来年から変わる金融課税ー配当株が不利になる時代が来る

rainen kinyuu

取り崩し投資運用中のQ太郎です。

今回は税金の話です。「税金の話か、つまらなそう」と思った方、ちょっと待ってください。来年2027年から、金融所得に対する課税のルールが大きく変わります。

しかも内容がなかなかえぐい。富裕層向けの話ではあるんですが、配当株投資をやっている人には他人事じゃない部分もあります。今日はそのあたりをわかりやすく解説していきます。

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来年から変わる金融課税ー配当株が不利になる時代が来る
来年からのミニマム税が改正されることにより、最近金融資産の駆け込み売却が増えている件についてと、将来的には富裕層以外にもダメージが来そうな件についてです。声を出せない環境なのでゆっくり実況(自分の声)的手法でお送りします。取り崩し投資で毎月...
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来年から変わる金融課税…配当株が不利になる時代が来る

富裕層が今こぞって株を売っている理由

最近、株価が下がっているのに富裕層がこぞって株を売っているという話が出ています。「下がってるのになんで売るの?損するじゃん」と思いますよね。

実はこれ、来年2027年から始まる増税を前にした「駆け込み売却」なんです。今年2026年の12月末までに売れば現行の税率が適用されますが、2027年以降は新しい高い税率になる。だから多少株価が下がっていても、今のうちに売って利益を確定させておこうというわけです。

オーナー経営者がM&Aや事業承継を急いでいるという話もあります。税務の世界では、M&A仲介会社や税理士事務所に「2026年中に話をまとめたい」という相談が急増しているといいます。税金の期限というのは、人を動かす力がありますね。

そもそもミニマム税とは何か

まずミニマム税とは何かを説明します。日本の所得税は、給与などは最高税率が約55%というかなりの高税率です。金持ちほど税率が高い、いわゆる累進課税ですね。

ところが株の売却益や配当には「分離課税」といって、一律約20%の税率しかかかりません。1万円儲かった人も、100億円儲かった人も、同じ20%です。これは平等といえば平等ですが、高所得者になればなるほど、株の利益が占める割合が大きくなって、全体の税負担率が逆に下がるという現象が起きます。

これが「1億円の壁」と呼ばれる問題です。年収が1億円を超えると実効税率が下がり始めるんですね。さすがにこれはおかしいだろうということで導入されたのがミニマム税です。

新ルールのえぐさ・控除額が半減する

現行のミニマム税は、基準所得から3.3億円を控除した残りに22.5%をかけて計算します。つまり3.3億円以下の人は対象外でした。

ところが2027年からは、この控除額が1.65億円に半減します。さらに税率も30%に引き上げられます。ダブルパンチです。

これがどれほどえぐいか、具体的な数字で見てみましょう。たとえば株の譲渡益が2億円だったとします。

現行ルールでは、2億円から3.3億円を引くとマイナスになるので、ミニマム税はかかりません。ところが新ルールでは、2億円から1.65億円を引いた3500万円に30%をかけると1050万円。これがミニマム税として追加でかかってくる計算になります。

控除額が半分になったことで、超富裕層だけの話だったのが、2億円規模でも対象になってしまうというのが今回の改正の本当にえぐいところです。

控除がどんどん減る可能性・他人事ではない理由

「3.3億円が1.65億円になっても自分には関係ない」と思った方、少し待ってください。実は日本にはこれと似た前例があります。相続税の基礎控除です。

2015年(平成27年)の改正で、相続税の基礎控除は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」へと一気に4割削減されました。

その結果、課税対象者は改正前の約56,000人から改正後は約102,000人と、2倍近くに膨れ上がりました。当時も「富裕層の話でしょ?」と思っていた人が、気づいたら相続税の申告が必要になっていたというケースが続出しました。都市部に自宅を持っているだけで対象になった方も少なくありません。

今回のミニマム税も、現時点では「3.3億円→1.65億円」です。でも将来さらに1億円、5,000万円と下がっていかないとは誰も言えません。政府が財源を必要としている限り、控除の引き下げというのは手っ取り早い方法です。

長期投資で資産が着実に育っていけば、いつかは自分ごとになる可能性がある話です。「今は関係ない」で終わらせず、こういう流れがあることを頭の片隅に置いておくだけでも、将来の備えが変わってくるかもしれません。

配当・分配金は課税を避けられない

ここからが、配当株投資をやっている方に関係してくる話です。配当金や分配金というのは、受け取った時点で自動的に課税されます。これは選択の余地がありません。

売却益であれば「今年は売らない」という選択ができますが、配当は会社が払うと決めたら払われてしまう。課税のタイミングを自分でコントロールできないんです。

さらに今後、証券会社の特定口座のデータが税務署に直接送られるようになっていく流れがあります。そうなると、配当収入が国民健康保険料の計算にも自動的に反映されるようになります。配当をもらえばもらうほど、国保料も上がっていくという状況が来るかもしれません。

 国保への影響・43万円ラインとは

国民健康保険料への影響について補足します。配当収入が課税所得と合わせて基礎控除の43万円以下であれば、国保料への影響はありません。投資をはじめたばかりの方や、資産がまだ少ない方には関係のない話です。

問題は資産が育ってきたとき。たとえば配当利回り3%の株を2000万円持っていれば、配当だけで年間60万円になります。これはもう43万円を超えています。

長期投資で資産を増やしていけばいくほど、配当・分配金が国保料を押し上げていくという構図になります。「頑張って資産を増やしたら国保料が上がりました」というのは、なかなか複雑な気持ちになりますよね。

取り崩し投資という選択肢

では配当・分配金の出ない投資信託を持って、必要なときに少しずつ売却する取り崩し投資はどうでしょうか。

分配金なしのインデックスファンドは、売るまで課税されません。いくら含み益が膨らんでも、売らない限りは税金がかかりません。売るタイミングと金額を自分で決められるので、課税をある程度コントロールできます。国保への影響も最小限に抑えやすい。

Q太郎は現在、毎月0.3%ずつ取り崩しています。これはいわゆる4%ルールの変形で、年率3.6%の取り崩しペースです。もちろんこれがすべての人に合う方法というわけではありませんし、インデックス投資も必ず成功するものではありません。あくまでQ太郎が選んでいる方法のひとつとして、参考にしていただければと思います。

まとめ

2027年から、高所得者向けのミニマム税が強化されます。控除額が半減し税率も上がるため、2億円規模の譲渡益でも影響が出てきます。そして配当・分配金というのは受け取った時点で課税されるため、資産が大きくなるほど国保料も含めた税負担が重くなっていく可能性があります。

現時点では、分配金なしのインデックスを保有して必要なときに取り崩す方法が、税負担をコントロールしやすいという面があります。

ただ繰り返しになりますが、これが唯一の正解というわけではありません。配当株が好きな方はそれでいいと思いますし、人それぞれの事情や価値観があります。今回の制度変更を知った上で、自分に合った投資方法を改めて考えるきっかけにしていただければ幸いです。

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