【新NISA】2025年はS&P500より日経平均?バフェット氏はなんで債券買うの?

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SP500 nikkei 2025

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今年はS&P500より日経平均の方が成長余地があるかどうかという話です。

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今年はS&P500より日経平均?

こんなご質問をいただきました。

ネットニュースなどで今年はS&P500よりも日経平均の方がパフォーマンスが良くなるとの分析がありました。

S&P500はすでに上がりすぎており、PERも22倍以上になっており、成長の余地がほとんど残されていません。それに対して日経平均はまだ上昇段階であり、また物言う投資家も増えて企業も自社株買いなど投資家への還元を積極的に行うようになっています。

アメリカはトランプ大統領が関税を上げたりなど、経済に悪影響のある政策が行われることで、株価への影響も大きくなりそうです。また減税もするようで、そうなったらインフレがまた加速することで金利も上がってしまい、やはり株価下落の要因になってしまいます。

今年は日経平均を買った方が良さそうでしょうか?

またバフェット氏は株式から資金を引き揚げて債券を買っているようですが、このあたりについても見解をお聞かせください

とのことです。

今年のS&P500と日経平均どっちがいいという話についてですが、そもそも投資スパンをどう考えているかが問題になります。

たとえば短期投資をやっているのであれば、今年S&P500と日経平均どっちがパフォーマンスがいいかは重要になってきますが、長期投資をやっているのであればすでに決めたものを淡々と積み立てていくだけとは思います。

たとえばS&P500を長期投資すると決めたのであれば、今年も淡々とS&P500を積み立てるだけです。数十年後のための投資であれば、今年は日経平均のほうが上がるとかS&P500のほうが上がるとか、正直どうでもいい話とは思います。

そこで「今年は日経平均の方が上がるから」とコロコロ投資対象を変えていたら、それはただたんにタイミング投資しているのと変わりません。そういう投資の仕方をしたいならすればいいですが、最初の目的はどうだったのかはブレないほうがいいとは思います。

たとえばよくある「S&P500かオルカンか」みたいな論争がありますが、これも正直どっちでもいいわけで、重要なのはブレないための知識や軸が自分の中にあるかどうかです。

「アメリカ一強がいつまでも続くとは思わないからオルカンのほうがいい」と思ってオルカンを積み立てていたのに、昨年のS&P500の方のパフォーマンスが良かったから急に「やっぱりS&P500」みたいにいきなりブレてしまうのはどうかと思います。

さらに言えば、もともとは幅広い分散目的でS&P500やオルカンを買っていたのに、昨年はFANG+のパフォーマンスがよかったので急にFANG+買い始めるとかいうのもそうですね。ちょっと前だったらレバナスとか流行ってましたが、最近はもうFANG+の陰に隠れて話題にものぼらなくなっています。

そのうち大暴落が来たら、そもそもの投資から手を引いてしまい、新NISA自体も話題にのぼらなくなってしまうんではないかとは思います。リーマンショック後なんかそんな感じで、もう株とか意味が無いみたいな空気でしたね。

ドットコムバブル前の株が儲かっていた時期なんて株と関係ない一般雑誌でも株のことが取り上げられて、「これ買え、あれ買え」状態だったのに、バブル崩壊後は一気にそういうのがなくなりました。誰もなんにも言わないみたいな感じですね。

そんなわけで、自分が何の目的で投資をはじめたかという根本的な部分をもう一度問い直したほうがいいんじゃないかとは思います。

もし質問者様が短期投資をしたくて、今年日経平均の方がパフォーマンスがよさそうだと思ったのであればeMAXIS Slimの日経平均を買えばいいとは思います。ただ長期投資でS&P500を積み立てていたのであれば、急に今年「日経平均のほうがよさそうだから」という理由で日経平均を買い始めるのはちょっと違うのではないかとは思います。とにかく何のために投資をはじめたのかを思い返すのがいいでしょう。儲かりそうなものにどんどん飛び乗るみたいなブレブレな投資スタイルは結果的に大したパフォーマンスにならないとは思います。そもそもタイミング投資なので当たるか外れるかわかりませんしね。

PER高すぎ問題

それで質問の中にあった「S&P500上がりすぎ問題」ですが、その根拠としてPERが22倍以上というのがあります。これについては、S&P500の実質PERに消費者物価指数CPIを足したものが20以上のときに投資した場合と、20以下で投資したときとの、50年間のパフォーマンス比較みたいなのを数年前にピクテジャパンが記事にしていたのがありましたが、結果だけいうと20以上で投資した場合の年率が5.4%、20以下で投資した場合の年率が12.5%となりました。

ただこれはCPIの数値も考慮したものなので、単純に「PERが20以上だから」という話ではありません。事績PERが低くてもCPIが高ければ20を超える場合もあります。たんにPERだけ見ているわけではないのですね。

さらに面白いのが、この記事が出たのが2022年ですが、そのときの実質PERとCPIの合計値は27を超えていました。そのため、この年の株価は「かなり割高」という判断のはずで、実際2022年は年中ごろまで株価が落ち込んでいましたが、この時期にも投資をやめていなければドル換算で平均年率13%以上のリターンが取れたことになります。円換算だともっといきますね。結局のところ、投資において時間の力というのは強いのです。

それと今年のS&P500の成長が4%とのことですが、それ去年の初めや2年前の年末にもまったく同じ話を聞きました。それで蓋を開けてみたらドル換算で+25%なわけです。この手の予想は気休め程度にして、そもそも自分はどういう投資戦略で投資を始めたのかのほうが重要なので、そこをブレないようにしておいた方が良いでしょう。

買った投資信託が実は詐欺だったとか、ぼったくりだったとか、トラッキングエラーが多すぎるみたいのだったらさっさと方向転換したほうがいいですが、そうでないかぎりは初志貫徹したほうがいい結果になるとは思います。

それで現在のPER22は高すぎるかどうかですが、PER22ということは、この逆数が株式益利回りになるので4.5%ということになります。つまり株式での利益は4.5%ぐらいという話になりますね。それで現在の米国債10年利回りが、さっき見てみたら4.6%なので、合理的に考えれば「利回りの高い米国債買ったほうがよくね?」という話にもなってきます。

S&P500と日経平均どっちがいいかは比較が難しいですが、債券とであればある程度数字として比較できます。

日本から米国債を買うと為替リスクがあるのでちょっと話が違ってきますが、アメリカに住んでいるのであれば米国債を買ったほうが合理的といえば合理的です。株式投資のリスクを冒して4.5%とるよりも、国債で安全に4.6%とれることになりますしね。

バフェット氏が債券を買っているのも、合理的に考えれば安全に4.6%とれるほうがいいという判断かもしれません。

今後、長期金利がさらに上がっていくと債券のうまみが上がって、株式のうまみが下がってきますので、教科書通りであれば株式はうまみが出てくるまで株価は下がっていくとは思います。

ただ現実は教科書通りにはいかず、そもそものPERという指標がそんなにあてになるのかみたいなのもあって、思い通りに進んでくれないのが株式投資です。

そんなわけで、どうせ読みようがないのなら、タイミング投資をするよりも、結果的には淡々と積み立てて長期投資するのが一番面倒がなくて利益も大きいみたいな結果になっていきます。

とにかく自分が何のために投資をはじめたのかを思い返して、長期投資が目的であれば下手にタイミング投資の世界に入り込まないほうがいい結果になるとは思います。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・そもそもどういう理由で投資をはじめたのかを考える。

・短期投資ならかまわないが、長期投資であれば、「〇〇がよさそうだから」と別のものに飛び移るタイミング投資をすることは、逆にパフォーマンスを悪くする結果にもなりかねない。

・実質PERにCPIを足した数字が20以上の場合と20以下の場合で投資をすると、20以上で年率5.4%、20以下で年率12.5%と2倍ぐらい違う。

・S&P500がPER22だと、株式益利回りは4.5%。現在の米10年債利回りは4.6%なので、合理的に考えれば米国債を買ったほうが安全で利回りは多い(日本からだと為替リスクがあるのでこの通りではない)。

・ただ株式は教科書通りにいかないことが多い。単純に「PERが20以上だから高すぎ」みたいな考え方は難しい。

・結果的に、最初に決めたことを淡々と続けていった方が、長期的にはパフォーマンスが良かったりする。

となります。

とにかくオルカンやS&P500で分散目的の安定投資だったのに、「レバナスだー」とかいまだと「FANG+だー」とか、その時期その時期でよさそうなものにとびついてブレブレになるのは、逆にパフォーマンス悪化の原因になるとは思います。

自分がなんのために投資しているのか、どういうつもりで投資をはじめたのか、いま一度振り返ってみたほうがいいとは思います。

それと前回【新NISA+特定】2025年の取り崩し投資銘柄まとめ【全29本】という動画を出しましたが、よく考えてみたら金の投資信託「ゴールドファンド」の0.3%取り崩しが入っていませんでした。全30本でしたね。自分でも把握しきれていない状態になっています。今月の取り崩し結果はまた次回出していきます。