米国高配当ETF「YYY」(分配利回り8.9%)は危険?仕組みとリスクをわかりやすく解説
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
QYLD全力太郎と名乗っていますが、ほかの高配当ETFにも投資しています。
今回は分配利回り8.9%の米国高配当ETF「YYY」について。
QYLDに比べると分配利回りが低いですが(そもそも比べる対象がアレなのですが)、いわゆる「大丈夫か、これ?」というレベルの利回りです。
まあ、普通に疑ってかかったほうがいいでしょう。
最初に結論をいっておきますが、ボラティリティが高いことからQYLDよりもリスキーになっています。QYLDについては以前の記事を参照してください。
YYYについては10万円ほど購入したので、そのことについても述べていきます。
米国高配当ETF「YYY」とは?
YYYもQYLDとおなじくインデックス投資です。
QYLDはNASDAQ100が投資対象でしたが、YYYはいわゆる高利回りの債券を中心に組んでいるファンドです。配当の多い優先株も組み入れられており、これ一本でさまざまな高配当ファンドに投資できることになります。
直接債券を買って組んでいるわけではなく、ファンドを複数購入して組み合わせているということから、年間の経費率が2.45%とありえないレベルで高いです。
ファンドを買っているのでそれらの経費率1.95%が、YYY自体の0.5%に上乗せされているため、高くなってしまうのですね。
「ファンドをまとめたファンド」と認識しておいてください。組み入れファンドは以下のようになります(Bloomberg参照)。
これらの経費をYYYが払い、さらにYYYの経費を上乗せしたものをYYY購入者が払うという形になっています。そのため経費が高くなっています。毎年2.45%はかならず減ると思っておいてください。そして複利は逆にも働くということも合わせて覚えておいてください。
つぎにYYYの価格と分配金の変動を見ていきましょう。
YYYの価格と分配金の推移
価格の推移
上のグラフは、YYYの価格推移です。分配金再投資はしていません。
ぱっと見てわかると思いますが、QYLDとおなじく右肩下がりです。
将来的にはETFの解散も視野に入れておいたほうがいいかもしれません。投資の世界において「ありえない」は考えないでください。
上のグラフは、YYYで分配金再投資したばあいです。
いちおう右肩上がりにはなっていますが、実際は分配金が吐き出されるたびに税金がとられますので、このとおりにはいきません。
また8年の投資期間で、分配金を含めたトータルリターンが1.7倍ぐらいです。税金分を考慮すると1.3~1.4倍ぐらいかと思います。
8年もかかってそれぐらいしか増えないと考えると、トータルリターンを重視するのであれば、普通にVOOやVTI、QQQなどに投資したほうがいいかと思います。
分配金の推移
分配金ですが、毎月0.13ドルと、2017年以降からずっとこの数字が続いています。
2017年以前は毎月0.16ドルでした。すでに分配金が切り下がっている状態ですね。
2019年12月30日には半額の0.062855ドルになったこともありますが、次の月でまた0.13ドルに回復しました。
コロナ禍においてもこの価格がキープされたのは、がんばったといえるでしょう。
基本的にこの分配金0.13を維持するのがYYYの宿命となってくるでしょう。
そうなると、YYYを売るタイミングは、この前提が崩れたときですね。
高配当ETFなのに高配当を出さなくなれば、もはや用済みとなります。
分配金の推移は注意深く見守っておくことが重要になるでしょう。
0.13未満が続くようになれば、筆者は躊躇なく売ろうと思います。時間の問題でだめになります。
すでに0.16から0.13になっているので、長期的には厳しいでしょう。
「いくらになったら買う」「いくらになったら売る」ではなく、どういうシナリオを想定してその株やETFを買ったのかは意識しておいたほうがいいかと思います。
まとめと筆者の見解
毎月0.13ドルの分配を続ける状態になっているYYY。
分配金の変動がほぼ無いこと、過去の0.16ドルからすでに切り下げられていることから、将来の増配は期待できないかと思います。
むしろ、価格自体は右肩下がりですので、将来の分配金が減る可能性のほうが高いかもしれませんね。
分配金も切り下げ、価格も右肩下がりとなれば、どこかのタイミングで手放すことも考えたほうがいいでしょう。
筆者は観測用に10万円分買っています。
筆者の手放すタイミングは、月の分配金0.13ドル未満が続く状態ですね。
長期的な投資対象としては厳しいかもしれませんが、キャッシュを重視した運用をしたいばあいに、短期~中期的に組み込んでもいいかと思います。
いつ逃げるかだけは意識しておきましょう。
次回は購入したYYYの運用結果を見ていきます。