来年はトランプ政権でS&P500暴落?

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SP500 bouraku rainen

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、来年から始まるトランプ政権によってS&P500が暴落するという話題です。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

トランプ政権とS&P500

こんなご質問をいただきました。

森永卓郎氏の来年日経平均が3000円になるという極端な話はともかく、来年はトランプ政権で米国経済が悪化し、S&P500が暴落するとの予想が出ています。

トランプ政権では、輸入品に対して関税を高くするとのことで、国内の物価高をさらに招くことになります。経済活動は落ち込み、私としては米経済が悪くなると思っています。

実際、円高ドル安になってきましたが、このことについてのご意見をお聞かせください。

とのことです。

他の動画でも何度も言っていますが、株式というのは売りからも買いからも入れますので、もし暴落に自信があるならこれ以上ないチャンスなので全力で空売りしていただければとは思います。べつに株式は、上がらなければ稼げないわけではありません。暴落もまたチャンスなのです。本当に暴落があればの話ですが。

それでQ太郎としては、株式の予測は世界情勢次第なため、当たるかはずれるかはほぼ運と思っています。なんかイベントが入るたびにいろいろな方向に動きますしね。

例えば日本の経済が衰退するという話ですが、人口は減っていますし、海外に売れるものもあまりありませんし、重すぎる税金と社会保険料で国民の可処分所得もほとんどありませんので、このままずるずるといくと長期的には衰退するよねというか、すでに衰退しているよねぐらいのことは言えますけど、来年どうなるかみたいな短期的な予測は無理とは思っています。なにかイベントがあるたびに株がガーンって上がったり、ズドーンって下がったりで、そんなもんわかるわけないやんみたいな話です。

たとえば8月に石破ショックがあって、日経平均が過去最高の下げ幅になりましたが、石破氏が何を言うかなんてわかるわけがないのです。事前にそんなものが予測できるわけがありません。

しかも株式は上がるか下がるかしかないので、どっちかに賭ければ当たるか外れるかするでしょう。それこそべつに経済学者でなくても、チンパンジーがダーツ投げても当たる場合があります。

そんなわけで、暴落言うのであれば、空売りすれば儲かるのですからぜひやっていただきたいわけです。株式はべつに売りから入ってもいいのです。

トランプ政権と経済

そのことを踏まえたうえでのトランプ政権の話ですが、関税を引き上げた場合、普通に考えれば輸入品の価格が上がりますので、当然インフレが進む方向にいきます。

日本の場合は円安で物価が上がっていますが、業者がけっこう頑張って価格を抑えてくれています。

一方のアメリカとか海外の場合、値上げするとお客様に悪いとかいう発想はまったくないので、簡単にポンポン値上げしていきます。「なんで俺たち業者が値上げ分かぶらなあかんねん。買いたいやつがかぶれや」という発想ですね。

労働者もストとかお客様の迷惑おかまいなしにやりますというか、むしろあえて迷惑になるタイミングでやるので、労働者の給料もガンガン上がっていくわけです。いわゆる賃金インフレですね。日本のように政府が賃上げを言わなくても、労働者側のストライキなどによって上がってしまうのですね。

そんなわけで、アメリカの場合は物価インフレにともなって賃金インフレもおこりますので、これがなかなかインフレが終息しない原因になっています。

とくに賃金インフレですが、一度上げた賃金を下げるというのは相当難しいのですね。会社から急に「来月から賃金下げるね」といわれても納得できるわけがありません。そんなわけでFRBが引き締めをしないと、物価も賃金もガンガン上がっていくみたいな状況になってしまいます。

それで賃金インフレですが、これが企業の業績を悪化させる原因にもなります。賃金インフレが続くと、株価にも影響をあたえてしまい、S&P500が下落するといわれるのもこれが原因です。

それで話を戻していってトランプ政権ですが、関税を上げることによってインフレが進む可能性はあります。インフレが進んだ場合、利下げを予定していたFRBも動きが取りづらくなり、インフレがさらに進めば金利据え置きどころか、また利上げする可能性も出てきます。金利が上がれば株価は下がりますので、これもS&P500の下落の要因にもなるでしょう。

「じゃあ、やっぱり来年S&P500下がるじゃん」と思うかもしれませんが、あくまで現時点で考えられることなので、実際になにが起こるかはまた別な話なわけです。

トランプ氏は言うことがころころ変わるので、急に関税を上げるのをやめたりとか、なにをしてくるか正直読めないのですね。そのため、その場その場で対応するしかないわけです。

あとインフレですが、これも短期的には経済悪化よりも、むしろ経済活動の促進にもなる場合があります。インフレというのはようするに物価が上がることなので、「いまのうちに買っておかないとどんどん高くなる」ということで、短期的には逆に購買活動が促進されたりするのですね。

そのため、「来年」という限定期間になると、むしろ株価が上がる要因にもなってしまったりします。そのため、来年にかぎれば、上にいく可能性もありますし、下にいく可能性もあります。とにかくトランプ氏がなにか行動するたびに上下が激しくなりそうなので、ボラティリティの高い一年になりそうな気配はあります。

そのため、どちらかに決め打ちせずに、インデックス投資だったら気にせずにこれまでどおりに淡々と積み立てていけばいいでしょう。

そもそもインデックス投資をするのであれば、短期の動きをいちいち気にしないほうがいいとは思います。個別株なら話は別ですし、ちゃんと見張っておく必要がありますが、インデックスはそういう投資の仕方ではないので、とにかく淡々とルールどおりにやっていけばいいとは思いますね。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・来年暴落すると思うのであれば、空売りすればいい。株式は上がっても下がってももうけられる。

・株価は世界情勢によって上下するので、来年何が起こるかわからない以上、読めるわけがない。

・トランプ政権で関税引き上げになれば、アメリカのインフレが進む可能性はある。(日本と違って物価インフレだけでなく、賃金インフレも起こる)。

・物価インフレと賃金インフレが起こることで、企業の業績が悪化して株価が落ちる可能性はある。

・ただインフレによって、むしろ「早めに買っておいたほうがよい」との判断から、短期的には経済活動が活発化する可能性はある。そのため、株価が高騰する可能性もある。

・つまるところ、上がる可能性もあるし、下がる可能性もある。少なくともボラティリティの高い一年になりそう。

・個別株は見張っておく必要があるが、インデックスはルールどおりに淡々と積み立てていけばよいかと。

となります。

そんなわけで、上がる方の予想もつくれますし、下がる方の予想もつくれますので、つまるところ何が起こるかそのときになってみないとわからないというかわかるわけがないということです。

とにかく暴落を主張するなら空売りすればいいだけですし、逆にインフレが進んだ場合に現金しかもっていないみたいな事態になると現金の価値はガンガン下がっていきますので、リスク資産まったくなしというのも大きなリスクになります。

どう転んでもいいように、リスク資産と無リスク資産のバランスを考えてうまく分散しておくのがいいとは思います。娯楽で予想をするぐらいならいいですが、株価が読めるという妄想に取りつかれないほうがいいとは思いますね。