株高は続かない?FOMC 0.75%利上げ継続で株価急上昇ー下落リスクも【米国株投資】

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FOMC

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75ポイント(0.75%)の利上げ継続が決まったことから、米国市場は上昇しました。

SP500

S&P500は前日比で+2.52%の大きな上げ。後半でさらに一段高がありましたね。年初来では-16.11%になります。

NSADAQ

NASDAQは前日比で+4.06%と、こちらも大きな上げ。とくにGAFAM銘柄が大きく上げて、全体をひっぱっていきました。

しかし2-10年債の逆イールドが解消されず、しかも3カ月物まで10年債を追い抜きそうな状況など、懸念点もたくさんあります。

ドル円も円高方向に触れてきて、今日は一気に135円台まで落ちましたね。

今回はFOMCの0.75%利上げと米国株の動き、今後米国市場はどうなるのかについての話題です。

 

FOMC 0.75%利上げ継続と米国株上昇

さて、FOMCで、事前の大多数の予想通り、0.75%の利上げが発表されました。

これを受けて株式市場は大きく上昇。とくにGAFAM銘柄が大きく上げました。

アルファベットことGoogleは+7.74%と大きな上げです。アップルは+3.42%、決算の悪かったメタことFacebookも+6.55%、おなじく決算の悪かったマイクロソフトも+6.68%、アマゾンは+5.37%、テスラは+6.17%と、軒並み大きく上げています。

マイクロソフトの決算については昨日の動画を参照してください。

株価が上がった大きな要因ですが、今回0.75%になったことから次回から利上げペースを落とすという観測があり、投資家たちがそれに一気に乗っかっていったというのもあるかと思います。

金利が下がるということは、株式のバリエーションが上がるということです。金利が低いと銀行にあずけても増えないので、株に突っ込んでおいたほうがいいという話ですね。

とくに将来期待で上がるNASDAQのグロース系は、金利の影響がかなり大きいです。

株高は時期尚早

しかし、利上げペースを落とすことを株価に織り込むのは時期尚早という意見もあります。今回の株高がフライングすぎるという話ですね。

ニューヨーク連銀のダドリー前総裁は、

「金融市場は、米金融当局が高インフレを抑えるための行動を過小評価している」

と述べています。

「金融当局がハト派になった」と、投資家たちが勘違いしている可能性が高いということですね。

そもそものインフレが抑えられるかどうかが不明瞭なため、「このまま株価が上がっていったとしても、上値が非常に限られている」とのコメントも出しています。

FRBの当面の目標はインフレ抑制であり、それがかならず最優先されてしまいます。

株高はむしろ、「利上げをもっとして良い」というサインにも取られかねませんので、慎重に投資していく必要があるとは思います。

逆イールドの拡大

さて、もう一つの大きな問題が、債券の逆イールドです。

今回のFOMCの発表を受けて、10年債の利回りが急激に低下し、あまりよろしくない状況になっています。

10YB

リセッション(景気後退)の指標となる2年債と10年債の逆イールドですが、まったく解消される様子がありません。

さらに3カ月物の利回りが上がっており、10年債を追い抜きそうな勢いです。

過去8回、3カ月物が10年債の利回りを追い抜いたことがありますが、その後は100%の確率でリセッションが発生しています。

その3カ月物10年債に近づいているのですね。逆イールドについてはこちらを参照してください。

株高・債券高の理由

株高・債券高の理由ですが、今回、株高・債券高になったのは、次回9月の利上げを0.5%、そのあとの11月、12月、来年の2月は0.25%で推移していくという、「利上げの手を緩めることへの期待」が多分に入っているものと思われます。

今回の上げはほぼこの「フライング利下げ期待」ですね。

ただこの期待が崩れると、一気に株価・債券が下落する可能性もあります。

次回利上げを0.5%で織り込んでいるのでしたら、それが崩れたら、当然債券も株も落ちますしね。

そんなわけで、ちょっとしたことで上がったり下がったりは今後も続くとは思います。

 

まとめとQ太郎の見解

ドル円の動き

dollen

ドル円の動きですが、こちらも1%利上げがなくなったことと、今後の利上げペース鈍化を織り込んでか、一気に円高方向へとふれました。現在135円台ですね。

アメリカにとっても世界経済にとっても米ドル高はあまり好ましいことではないので、もうちょっと下がっていただけるといいとは思います。米国株も買いやすくなりますしね。

しかし日銀が金融緩和をやめる気がないので、またぶり返してあげていく可能性もあります。

本日、日銀の雨宮副総裁が米国の利上げに対し、「日銀の金融政策運営に直接結び付くことはない」と述べました。また「手を緩めることなく、金融緩和を継続する必要がある」とも述べています。

しかし企業が成長しないので、ひたすらお金を借りてドーピングの自転車操業状態になっています。

日本がこれを続けられるのは、アメリカほど極端なインフレがないことがあげられます。

日本のばあい、ちょっとした値上げで客が離れますから、コスト高を商品価格に転嫁するのがむずかしいのですね。

コスト上昇分、値上げではなく「企業努力」という名の、人件費をおさえる方向で動くので、賃金も上がらないというような状況になっています。

そんなわけで株も為替も債券もまだまだ一波乱ありそうなので、時間分散で長期戦で臨むのがいいとは思います。