【新NISA】毎月1日に積立してるけど…S&P500・オルカンってその日高くない?

新NISA投資お役立ち情報

tumitate son

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、毎月1日のクレカ積立投資をしているけど、そのときだけS&P500・オルカンが高くなっていないかというご質問です。

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毎月1日だけS&P500・オルカンが高い

こんなご質問をいただきました。

質問です。現在S&P500とオルカンを毎月3万円ずつ、毎月1日にクレカ積み立てています。

それで、積み立てるタイミングで高くなっているような気がします。

これはみんなが毎月1日に積み立てるので株価が上がってしまうからでしょうか?

今年に入ってからこの傾向が顕著な気がします。

株価がズドンした良いタイミングはだいたい月の中頃です。たとえば4月で大きくズドンしたときも、4月の中頃でした。4月の初めに買っている場合は大損しているのですね。そして5月になるとまた株価が上がって高値を掴みます。

毎月1日積立をすると高値をつかむような気がします。ズドンなどの安いタイミングで買えたことがありません。

たとえば毎月1日と15日に積み立てるなど、2回分けたほうがいいでしょうか?(現在3万円積立なので、1.5万円ずつにわけます)。ご意見お聞かせください。」

とのことです。

積立投資していると、積み立てるタイミングで高くなっている感じはありますね。

逆にQ太郎は取り崩しをしているので、取り崩すタイミングで安くなっている感じはあります。

人間というのは、利益よりも損失のほうを気にする生き物なので、得しているいることよりも、損してることに対して恐ろしく敏感だったりします。

投資でもよく語られるプロスペクト理論というのがありますが、人間には損失回避性というのがあります。

例えば1万円儲けたことよりも、1万円損したことのほうが重大なことだと思ってしまいますし、損したことは案外長い間忘れないのですね。

例えば働いている人は毎月数十万とか稼いでいるとは思いますが、そのこと自体にはあまりありがたみを感じなくて、「5000円落とした!」みたいなことはかなりショックを受けるわけです。数十万と5000円なのに、5000円のほうが印象に残るわけですね。

投資の世界でも短期取引をやっている人には多いのですが、利益がちょっと出たら売ってしまうわりに、損失がでかくなってもいつまでも損切りしないみたいなのがあります。本当は逆にして、利益が乗ってきたら伸ばせるところまで握力を高くして、逆に損失が出たらすぐに損切りをするみたいなことをしなくてはなりません。

せっかく伸びてきたところですぐ撤退はもったいないわけですし、損したらさっさと切らないと被害は拡大していくわけです。そもそも短期取引で、上がると思って買った株が下がったのであればその時点で目論見が外れているので、さっさと負けを認めて損切りするべきとは思います。

それでS&P500やオルカンの積立で、なんか積立するタイミングで株価が上がるというのは、これもプロスペクト理論的なものです。

これは質問者様が積立日を毎月1日じゃなくて、毎月15日に変えたとしても、おそらくおなじことが起こります。「なんか毎月15日だけ高くない?」とかならず思うことになるでしょう。

実際のところ日にちは関係なくて、なんか自分の積み立ててる日だけ株価が上がって損しているという感じをかならず受けるとは思います。

本当は安値で買えているときもあるのですが、損したときの記憶だけが残るから、なんか高く買わされているような気になってしまうのですね。

Q太郎は楽天証券でオルカンやS&P500の自動取り崩し設定をしていますが、「なんか設定日だけ株価下がってない?嫌がらせ?」みたいな印象を受けています。実際そういうタイミングで自動取り崩しをさせられたりする場合もありますが、結局のところはそういうときの印象がやたらと頭に残るので、「なんか自分が取り崩しているときだけ株価が下がってるんじゃないか」と思い込んでしまうのですね。

そのため、おそらく質問者様が積立日を何日にしようと、けっきょく同じ印象を受けることになるとは思います。自分の積み立てた日だけなんか株価が高いみたいに思ってしまうのですね。

実際にデータを見てみるのが一番とは思いますが、たとえばご質問にあったS&P500の4月のデータを見てみましょう。

4月1日のS&P500は5633.07ポイントで、一番ズドンしたのは4月8日で4982.77です。-12%ぐらいの落ち込みですね。けっこう大きかったですね。ただ4月8日は4月半ばというわけでもないですね。

それで4月15日が5396.63なので、仮に15日に積み立てていたとしても、8日に比べればかなり上がってしまっていますので、高値をつかまされているという印象が残るとは思います。けっきょくのところ、15日積立にしたところで、おなじような「高値をつかまされている」印象を受けるわけです。

それでさらに見ていって5月1日になると5604.14ポイントなので、たしかに15日から比べればだいぶ上がってしまっているので、やっぱり高掴みな感じはするわけです。

そんなわけで、とくにこういうズドンしたタイミングだと印象が強調されてしまいますし、高値掴みしたことだけが印象に残ってしまうため、積立日を毎月1日から変えたところでたぶん同じ印象を受け続けるだけとは思います。

仮に積立日がズドンに重なったとしても、人間は得したときよりも損したときのことを覚えていますので、その得したことはあまり印象には残らないのですね。そんな感じで損したことの記憶だけが積み重なって、自分の積立日だけ株価が上がってるみたいになってしまうわけです。

まあ、そういうものですし、積立の逆の取り崩しをしているQ太郎もおなじことを思います。毎月初めの取り崩しだと株価が下がって損しているという感じですね。なんか自分の取り崩しタイミングのときだけ下がってない?みたいな感じです。人間はそういうものだと思っておけばいいでしょう。損しているときの記憶だけがやたらと残るのです。

対策としては、気にしないことが一番です。どちらにしろクレカ積み立てだと月初め以外選べないんじゃないかとは思います。楽天証券だと楽天キャッシュを使えば15日積立もできますが、たぶん何日に積み立てようが同じ印象を受けるだけです。

それで1日と15日のどちらでも積み立てたほうがいいのかどうかについてですが、実際Q太郎は新NISAの積み立て投資枠はそれでやっていますね。1日はクレカで5万円、15日のほうは楽天キャッシュを使って5万円積み立てています。残りのクレカ5万円枠は、成長投資枠で楽天SCHDを積み立てですね。

1日と15日、どちらのパフォーマンスがよいかをわかりやすくするために、1日はeMAXS SlimのS&P500とオルカン、15日は楽天S&P500とオルカンにしています。昨年からやっていますので、現在のところは1日積立のほうが15日よりもパフォーマンスがいいですね。具体的に

     1日   15日
S&P500  +6.37 % +4.87 %
オルカン +7.08 % +5.85 %

になっています。1日のほうがパフォーマンスがいいですし、去年とは一転して、現状はS&P500よりオルカンのほうがパフォーマンスがいいですね。

そんなわけで15日のほうがよさそうなのも気のせいで、数字的には1日積立のほうがパフォーマンスがいいという結果にはなっています。もちろん今後変わっていくかもしれませんし、そもそも何十年も続ければ、パフォーマンスの差はほとんどなくなっていきます。しょせん15日の差ですしね。

1日と15日どちらも積み立てたほうがいいかどうかについては、これで大きくパフォーマンスが変わるとも思わないので、自分が安心するのであればそうすればいいんじゃないかとは思います。株価がどうなるかなんてわかるわけありませんし、そんなのがわかったら大富豪になれます。

本気で1日が高いと思っているのであれば、長期投資何かやめて、毎月15日に買って、1日に売れば小遣い稼ぎができるとは思いますが、たぶんうまくいかないとは思います。

そんな感じで、人間は損したときのことが印象に残るので1日積立が損しているような印象を受けますが、けっきょく何日に変えようがおなじ印象を受けるとは思います。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・人間には損失回避性があって、損したときのことはよく覚えているが、得したときのことはあまりおぼえていない。

・毎月1日に株価が高いというのも、損したときの印象だけが残っているのでそう感じるだけ。

・けっきょく何日積立にしてもおなじ印象を受ける。(これは取り崩しでもおなじことが起こります。というかQ太郎自身も月初めの取り崩しで損している感じはあります。)

・新NISA開始からの積立で、現状は1日のほうが15日よりもパフォーマンスが良い。(数字で見ると1日のほうが正解なわけですね)

・ただこういうのも、何年も続ければ変わるし、何十年も続ければ差はほとんどなくなる。(しょせん15日の差です)

・安心感が欲しいのであれば、1日&15日積立でもいいかと。

・本当に1日が高いと思うのであれば、長期投資をやめて、15日に買って、1日に売ればぼろもうけできる。(たぶんうまくいかないとは思います)。

となります。

そんなわけで、人間は損失を覚えている生き物なので、何日に積み立てようと同じ印象を受け続けるとは思います。

それに何十年も積み立てるという話であれば、15日の差なんてのちのち意味がなくなってきます。

重要なのは長期投資を続けることで、何日積み立てるみたいな微妙なパフォーマンスは気にしなくていいとは思います。結局長期になったら15日の差は意味がなくなります。

そんな感じで、人間はそんなものだと思いつつ、気にせずに積み立てをつづけていったらいいとは思います。