FIRE後、夢や目標を持たない=幸福な人生
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は「夢や目標を持たない」ことが幸福な人生につながるという話です。
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夢や目標を持たない
こんなご質問をいただきました。
「セミFIREして2年目になる者です。
週4日ほどの気軽な仕事をして暮らしているので、生活費はほとんど取り崩すことはありませんが、もしものときのためにバケツ戦略として数年分の生活費は確保しています。
おかげで資産は円安の後押しもあって増え続けました。生活費は働いたお金をつかえばいいだけなので、このまま資産に手をつけずに乗り越えられそうです。
世間でよく言われている「FIREに1億円が必要」という話は、自分の体感からするとまったくなくて、自分の経験からすれば、セミFIREなら少ない資金でも達成できます。今の仕事に不満がある人は、我慢せずにさっさとセミFIREしてしまった方がいいでしょう。
私も最初は不安でしたが、やってみると結構問題ない感じでした。今は人手不足なので、仕事もいくらでも見つかります。むしろ経営者が、従業員を辞めさせないように、結構気をつかってくれています。
現状の資産からすれば正直働く必要はあまりないのですが、いまの仕事は人間関係もよくて楽しく、さらに時間があるときにはタイミーなど1回限りの短時間労働をするのが楽しいです。FIREしたあとに、労働がこんなに楽しいとは思いもしませんでした(笑)。
ただFIRE後は、会社でまじめに働いていたときとは違って、何かを達成しようという意欲はほぼ無くなってしまいました。目標とか夢とかやりたいこととかも特にありません。
かといって不満があるわけでもなく、だらだら楽しく暮らしています。これはこれでいいのですが、あと何十年もずっとこの調子でやっていくと考えると、何か物足りなさもあります。今の仕事以外に、何か大きな目標を持った方がいいのではないかという焦りもあります。でもこのままでいいような気もします。
Q太郎さんには夢や目標などはありますでしょうか。FIRE後にそれらは必要とお考えでしょうか。ご意見お聞かせ願えれば幸いです」
とのことです。
自由に働ける時代
まあ、最近は人手不足ですので、求人はいくらでもある感じですね。
タイミーとか求人マッチングアプリを利用して、隙間時間だけ1回切りのバイトするという働き方も、これからは増えていくとは思います。
とくに退職後やFIRE後は、短期の仕事をするのは楽しいとは思います。「大人向けキッザニア」みたいな言われ方もされていますしね。給料よりも体験を得るためなので、給料で仕事を選ばなくてもいいですしね。面白そうなものだけやってみるみたいな使い方でもいいとは思います。
求人マッチングアプリだと履歴書や面接すら不要で、行ったらQRコード確認したあとに即働いて、時間が終わったら帰るみたいな流れだそうです。仕事したい時間だけ仕事するので、ウーバーの労働版みたいですね。
現役時代にやたらと出世して、立派な肩書のある人がパートをしたい場合、履歴書を書くのが嫌だという人がけっこういるそうですが、タイミーみたいな履歴書不要・面接不要のマッチングアプリは便利とは思います。
そんなわけでFIRE後もキッザニア感覚で労働体験をするのはいいこととは思います。
台湾だと引越しのマッチングアプリみたいなのもあって、引越ししたい人と、軽トラなどちょっと大きめの車を持っている人がマッチングして引越しするみたいなのもあります。IT技術で、労働するまでの障壁が減っているので、隙間時間でも気軽に働ける世の中になったとは思います。
そのため、昔ほどFIREを真剣に考えなくてもいいかなという世の中にはなってきています。「金が足りなかったら働けばいいじゃん」みたいなノリですね。働くことで、資産からの取り崩し金額も減らせます。
ただタイミーは1企業で月間78,000円以上、年間28万円以上働いてはいけないみたいな制限があるので、ガチで生活費を稼ぐのはあまりおすすめはしません。
なぜ28万円かというと、法律上、30万円を超えると給与支払報告書の提出が必要になってきます。あと月額8万8000円以上になると社会保険料が発生してしまいますので、そういう面倒を省くためですね。あくまで副業で、メインにはなりにくいですね。
質問者様は労働からの収入で生活費をまかなっているので、資産をまったく減らさないで過ごせているようです。何に投資しているのかわかりませんが、その資産も順調に増えているようですね。
日本全体の実質賃金は下がり続けていますが、欲や刺激を減らして個人個人が幸せに暮らせればいいとは思います。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の世界ですね。
風にもまけず、
雪にも夏の暑さにもまけぬ
丈夫なからだを持ち、
欲はなく、
決して怒らず
いつも静かに笑っている
みたいな心境にみんながなれば、世の中殺伐としなくていいのではないかとは思います。
夢や目標
それで質問者様は毎日楽しく暮らしているようですが、どこか物足りない。何か夢や目標を持った方がいいのではないかとのことです。
ちなみにQ太郎に夢や目標があるかということですが、まったくないです。
「夢や目標があったほうがいい」という人が多いとは思うので、なんかもうしわけないのですが、本当に何もないですね。びっくりするぐらいないです。そのため、人様に「夢や目標を持て」とか偉そうなことも言えません。本当にすみません。
でも「夢や目標がない」ほうが幸せに暮らせるんじゃないかとは思っています。
というのも、「夢や目標を持っている」ということは、現時点ではそれをかなえていないということにもなります。
たとえば「お金持ちになりたい」という夢があるのなら、現時点では「お金がない」ということです。「有名になりたい」という夢があるなら、現時点では「有名ではない」ということにもなります。つまり現状に満足できていない状況とも言えます。
そのあとで、仮に夢をかなえてお金持ちになったとしたら、「お金持ちになりたい」という夢と目標は消えてしまうわけです。つまり満たされたことによって、夢と目標が失われてしまうのですね。
夢や目標がある=現在の状態に不満。
夢や目標がない=現在の状態に満足。
ということにもなります。
質問者様はセミFIREを達成して、楽しく働きながら毎日を暮らしています。
つまり「セミFIREをしたい」という夢や目標は達成してしまったのですから、夢や目標はなくなっているわけです。もうすでに十分幸せな状況とも言えます。
人は目標を達成すると、その瞬間はうれしいのですが、時間が経つと日常化してしまい、そのときのうれしさもやがては忘れてしまいます。
苦労して新築の家を買えば、最初はうれしいですが、だんだんとその状態が当たり前になり、やがて掃除もろくにしなくなりみたいな感じで、最初のうれしさはいつのまにか消えてしまいます。
するとどうなるかと言えば、人は刺激が欲しいので、新たな夢や目標を設定したくなります。それをかなえれば、また夢と目的はなくなりますので、また新しい夢と目的を設定しなくてはならなくなります。きりがない状態ですね。
かっこいい言い方をすれば「人生は挑戦の連続だ」とか「現状に満足しないことこそが人生だ」という風になるのですが、悪い言い方をすれば「人間の欲望にはきりがない」ということにもなります。
欲望は本当にきりがなくて、欲しいものが手に入っても、「もっといいものはないか」とさらに探し続けてしまうのですね。満足することがないわけです。
これをいいと見るか悪いと見るかはその人の生き方にかかってきますが、夢をかなえるまではずっと不満を背負い続けなければならないので、それはそれで大変な人生とは思います。
この不満によって人類が発展してきたという側面もありますし、人間が活動するための原動力ともいえるので、ある程度は目標はあった方がいいのですが、その目標は現実的でないと不幸になります。
現実的でなかったらずっとかなわないということですから、一生不幸のまま生き続けることにもなるのです。「超能力で空を飛びたい」と本気で思っていたばあい、いくら努力してもそれはかないませんので、一生不満のままといえます。
実現可能な目標をつくる
ただ人はやはり、夢や目標をかなえたい生き物ですし、それに達成することで満足感を覚える生き物です。
そのため、ここは壮大なものではなく、達成可能な範囲での夢や目標を設定しておくといいでしょう。
たとえば何か習い事をするとか、ちょっと旅行に行くとか、実現可能なものですね。夢という言い方がそもそも壮大さを感じさせて悪いのかもしれませんね。
「ピアノを習ってみる」だったら、ピアノを習った瞬間に達成です。そのあとで「ドの鍵盤を押してみる」とか、「レの鍵盤を押してみる」とか、ステップごとに目標をつくれば、すぐに達成して満足感も味わえます。
不幸になりやすい人は、具体性のない夢や目標を持つことですね。たとえば「お金持ちになりたい」とか「とにかく大金が稼ぎたい」とか「将来不自由しないぐらいのお金が欲しい」とは具体性がありません。
「将来不自由しないぐらいのお金っていくらなの」って話ですし、具体性がない以上かなうわけもありません。そもそもゴールが存在しませんしね。ゴールどこなのという話です。
たとえば「500万円貯めたい」なら具体性があるので、それを目指して貯金すればいいだけの話です。でも「お金持ちになりたい」だとゴールがないので永遠に満たされないわけです。
貯金ほとんどない人が「2億円貯めたい」というのもあまり現実的ではないので、不幸である期間がひたすら長くなるだけでしょう。
まずは100万円、次は200万円みたいに段階的にステップアップしていけば、達成するたびに幸福感がありますので、こちらのほうが現実的ですし、最終目標にも到達しやすい可能性があります。
そんなわけで、壮大な夢を描く必要はなく、達成可能な範囲で夢や目標を設定すればいいでしょう。「いつもとちょっと違う道を歩く」とかその程度でいいのです。その程度の目標でも、達成すれば人は幸せを感じられるのです。
ちなみにQ太郎の目標設定ですが、「息を吐くこと」「息を吸うこと」にまで落としています。
瞑想するときに呼吸に意識を集中するみたいなのがありますが、Q太郎的にこれがどうもうまくできません。なんかすぐに別のことを考えてしまうのですね。
そこで「息を4秒吸う」という夢と目標をつくり、4秒吸えたら目標達成。そのあと「息を8秒吐く」という目標をつくり、8秒吐けたら達成。息を吸ったり吐いたりするたびに目標達成なので、幸福感がガンガン上がっていきますし、よけいなことを考えなくてすみます。人生の目的が息を吐くことと吸うことだけになっていますしね。
瞑想がうまくいかない人や、夜眠れないという人は試してみてください。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・夢や目標があることは、現状は不満ということ。
・夢や目標をかなえると、夢や目標はなくなる。
・夢や目標がないということは、現状は満足ということ。
・人間の欲望はきりがない。そして退屈に耐えられない。目標を達成すれば、新たな夢に進もうとする。
・不満は人間を動かす大きな力。
・実現不可能・具体性のない夢や目標は、不満をずっと抱え続ける人生になる(叶わない、そもそもゴールがないから)。
・現実的・実現可能な夢と目標を積み重ねることで、幸福感を味わいながら日々を過ごせる。
となります。
そんなわけで実現可能な目標を持つのがいいでしょう。できるだけ短期間でかなえられるものがいいですね。かなえたらまた短期間でかなえられる程度の目標をつくっていく。繰り返すといつの間にかすごいことができてたりします。
Q太郎的には息を吸ったり吐いたりするごとに目標達成しているので、不満なく過ごしています。
これ、極めると現在におそろしくフォーカスできますので、本当に将来の不安とか過去の悩みとかすぐに消せますね。過去と未来が消えるというか、考える余地がなくなります。簡単なので試してみてください。
そんなわけで、不満が長期にわたって生じないような、現実的な目標を積み重ねて達成していくほうが楽しく生きられていいんじゃないかとは思います。