節約とケチの違い【選択と集中】
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、節約における「選択と集中」についてと、ケチとの違いについてです
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
節約とケチの違い
こんなご質問をいただきました。
「投稿失礼します。日本もインフレが激しくなってきており、食料品や生活必需品の値上がりにより、節約生活はもはやマストになっています。
ただバブル時代を経験してきた日本にとっては、「お金を使わないこと=ケチ」と考える人も多いように思えます。
私事になりますが、私の父はバブル時代を謳歌した世代で、今でも食料品を買う時には大量に買ったりしますし、口癖が「がばっと買って来い」です。自分が何をどれだけ持っているのかを把握しておらず、同じ物を何度も買ったりしています。冷蔵庫で期限切れになって無駄になってしまった食料品もこれまでどれだけあったか分かったものではありません。今の私の感覚では、この大量消費時代の人達の考えが正直理解できません。
ただ節約はしたいですが、ケチと思われるのも良い事とも思いません。
Q太郎さんはあまりお金を使わないとのことですが、節約とケチの違いはどこにあるのでしょうか?また節約するにあたって注意する点は何なのでしょうか?宜しくお願い致します。」
とのことです。
何度か動画で言っていることなのですが、Q太郎は節約はしていません。使う必要のあるものには使います。そのため、節約という概念でお金の使用を抑えているわけではないのです。
ここで重要なことは資金に対する「選択と集中」です。
自分にとって重要なことに資金を集中させ、そうでないところにはお金を使わないことが、結果的に節約になっているわけです。なんとなくお金を使うのではなく、前もってどこの分野に資金を投入して、どの分野にはお金を使わないなどを決めておくことが必要になってきます。
自分に何が必要で、何が必要ないかをしっかり見極めることですね。
そして量の見極めも重要です。いくら必要なものでも、賞味期限3日の食べ物を一気に100個買ったらどうなるでしょうか。一日1個しか消費しなかったら、残り97個が無駄になってしまいます。これも「選択と集中」ができていない状況ですね。計算上は、買っていい量は3個までが限度です。物だけでなく、個数もきちんと把握しないといけません。
ご質問の内容で、バブル時代の話をあげていましたが、これはまさに「選択と集中」ができていない状況です。自分に何が必要で、何が不必要なのかわかっていない、さらにどれぐらいの量が必要かもわかっていないので、「とりあえず」で物をたくさん買ってストックさせてしまうのです。
お金がたくさんあった時代の日本だったらこういうのもありなのかもしれませんが、残念ながら今はそういう時代ではありません。
そしてお金の問題だけでなく、自分の生き方の問題にもなってきます。自分が何が好きで、何が嫌なのか、これをしっかり把握して言語化しておく必要があります。それで無駄なお金を使わずに、自分の好きなことへ資金を集中させることができるのです。頭の中だけで考えるとうまくいかないので、できれば自分の好き嫌いをノートにでも書き出した方が良いでしょう。頭の中で考えると、ひたすら同じ考えがぐるぐる回るだけで時間の無駄ですし、結論を出すことができませんしね。
「選択と集中」ですが、例えば「読書が好きです」とか「ゲームが好きです」とか「映画が好きです」みたいなのは大雑把すぎて、まったく選択と集中が出来ていない状態と言えます。
例えば読書でも、本にはいろいろなジャンルがあります。歴史小説とか実用書とかそれこそ多種多様です。最近では漫画も読書に含まれてしまうようですが、その漫画にしてもジャンルは多種多様なので、それに対して「選択と集中」をしていかなければなりません。
例えば、自分は小説とか好きじゃないのに、世間でベストセラーの小説が流行っていたらとりあえず買ってみるというのは、「選択と集中」からするとあまりよい行動とは言えません。自分の好きでは無くて、世間の流行りで物を選んでいるからです。
「選択と集中」で重要なのは勇気をもって捨てることです。ここでやるべきは、まず「小説はどうせ最後まで読まないから一切買わない。資金は実用書に集中させる」という覚悟でしょう。次にその実用書の中でもどういう分野に資金を集中させていくのかを考えていけば、無駄なお金を使うことは無くなります。
「本を読むのが好きです」というのは、日常会話でさらっと言う分にはいいですが、自分に対して「本を読むのが好きです」と言うのは、いかに大雑把で覚悟がない言葉なのかがわかるとは思います。
ゲームもそうで、「ゲームが好きです」というのも、自分に対してそのような大雑把にしてしまうといくらお金があっても足りなくなります。
以前も言いましたが、Q太郎はゲームが好きですが、RPGやアドベンチャーゲームは買いません。長々としたストーリーを読むのが嫌なのと、時間がかかりすぎて途中で飽きてしまう可能性が大だからです。しかも買ったものは最後までやろうみたいな意地も働いてしまうため、ストレスが大きくなるということに30代ぐらいでやっと気づいて買うのをやめました。
無料でもらう分は、自分でお金を払っていないので途中でやめても罪悪感はありませんが、自分で払った分は最後までやらないとなんか無駄になったような気がするので、メンタル的にもよくありませんしね。買う前によく考えろという話ですしね。
そうなると、シューティングゲームとか対戦格闘ゲームとかボードゲームとかシミュレーションゲームとかレトロゲームとかの、短時間で完結するか、ストーリーが特に無いので途中でやめても問題のないものに資金を集中させることになります。
以前、「RPG苦手なのに、ウィザードリィみたいなダンジョンRPGはけっこう遊べる」と思い、なぜなのか考えたことがあるのですが、ウィザードリィみたいなのはストーリーほぼ皆無で敵と戦ってレベル上げするだけで、途中でやめてもあんまり気にならないからという結論に至りました。結局、抽象化して考えると「長いストーリーのあるゲーム」が苦手なのかもしれません。このあたりはまだ探索中です。
それで、ここまで絞ったあとで、さらに「選択と集中」で絞り込んでいきます。
例えばシューティングゲームですが、死んでもその場でコンティニューできて、初心者でも最後までプレイさせてもらえるものに限定しています。死ぬたびにステージの最初やチェックポイントに戻されるタイプのものは買いません。
シミュレーションゲームも、リアルタイムで操作が必要で、さらに停止して考えることもできないゲームは忙しいので省きます。いくらでも考える時間のターンベースが中心になります。
それと、似たようなゲームは買わないことにしています。『ヴァンパイアサバイバーズ』というヒットゲームがありますが、これが出たあとに似たゲームがたくさん出ました。そのため、『ヴァンパイアサバイバーズ』は買っても、その類似品は買わないということですね。
ちなみに『ヴァンパイアサバイバーズ』はEpic Gamesストアで無料配布されたので、買わずに手に入れました。Epic Gamesストアは毎週無料でPCゲームを配布しているので、正直ゲームはこれだけで十分な感じなのですね。遊ぶ時間もそこまでありませんしね。
そんなわけで、自分の好き嫌いとしっかり向き合い、「選択と集中」で絞っていくことで、「自分はこんな人間なんだな」ということがわかっていきます。
自分はそんなに好きでもないのに、世間の流行りでドラクエとかFFとかモンハンとか買っていたら、いくらお金があっても足りなくなります。そもそも自分がそれらをそんなに好きじゃないということにすら気づかずに、お金を使い続けることになるでしょう。
そんな感じで、「何となく面白そうなゲーム」「世間で流行っているゲーム」とかいう曖昧な基準ではなく、自分が何が好きなのか嫌いなのかをとことんまで突き詰めて考えることで、節約以上のものを手に入れることができます。自分の好き嫌いがわかれば人生の進み方もシンプルになります。
それとQ太郎はジュースとかコーヒーとかお菓子とか買いませんが、これも「選択と集中」です。正直ジュースとかコーヒーとかそんなに飲みたいものではありませんし、お菓子もそんなに食べたいものではありません。そもそもお菓子は栄養価で考えるとかなりコスパが悪いのですね。そんなお金があったらリンゴとかアボガドとか買った方が栄養価は高いと思います。何度も言いますが、ジュースやお菓子は、人からもらう分はOKです。自分の価値観ではそこにお金を使わないというだけの話です。選択肢として捨てているのですね。
とにかく、何となくでお金を使わず、物を買った後も、「これ本当に必要だったのか」を突き詰めてください。そうすればある程度、自分の好きなジャンル・苦手なジャンルが見えてきます。最初は単品で好き嫌いを考えるより、メタ化してジャンルで好き嫌いを考えたほうがいいですね。
「ドラクエ」が好き嫌いかではなく、「RPG」が好き嫌いかで抽象的にとらえるのです。「RPGでもストーリー少な目のダンジョンRPG」だったらOKとか、そんな感じで抽象化していくのですね。
「世間の流行りでモンハン買ったのはいいけど、思ったより遊んでない。そもそもこのゲーム、そんなに好きじゃないんじゃない?」と思ったら、次回以降はその「3Dの狩りするゲーム」というジャンルが合わないとわかったので、そのジャンル自体を買わなくていいわけです。
そんなふうに抽象化を繰り返して、自分という人間を突き詰めていくことで、人生自体に「選択と集中」が生まれてきます。
ケチとの違いについて
それで節約とケチとの違いですが、ケチというのも「選択と集中」が出来ていない状況ですね。
先ほどまでは必要でないものを買わない話でしたが、ケチは「必要なのに買わない」ということです。これも自分の好き嫌いや「選択と集中」がわかっていないことに起因します。
たとえば人間関係も「選択と集中」です。関係を良くしたい人がいるのであれば、一緒に食事へ行ったりとかその人にお金を使う分はいいですし、とくに仲良くなりたくない人とか惰性で付き合ってるとかだったらそこに資金を投入しないとかですね。
家族や友達と良好な関係を築きたいのに、使うべき場面でお金を使わないのは「選択と集中」が間違っているわけです。
そのため、自分の好き嫌いや目的などはしっかり分析して抽象化し、どこに資金を使ってどこに資金を使わないかの「選択と集中」をしっかり定義しておく必要があります。これは頭で考えるのではなく、必ず書き出して具体化したほうがいいですね。頭の中で考えると堂々巡りするだけで時間の無駄ですしね。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・「選択と集中」がしっかりできていれば、結果的に節約になる。
・自分の好き嫌いをしっかりメタ認識し、突き詰めていく。(本が好き、ゲームが好きみたいな、ざっくりとした状態ではなく、ゲームだったら具体的にどんなジャンルが好きかまで突き詰めます)。
・好き以外のジャンルに関しては「捨てる」覚悟を持つ。
・好き嫌いはジャンル化・抽象化して考える(「ドラクエ」が苦手ではなく、「ストーリーの長いRPGが苦手」と抽象化するのですね。物自体ではなく、ジャンルで考えます。そうすることでそのジャンルをすべて「捨てる」ことができます)
・世間の流行りと自分の好みは違う。何となくで物を買わない。
・物を買ったあとも、「本当に必要だったのか」を突き詰める。
・ケチは「必要なのに買わない」という「選択と集中」が出来ていない状況。(大切にしたい人間関係があるのに、そこで資金を使わないのは「選択と集中」が出来ていないというか、ちゃんと自分の好き嫌いに向き合っていないということですね)。
・最終的には自分という人間を突き詰めて明らかにし、人生を生きやすいようにする。
となります。
そんなわけで「節約」という考えではなく、自分の好き嫌いを抽象化して「選択と集中」をするお金の使い方を考えたほうがいいでしょう。それが結果的には節約にもなりますし、最終的には豊かな人生をつくっていくことにもなります。
ケチは自分の好きがわかっていない状態なので、死ぬ前に「あれにお金使っておけばよかった」みたいな後悔になりかねません。
自分の好き嫌いを見極め、「選択と集中」で捨てる勇気を持つことが、生きやすい人生をつくることにもなります。