【資産5000万】次の暴落に備え、米株から300万を債券へ?

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5000man kabu

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は米株に偏り過ぎた資産を減らして、300万を債券にしたほうがいいのかどうかについてです。

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米株を減らして300万を債券に?

こんなご質問をいただきました。

Q太郎さん。 いつもありがとうございます。

相談なんですが、現在41歳、資産5000万そのうち7割が株式そのうち8割が米国にかたよっています。

次の景気後退の種銭を用意するため米国個別株を300万ほど債券に移したいと考えてます。

普通にMMFに置いておくのもいいのですが、金利が少しでも取れる既発債券の15年〜20年の米国銀行の劣後債5.5%前後に投資を考えてます。

自分は長期で見たときに円安を予想しているのでドル建てのまま保有を検討してます。どうお考えでしょうか?

とのことです。

あくまでQ太郎の意見ですが、個人的に社債でとくに劣後債は、リスクに対するリターンがかみ合っていないので、あまり利用したくないというのがあります。リスクが高いわりにうまみが少ないということですね。

劣後債の問題というのは、普通の社債と比べて金利が高いといってもせいぜい1%とかその程度なのですね。それで破綻時に下手すれば0になるリスクをとらないといけないわけで、これがQ太郎的には割に合わないと思っています。リターンに対するリスクがでかすぎるのですね。

実際にスイスの大手銀行クレディスイスが2023年に破綻しましたが、そのときに劣後債の一種であるAT1債が無価値化してしまいました。クレディスイスって相当大手の銀行なのですが、それでもこうなる可能性があるのですね。可能性というか実際に無価値化してしまいました。

一般的に銀行のリスク資産の安全性は、株式が一番リスクが多く、その次にAT1債、劣後債、普通社債、預金者の順になるのですが、現実問題、けっきょくその銀行がダメージを受けてしまうと、預金者以外はほぼ一蓮托生みたいな状態になってしまうので、社債だから株式より安全というわけでも全然ないわけです。

とくに景気後退の局面は、社債は無価値化の可能性もあるため、リターンを考えると正直株式よりもリスクの高い商品ということにもなります。リスクに対してリターンが低いということは、シャープレシオが低いということにもなりますしね。

金利を取るというのはリスクを取るということでもあるので、そのあたりのリスクがかみ合っているかどうかも考えたほうがいいでしょう。

それと景気後退局面だと、国債ならまだいいのですが、社債は景気後退の煽りをもろに受けますので、景気後退局面を見越した社債買いはあまりおすすめはできません。

それと劣後債はだいたい償還期間が長いものが多いです。ようするに長期債なのですが、そうなると金利上昇局面では価格変動リスクが大きいので、債券といいつつ、けっこうボラティリティが高いと考えたほうがいいでしょう。

米国長期債ETFのTLTとか買ったことがあればわかるとは思いますが、長期債になればなるほどボラティリティは高くなります。これは債券の特徴の一つであって、デュレーションが長くなればなるほど、また将来受け取る利息が大きければ大きいほど金利の影響を大きく受けることになり、変動も大きくなります。

そのため債券だから安定運用というわけでは全然ないのですね。とくに長期債はけっこうリスクが高い物と思ったほうがいいでしょう。ボラティリティも実際株式とあんまり変わらなかったりします。それだったら株式でいいじゃないかという話にもなってきたりしますしね。

あと長期債は流動性の問題もあり、とくに個別債は流通量が少ないことから、MMFや債券ETFより売買しづらいですし、出来高が少ない以上、自分の想定しない価格での取引になったりすることもあります。

あと為替ですね。近年は本当に為替自体のボラが大きいので、債券のリターンで吸収しきれないため、これも割に合わないという感じにはなってきています。

そんなわけでQ太郎的には社債で、しかも長期の劣後債はリスクにリターンが見合わないので、避けたいところとは思います。景気後退になれば株も社債も一蓮托生ですしね。

仮にQ太郎がこの300万円で何を買うかと言えば、低ボラ運用を考えると、安全なところで日本国債の個人向け変動10年ですね。元本保証されていますし、買い手が一方的に有利な商品ですしね。一年以上置いておけば、いつ引き出しても元本以上のお金は戻ってくることになります。

またはSBI新生銀行とかは、普通預金で金額上限なしで年0.4%もらえます。300万円預けておけば、年間12000円になりますね。毎月1000円ぐらいです。ここに金融所得課税の20.315%を源泉で取られることになりますが、流動性を考えれば、いつでも引き出せるという安心感はあります。

そのため流動性を重視したければ、SBI新生銀行に預けるという手もありますね。ズドンがあったときに、いつでも資金を持ち出して追加投資に使えますしね。債券だと一回換金しないといけないので、タイミングを逃してしまう可能性もあるとは思います。このあたりは自分の投資スタイルに合わせればいいでしょう。

なんにしろ景気後退では社債もやばいので、その局面で使えるお金という考え方だと、日本国債か、普通預金か定期預金ということになるとは思います。アメリカが震源地の景気後退だとドル安円高になる可能性もありますしね。そのヘッジとして考えると、円資産で準備しておくのがいいかなとは思います。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・社債(とくに劣後債)はリスクとリターンがかみ合わない(リスクのわりにうまみが少ない)。

・景気後退局面では、株も社債も一蓮托生。劣後債、AT1債は無価値化の可能性も。(クレディスイスの例もありますしね。)

・金利を取るということは、リスクを取るということ。そのあたりのリスク・リターンが合っているのかの検討も必要(劣後債はシャープレシオが異常に低いみたいな状況になりがちですしね)

・劣後債は償還期間が長いものが多いため、長期債のように金利変動の影響を大きく受ける。ボラティリティは高め。

・個別債は流通量が少ないことから、購入・売却時に自分が想定しない価格になることも。(流動性が低いということですね)

・アメリカが震源地の景気後退だとドル安円高に可能性も。

・安全性を考えると元本保証されている日本国債の変動10年か、流動性を重視するならSBI新生銀行とかの普通預金に預けるのもいいかと(ズドン局面で安全に追加投資をするなら、元本保証された円資産で持っておいた方が安全とは思います。)

となります。

そんなわけで、個人的には長期の劣後債はリスクとリターンが見合わないのであまりおすすめはできません。ただ300万円だと、5000万円の6%程度なので、ちょっとリスク取ってもいいという話なら実験的に買ってみてもいいんじゃないかとは思います。

ただ景気後退時に突っ込むお金の確保という目的なら、米国の劣後債という話だと目的からは外れてしまうため、あまり進めませんね。景気後退局面だとドル安リスクが爆上がりしますし、その時期に劣後債がどうなるかという問題もありますし、その目的だとちょっとリスク高めかなとは思います。

景気後退局面での追加投資300万円の確保という話でしたら、元本保証された円資産で確保しておいたほうがいいかなという感じはあります。流動性を考えれば、SBI新生銀行の普通預金がいざというときにSBI証券に突っ込めてすぐ動けるので使いやすいかなという感じはありますね。

楽天証券だと楽天銀行になりますが、普通預金はマネーブリッジ付きで300万円までが年0.28%、それを超えた分は年0.22%と、SBI新生銀行の上限なし0.4%に比べるとだいぶしょっぱい感じですね。

まあ、あまり細かいことを気にしてもしょうがいないので、資金の目的をはっきりさせて、自分の使いやすい形で資金確保しておくのがいいかなとは思います。

それとSBI新生銀行で年0.4%の金利にするには、SBI証券との連携が必要になりますが、これはSBI証券との口座振替の登録をしておくだけでOKです。

「SBI新生コネクト」という連携もありますが、こちらは余ったお金が自動的にSBI新生銀行の方へ送られるというものですね。

すでにSBI証券と住信SBIネット銀行を連携させて、ハイブリッド預金にしてしまっている人が、SBI新生銀行のほうでSBI新生コネクトを連携しようとすると、いったん住信SBIネット銀行との連携を解除しないといけませんので、けっこう面倒です。とりあえず口座振替の登録だけでいいとは思います。

ちなみに現在の住信SBIネット銀行のハイブリッド預金の金利は年0.21%なので、住信SBIネット銀行をほとんど使っていないという人はSBI新生銀行と連携しておいたほうがいいとは思いますね。