S&P500暴落時に先進国債券インデックス投資信託を売却して補填?
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、S&P500がズドンしたときに、先進国債券インデックス投資信託を売って補填するかどうかについてです。
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暴落時に債券を売る?
こんなご質問をいただきました。
「Q太郎さんは取り崩し投資でeMASIX slimの先進国債券インデックス投資信託を買われていますが、これは取り崩しのみで、ずっと売らずにいるのでしょうか。
一般的に債券は、株式市場が暴落したときに上がるので、暴落した株式を買い増すために、債券を売って株式を買うというようなことをします。債券はそのために使うものと思っています。
仮にS&P500が暴落した場合に、先進国債券インデックスを売却するでしょうか。この辺り、どういう戦略を取るのか教えてください。参考にさせていただきます」
とのことです。
一般的に株式暴落時に債券が上がるのは、いわゆる景気悪化懸念からの利下げ方向へ向かう期待から債券価格は上昇する傾向があります。
ただ価格上昇といってもあくまで債券なので、そんな急激に大きく上げたりみたいな感じではありません。
さらにいうと、近年は株式が下がると債券も下がるみたいな、連動した動きになってきています。
これはコロナショックのときの全米株式ETFのVTI(青)と、債券ETFのBND(緑)のチャートですが、ちょっと見づらいかもしれませんが、ズドンのときにBNDも一緒に下がっているのがおわかりいただけますでしょうか。
それでVTIが上がったときに、BNDも一緒に上がっているわけで、連動しているように見えるわけです。
そのため、債券が株式のヘッジになっているかと言えば、微妙なところです。
「じゃあ意味ないやん」とお考えかもしれませんが、問題は株式のズドンが長期化した場合です。
株式がズドンすると債券もズドンするという動き自体は変わらないのですが、もしそのあとに、リーマンショックのときのように株式が長期的に低迷する場合には、経済立て直しのために利下げ方向へと動いていきます。
そうなると金利が下がりますので、債券価格が上がっていきます。つまるところ、株式が下がるから債券が上がるというのは、けっこうタイムラグがあるのですね。
実際にリーマンショック時のチャートを見ていただければわかりますが、ズドン開始時期は債券もある程度下がっていきますが、ある時期から上昇をはじめるのですね。
このタイミングで売却して、株式の損失を補填するのであれば、ありといえばありですが、「いつ売却するか」というのがけっこう難しいですね。
そもそも株式の底がいつかもわかりませんし、どのタイミングで債券売ったらええねんって感じになるとは思います。
こういうのは、あくまでいまチャートが見られるからみたいなことが言えるのですが、実際リアルタイムでその場にいた場合、そもそも株の底値がいつかもわかりませんし、「いま売って株を買ったとしても、もっと落ちるかもしれない。それだったら債券ガチホしたほうがよくない?」みたいな感じになるとは思います。
思いますというか、リーマンショックとかかなり高確率でそうなります。下落が長引いたので、もっと落ちるんじゃないかみたいになってきますね。いつ底かなんて誰にもわかりません。
ぶっちゃけこういう「債券売って、そのお金で株式買ってー」というのは、言っていることは、「株をいったん売って、底値あたりで買い戻してー」みたいなのと本質的には変わりません。そんなのわかったら大富豪になれます。どうなるかなんてわかりませんので、定期的に積み立てするとか一定のルールが必要になります。タイミング投資はぶっちゃけ運なので、毎月積み立てるとか一定のルールを作っておいたほうがいいでしょう。
それで債券の場合は、全部一気に売って補填するというのはタイミング投資になりますので、前もって、たとえば株式が-20%になったときに債券の20%売却して補填とかルールをつくっておくといいとは思います。-20%以降は、-10%ごとに債券を10%ずつ売却していけば最大-100%までは補填できます。
まあ、インデックスが-100%になったらもはや市場崩壊しているどころか核戦争で世界が滅んでそうなので、そのときは世紀末のモヒカンの来襲に備えて、債券を売って釘バットと肩パットを購入したほうがいいでしょう。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・株式市場がズドンすると、債券も一緒に下がる傾向がある。
・ただ株式の回復が遅い場合、利下げによって債券価格が上がっていく傾向がある。(リーマンショック時がこの動きですね)
・株式がいつ底なのかはわからないので、「債券を売って株式を買う」というのは現実問題難しい。(株をいったん売って、底値で買い戻すのと言っていることは同レベルです)
・一括売却や一括購入はタイミング投資になるため、株式が-20%暴落したら債券を20%売って補填する、それ以降は-10%下がるたびに10%売って補填するなど、ルールをあらかじめ決めておいたほうがいい。
となります。
そんなわけで「債券を売って株式を買う」というのは、あとでチャートを見ているからできそうな感じになっているわけで、実際に暴落の現場にいた場合はどれぐらい落ちるのかなんてわかりませんので、仮に債券を売って株式を買っても、さらに落ちていく事態になることも考えられます。
そのため、自分の感覚に頼らずに、-20%落ちたら債券を20%売って補填など、ルールをもうけて機械的にやるのがいいでしょう。
株式も債券もジャストキープバイイングな方は、気にせずガチホして、余っている現金で補填すればいいとは思います。積立している人は気にせずそのまま積み立てておけばいいでしょう。
そんなわけで、できるだけタイミング投資は避けて、ルールを作って補填していけばいいとは思います。
取り崩し投資でつかっている先進国債券インデックス投資信託ですが、現在300万円ぶん購入しています。これについてですが、為替の影響が大きすぎて債券部分の動きに意味があるのかみたいな感じになってきてはいますね。
動きもだいたいわかったので、100万円か200万円売って、取り崩し実験のために別の何かを買ったほうがいいかなという感じにもなってきました。動きを知るだけだったら100万円あれば十分かなという感じです。SBI証券のほうの先進国債券インデックスは100万円だけですしね。
そんなわけで、どうするかは今後の流れで決めたいとは思います。面白い投資信託が出てきたらそれに100万円分資金を移すのもいいですね。