツで資産運用をします。

バケツの内容はその人のライフスタイルによりますが、たとえばFIREや退職であれば、短期バケツには1年分の生活費、中期バケツには5年分の生活費、残りはすべて長期バケツで資産運用します。短期バケツはすぐに使える現金、中期バケツは現金や債券などの無リスク資産で置いておきます。

それでこのバケツ戦略を実行するために必要なのは、毎年の生活費を明らかにしておくことです。これを絶対に曖昧にしてはいけません。

なんか昔、知り合いに資産のプランニングして欲しいと言われたことがあるのですが、それで「年間の生活費いくらなの?」と聞いたら、「そんなの毎年変わるじゃん」の一点張りで話にならなかったことがあります。

お金が貯められない人の特徴として、この「生活費が毎年変わるものと思っている」があげられます。誤差とかはありますが、家賃やローン、毎月の食費や電気代など、だいたいある程度は決まっているはずです。これが決まっていないということは、無意識に外食したり、必要ない出費をしたりなどで、いつの間にかお金がするすると消えていくような状況に陥ってしまいます。

いわゆる「特に大きな買い物もしてないし、無駄遣いしてないのにお金が残らない」と言っている人たちが、ほとんどこのパターンだとは思います。自分が毎月いくら使っているかをざっくりでも把握していないので、コンビニでちょっとした買い物とか、ちょっとした外食とやらが積み重なって、いつの間にかお金が無くなってしまうパターンです。

「年間いくらあれば生活できるのか」そこをまずはっきりさせておかないといけません。

数千万円の資産を持つ富豪の資産管理をしているニュージーランドの知人がいるのですが、その方は毎年の初めに富豪の方に生活費として1億円を渡しています。富豪の方はこの1億円で1年を過ごさなくてはなりません。富豪の方は数百ドルのXBOXを買うのにも悩むレベルの節約家なのですが、移動とかが多いのでそれなりにお金は使います。それで年末に残った金額は返却して、また翌年の初めに1億円渡されることになります。

ようするにこれと同じことをやればいいわけで、短期バケツに入れるお金も、例えば年間の生活費が300万円だったら、年の初めに短期バケツに300万円を入れて、これで一年間を生活します。追加料金とかを入れてはいけません。一年間は絶対に300万円以内で生活して、翌年もまた300万円以内で生活します。年の初めの予算に従って、計画的に生活する必要があります。

「大きな病気になって、大きな出費があったらどうすんねん」という人がいますが、そのための中期バケツです。アクシデント的な予算はここから出します。また車を買うとか大きな買い物をする場合も、計画的に中期バケツにお金を積み立てておきます。それ以外については、短期バケツで300万円と決めたら300万円以内で生活してください。急になにかが欲しくなって、中期バケツや長期バケツからお金を補填するとかはNGです。そのためにも、自分の年間の生活費を確定させてください。

それで例えば年金で毎年年金が150万円受け取れるのであれば、短期バケツは150万円用意すればいいでしょう。足して300万円となります。

そういうふうに短期バケツ・中期バケツにいくら入れるかを決めて、きちんとコントロールすれば、残りは全部長期バケツで運用すればいいとは思います。実際、数千億円レベルの富豪もおなじような管理方法でやってます。

それで長期バケツでどんなリスク資産を運用するかですが、「自分が安心できる物」でいいでしょう。オルカンが安心できるならオルカンでいいですし、S&P500がいいならS&P500でいいですし、バランスファンドがいいならバランスファンドでもいいかと思います。全部あった方が良いなら全部でもいいです。

長期バケツは長期的に使う予定のないお金ですのですし、FIREだったら短期バケツと中期バケツで少なくとも6年分の生活費は確保されていますので、7年後以降からのお金になります。65歳だったら72歳から使うお金ですね。年齢的に債券やバランスファンドのようなボラティリティの低いもので運用したいか、いっそのこと銀行預金でもいいのか、それとも慣れ親しんでいるオルカンとかS&P500とかの株式主体で運用したいか、それはその人のリスク許容度とかにもよりますので、自分の安心できるものでよいでしょう。80歳になっても個別株やってる人いますしね。

正解かどうかは結果論ですので、自分が後悔しない選択をしてください。そもそも投資に絶対はありません。それよりもこれだったら安心できると自分が思っているものでいいですし、一つに決め込む必要もありません。S&P500とオルカンとバランスファンドで迷うんだったら全部買ってしまった方が後悔はないでしょう。そうでないと「あのとき買っておけばよかった」みたいに後悔しかねませんしね。

重要なのは何を買うかでなく、資産をどうプランニングしていくかです。年間いくら使うのか、それに対して短期バケツ・中期バケツをどう割り振っていくのか、そこの方が重要ですね。残ったお金はいわゆる当分使わない余剰資金なので、自分の納得いく方法で運用すればいいでしょう。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・バケツ戦略を使うためにも、年間の生活費を必ず確定させる。曖昧にしない。

・生活費が決まったら、それを短期バケツに入れて、その予算内で1年間を過ごす(300万円なら300万円以内で生活します)。

・アクシデント的な大きな出費は中期バケツから資金を拠出する。大きな買い物も、中期バケツで積み立てておく。

・残ったお金は長期バケツで運用。何を買うかは「自分が安心できるもの」。リスク許容度は人によって違いますので、年齢的に低ボラティリティがよいのならバランスファンドや債券運用でもいいですし、銀行預金でもいいですし、S&P500やオルカンの方が慣れ親しんでいるのならそれでもいいでしょう。

・重要なのは年間いくら使うのかと、短期バケツ・中期バケツのプランニング。長期バケツは余剰資金なので自分の納得できる方法で運用すればいい。

となります。

そんなわけで重要なのは年間いくら使うかを確定させておくことです。これを決めることで短期バケツ・中期バケツを割り振っていくことができます。残りは正直しばらくはどうでもいいお金なので、低ボラ運用したいのか、そこそこリスク取りたいのか、自分の性格とかリスク許容度に合わせればいいでしょう。

逆に言えば、年間いくら使うかわかっていれば、お金に対する将来不安はかなり減るとは思います。「お金が足りない」という人は、具体的にいくら足りないのかをはっきりさせて、それに合わせて生活レベルを落とすか、さらに稼ぐなり貯蓄するなりすればいいとは思います。それでも足りなかったら生活保護も視野に入れて計画的に動けばよいでしょう。