【新NISA】アクティブファンドにも良い物はある?

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、アクティブファンドにも良いものがあるかどうかについてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
アクティブファンドにも良い物はある?
こんなご質問をいただきました。
「いつも動画をありがとうございます。
インデックスファンドが合理的ということで多くの投資本ではインデックスファンドを進めていますが、一方でネット記事では「これまではインデックスファンドだったが、これからの時代はアクティブファンド」のような記事も目立つようになってきました。
インデックスで儲かるというのはあくまでこれまでの話であって、今後は時代の変動が大きくなるため、その動きについていくためには専門家によるアクティブファンドの重要性も高まってくるとのことです。
実際、インデックスよりも良いパフォーマンスを出しているアクティブファンドもあり、「インデックスは良い、アクティブファンドは悪い」と単純に言えないのではないでしょうか。ご意見お聞かせください。」
とのことです。
まず前提条件として、なぜインデックスが良いのかと言えば、それが市場平均だからです。要するに平均点なのですね。
それでアクティブファンドのパフォーマンスが良い悪いというのは、その平均点であるインデックスよりも上か下かという話になるわけです。それは当然、平均点より上の成績のいいものもあれば、平均点より下の悪いものあります。
それでここからが問題なのですが、長期的に市場平均以上のパフォーマンスを取り続けるというのがそんな簡単な話ではないのですね。
数年とか短期的な範囲でしたら、アクティブファンドが市場平均を上回る場合もありますが、数十年とかいう単位になってくるとほとんどのアクティブファンドが勝てないんじゃないかとは思います。
アクティブファンドというと、なんか株のうまい人が売ったり買ったりみたいな指示を出しているイメージがあるかもしれませんが、そんな場当たりな適当な運用をしているわけではなくて、実際はテーマというものがあって、そのテーマに沿って設定したルールに従ってやっているというのが現状です。
たとえば下落に強いアクティブファンドでしたら、これはようするにインデックスよりもボラティリティを落としてファンドを組んでいるという話になります。ボラの低い銘柄を集めてディフェンシブに固めているというものですね。
そのため下落局面においてはインデックスを上回ることもありますが、上昇局面においては当然ボラティリティを低くしているのでインデックスに勝てないわけです。
逆に、勢いのある企業を中心に組んでボラティリティを高くしているアクティブファンドだと、上昇局面ではインデックスを上回りますが、当然下落局面ではインデックスよりも落ち方が激しくなるので、インデックスに劣後するわけです。
そのため、アクティブファンドごとに得意な局面とそうでない局面というのがあって、得意な局面が来たときにはインデックスを上回りますが、そうでない局面になればアンダーパフォーマンスするわけです。
そのため、つねにインデックスを上回るというのは難しく、期間ごとに上回ったり上回らなかったりといった感じになります。
それでアクティブファンドでありがちな宣伝の仕方というのが、その得意な局面の期間だけを切り抜いて、「インデックスよりもパフォーマンスがいい」と宣伝するわけです。先ほども言いましたが、数年とかの短期間だと、アクティブファンドでも十分インデックスを上回る可能性はあるわけで、そこだけ切り取ったチャートを出して「インデックス以上のパフィーマンスを出しています」みたいに宣伝したりします。
ボラの高いファンドなら上昇局面を、低ボラファンドなら下降局面とかズドン多めの期間とかを切り取ればそれなりにパフォーマンスをよく見せることができるのですね。
そんなわけで、アクティブファンドの使い方としては、そのファンドが何が得意をまず把握して、現在の局面に合わせて短中期的に投資するのであれば、いいんじゃないかとは思います。
裏を返すと、投資する側もアクティブに利用しないといけないわけですね。
ファンドの内容を調べたりとか、その場その場でファンドを使いかえるとかそういうのが面倒くさい人や、長期投資で単に置きっぱなしにしたいという人は、長期で普通に平均点のとれるインデックスがいいとは思います。
逆に言えば、アクティブファンドを利用するには、利用する側もある程度は自分でいろいろ調べないといけないのですね。調べるのが面倒くさくて、単に「人気があるファンドだから」「おすすめだから」とかそういう理由で買うのであれば、普通にインデックスを買った方が全然ましとは思います。
Q太郎が投資始めたころのファンドは、ほとんどが償還期限があって、数年とか十数年で消えていくものばかりでした。そもそも償還期限まで持たないというファンドも多かったのですね。
あと始めたばかりのころは償還期限無期限にしていたのに、途中から償還期限を設けたりといったものもありましたし、ほとんどが短命のものばっかりという印象でした。
それで最近のアクティブファンドなのですが、いわゆる「ベータ型」というものがほとんどになっています。これはようするに市場平均であるベータ値に近い構成で構成でファンドを組むというもので、市場平均から大きく乖離することが少ないので、投資家にも怒られにくいという、ある意味ずるい商品ですが、こんなのがほとんどです。
それで信託報酬が1%とかけっこうな値段をとっていくわけです。
市場平均に近い形でつくっていくので、切り取る期間によってはアウトパフォーマンスできているチャートをつくるのも容易になるわけで、正直どうなんだろうみたいな感じです。
それで市場平均に近くて、信託報酬が高いということは、市場平均とほとんどおなじパフォーマンスだったとしても、手数料の分だけ利益が下がってしまうわけです。
例えば信託報酬1%もとるようなものだと、単純にパフォーマンスが1%落ちるということなので、市場平均に追いつくのは難しくなるわけです。そりゃだいたい中身が同じ商品で、信託報酬が高かったら、当然信託報酬の高い方がパフォーマンスが悪くなるのは当たり前です。とくに長期になればなるほどその差は広がっていきます。
それで最近は本当にこのベータ型のアクティブファンドが多くて、多いどころかほとんどこれじゃないかみたいなものばっかりになっていて、正直どうなんだろうという感じにはなっています。
顧客に大きな損失をあたえないという意味では合理的とは言えますが、だったら最初から低コストのインデックス買った方が面倒がなくていいわけです。
そんな感じで、個別株とおなじように自分でちゃんとアクティブファンドを選んで適切に使えるのならいいのですが、そうじゃなくて単に「〇〇さんが推薦していたから」とか「人気ランキングの上位だから」みたいな理由で購入するのは正直どうかと思いますし、だったらインデックスでいいんじゃないかとは思いますね。
とにかく高い信託報酬を払ってベータ型を買うのは本当にどうかとは思います。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・アクティブファンドのパフォーマンスは、市場平均(インデックス)より上回るか下回るかによる。
・アクティブファンドはテーマに沿って取引をしており、場当たりで売り買いしているわけではない。高ボラの銘柄中心のファンドであれば上昇局面では強く、低ボラファンドであれば下落局面で強い。(ここでいう強いというのは市場平均よりパフォーマンスがいいということですね)。
・短中期的にはアクティブファンドの方がパフォーマンスがよい場面もあるが、長期だと平均点(インデックス)を上回り続けるのが難しい。
・ファンドを良く見せるために、得意な期間を切り取って高パフォーマンスを演出することもある。
・インデックスに近い形でファンドをつくるベータ型が近年の主流。だいたいおなじ中身だと、信託報酬の高さからパフォーマンスが悪くなりがち。
・アクティブファンドの使い方としては、そのファンドが何が得意をまず把握して、現在の局面に合わせて短中期的に投資するのがいいかと(投資家にもアクティブさが求められます)。
・なにも調べもせずに、「推薦されたから」「人気だから」という理由で買うのはおすすめできない。
となります。
そんなわけで、アクティブファンドも特徴をきちんと把握して、場面場面でうまく使えればいいのですが、そうじゃなくて「なんだかよくわからないけど、人気ランキング上位だからとりあえず買っておこう」みたいなのは避けた方が良いでしょう。それだったら信託報酬の安いインデックスを買っておいた方がまだ無難とは思います。
個別株を買うぐらいの感じで、ちゃんと調べて、いまの局面に合っているかどうかを把握したうえで短中期的に使っていくのであれば、アクティブファンドも悪くないんじゃないかとは思います。
Q太郎は調べるのが面倒ですし、どうせほとんどベータ型なので信託報酬の安いインデックスでいいかなとは思います。そこまでしてパフォーマンスを微妙に上げていく必要もありませんし、上がるともかぎりませんしね。















