優良配当ETF「SCHD」のメリット・デメリットーVYM・SPYDより高配当&VTIより高リターン・低リスク!
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
「VTIよりいいものあるんじゃないか」企画第3弾です。
前々回はQQQ+VIGでVTIより低リスク・高リターンのポートフォリオを作る話をしました。
また前回は毎月分配でVTI並みのリターンを取れる配当成長ETF「DGRW」の話をしました。
今回は、とうとうVTIを超える高リターン・低ボラティリティで高配当、増配率12%以上、さらに低経費率という、至れり尽くせりの真打ETF「SCHD」の登場です。以前からリクエストのあったETFですが、やはりこのタイミングで登場させるのがいいでしょう。
前回の「DGRW」は分配金が少ないという問題がありましたが、今回のはVYM並みの分配金に加え、なおかつトータルリターンでVTIに勝ってしまっているという超優良ETFです。
さっそくどんなETFなのか見ていきましょう。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
SCHDとは?
さて、世の中「VTI1本でいい」という話になってきていますが、世の中にVTIを超えるリターン、かつ低ボラティリティというものがあれば、そちらを買ったほうが安定した収益を得られるでしょう。
今回はVTIを超えるリターン、かつ低ボラティリティで、さらにVYM並みの高配当(長期投資でSPYD超え)という優良配当ETF「SCHD」です。
高配当で、VTI並みのトータルリターンも取れるという欲張りな人にはちょうどいいETFです。
総資産
まずは総資産チェックです。ここが少ないと、買った瞬間に流動性リスクと早期償還リスクを抱えることになりますしね。
それでSCHDの総資産ですが、約4兆円です。兆超えてますので、論じる必要もなく、十分すぎますね。これは余裕でクリアです。
やはり良いETFにはたくさん資金が集まるということでしょう。
構成銘柄
次のチェックポイントですが、構成銘柄です。
銘柄選び自体は、ファンダメンタルズを重視しています。
だいたい100銘柄ぐらいで、上位10銘柄はこのようになっています。
1位はテキサスインスツルメンツ、半導体企業のTIですね。他にもファイザー、ペプシコ、ブロードコム、コカ・コーラ、IBM、ホームデポと、手堅い銘柄が揃っています。順番が違うだけで、前回紹介した「DGRW」と被っているものはけっこうありますね。
なんにしろ、優良企業揃いになっています。コンセプトとして、高配当かつファンダメンタルズが優良なものを集めていますしね。
SCHDのメリット
それではメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット1 VTIより高リターン・低ボラティリティ
メリットその1は、VTIを超えるリターン、かつ低ボラティリティです。
VTI(青)、DGRW(黄)と、SCHD(黄色)比較してみましょう。これは分配金再投資有りのトータルリターンです。
リターンですが、VTIが12.76%、DGRWが12.64%に対して、SCHDは12.85%と、VTIのリターンを超えています。この3者はかなり肉薄しているので、切り取る時期によって変わると思いますが、なんにしろ高配当でこの成績はすごいですね。
さらにばらつきですが、VTIが14.39%に対して、SCHDは13.91%と低ボラティリティになっています。DGRWはさらに低ボラティリティで、13.65%となっています。
以前にVIG+QQQでVTIより高リターン・低ボラティリティのポートフォリオを紹介しましたが、SCHD1本ですべてが解決しているのですね。
メリット2 高配当
そしてメリット2は高配当です。
分配金はVYMレベルで、現在2.6%ぐらいあります。それにもかかわらず、さきほど成績です。
しかも分配金の伸び方が半端ないですね。
青がVYM、赤がSCHD、黄色がSPYDですが、2020年でほぼ追いつき、2021年にはSPYDを超えてしまっています。2021年のSPYDのグラフがちょっと変ですが、2020年よりちょっと少ないと考えてください。
つまり2021年の分配金が、2020年のSPYDの分配金を抜いている時点で、SPYDを抜いてしまっているのです。
2016年からずっとホールドしていれば、昨年の時点でVTI以上の高トータルリターン、かつSPYDの分配金を抜いているという最強状態なのですね。
いつズドンが起こるかわからない爆弾(SPYD)を、抱えなくていいということなのです。
今後もさらに伸びていくことを考えると、分配金が横這いな高ボラ爆弾ETFのSPYDをホールドするのが正しいのか、今一度考え直す必要があるかもしれません。
メリット3 経費率が安い
そしてメリットその3は、経費率が安いことです。
これだけ至れり尽くせりの優良ETFで、経費率はたったの0.06%。
VTIは0.03%なのでさすがにかないませんが、同類の増配ETFであるDGRWが0.28%ということを考えると、爆安価格としかいいようがありません。
この低価格で、ちゃんとした銘柄を選んでくれていますしね。
SCHDのデメリット
良い話ばっかりだったので、つぎはデメリットです。
こんな完璧なETFにデメリットがあるのかという話ですが、あります。
とくに致命的なデメリットがありますので、それを話していきます。
デメリット1 キャピタルのみだとVTIに劣後
先程は分配金を再投資したグラフですが、再投資無しの場合はVTIに劣後します。
VTIの年間リターンが10.77%、DGRWが10.31%に対して、SCHDは9.53%と劣りますね。このあたりは、分配金分下がっているので仕方のないところです。分配金を加えれば勝てるかと思います。
どちらかといえば、キャピタルの売り買いではなく、分配金目的で長期投資するのがいいでしょう。SPYDの分配金を抜かせますしね。
デメリット2 名前が覚えにくい
DGRWに比べればだいぶ覚えやすいですが、それでも覚えにくいですね。
Q太郎は「メモリカードっぽい名前」みたいに覚えています。
そしてデメリット3、これがもっとも致命的です。ここまでの話をすべてくつがえすレベルで致命的です。
デメリット3 日本で買えない
デメリットその3は、日本で買えません。
楽天やSBIであつかっていないのですね。
日本で海外証券口座を作って買うという方法もありますが、一般口座になってしまうので、確定申告とかがすごく面倒になるかと思います。
そこまでする必要があるのかという話にもなりますね。
手間を考えるとVTIやDGRWでいいじゃんみたいな話になってくるかと思います。
Q太郎もそこまでして買いたくはありません。
まとめとQ太郎の見解
そんなわけで、メリットは
・VTIよりも高リターン・低ボラティリティ
・高配当(長期ホールドでSPYD超え)
・経費率が安い(0.06%)
デメリットは、
・キャピタルだけだとVTIに劣後
・名前がそこそこ覚えにくい
・日本で買えない
です。
総資産も兆を超えていますし、分配金の伸びますし、トータルリターンもすばらしいですし、経費率も安いと、正直、現時点では文句のつけようがあまりないです。
ただ日本で買えないという時点で、すべてのメリットは吹っ飛んでしまっています。しょせん、絵に描いた餅ですね。「ぼくの考えた最強のETF」です。
今後日本に上陸することがあれば、注目しておきたい銘柄とは思います。というか、上陸してほしいですね。