S&P500長期投資は留学生受入停止で危険に?【新NISA】

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ryuugaku kinshi

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、トランプ政権がハーバード大学の外国人留学生受け入れ資格を停止すると発表したことと、長期的に米国投資はヤバいのでないかとのことについてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

S&P500長期投資は留学生受入停止で危険に?

こんなご質問をいただきました。

とうとうトランプがハーバード大学の外国人留学生受け入れ資格を停止すると言い出しました。

新規の留学生だけではなく、在学中の留学生も転校しなかったら滞在資格をはく奪するという無茶ぶりです。

助成金の凍結だけでも無茶苦茶なのに、こんなことをしてしまってはアメリカの産業が長期で本当にヤバくなります。

アメリカは移民に支えられている国です。それが白人至上主義・反知性主義のような政策を取り始め、海外からの人たちを排斥するようになれば、長期的に研究や産業が衰退する一方とは思います。

アメリカの大学が研究分野でトップを走れるのも、留学生たちが必死で研究協力をしているからです(アメリカの学生は真面目ではありません)。

現在の状況では、S&P500への長期投資も手放しで安全とは思えなくなりました。

またこれにより、中国への頭脳流出もありえるのではないかとは思っています。日本はこういう留学生を吸収して、再び世界トップに躍り出ることもできるのではないかとは思いますが、この辺りはどうお考えでしょうか

とのことです。

正直、今回のトランプ政権は「そこまでするのか」ということを連発してしていますので、第一次トランプ政権とはかなり違ってはいますね。まわりで止める人もいないですし、やりたい放題みたいな感じになってきています。第一次の頃は止める人たちがいましたが、そのたびに更迭されていましたしね。首になりたくないので止めないみたいな感じになってるとは思います。

それでアメリカをけん引する大企業を起業した人たちの多くは移民かその家系で、例えばイーロン・マスクは南アフリカからの移住者ですし、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏は祖祖父はデンマークからの移民ですし、NVIDIA創業者のジェンスン・フアン氏は台湾からの移住者ですし、グーグル創業者のセルゲイ・ブリン氏はロシアからの移住者ですし、メタのマーク・ザッカーバーグも曾祖父がポーランドからの移民ですしで、ペイパルやopenAIの創業者であるピーター・ティールはドイツからの移民ですし、フォード創設者のヘンリー・フォードも父がアイルランドからの移民ですし、挙げていくときりがない感じです。

アメリカの自由な風土があったからこそ、世界中から優秀な人材が集まることのできる環境にあったといえます。それが壊されて、本国の人達だけで何かやろうという話になってくると、研究やらイノベーションやらが育たなくなる可能性は十分にあります。

そもそもゲームの分野でも、国家運営のシミュレーションゲームでまずやることは教育への投資が鉄板戦略なのですが、大学の助成金を打ち切ったり、留学生を排除したりなど、どう考えても国が衰退する方向のことをやっているのですね。

Fランク大学とか意味のない大学への助成金は考えた方が良いですが、誰でも名前を知っているハーバード大学への助成金停止や留学生排除はかなりまずいことになるんじゃないかとは思います。世界へのインパクトも大きいですしね。

中国は研究分野への投資はどんどんしてますので、頭脳が中国に集まる可能性もあります。欧米系の頭脳は、中国の不自由さを恐れてヨーロッパに流出しそうな感じはありますが、アジアとか文化圏の近い国だと中国へ行く可能性もありますね。

これは日本にとってもチャンスと言えますが、残念なことに日本の研究環境はあまりよくないのですね。

国立大学の運営費交付金の削減によって、研究者数と研究費が減少してますし、ノーベル賞を受賞した京都大学の山中教授が、iPS細胞の研究費をねん出するために自ら京都マラソンに参加して完走して寄付を募るという涙ぐましいことをしています。

適当な私立大学の教授ならわかりますが、仮にもノーベル賞取った国立大学の教授が予算無くてこんな状況なのですから、ほかの大学の研究環境がどんなものかは想像がつくとは思います。日本は本当に基礎研究を軽く見がちとは思いますね。

そんな感じで研究環境があまりよろしくないというかお金が無い状況なので、環境的に日本に頭脳が集中しにくいというのもあります。チャンスはチャンスですが、受け入れ環境ができていないというのが現状ですね。むしろ予算の多い中国へ行ってしまう可能性もあります。

それとS&P500というか米国投資への影響ですが、こういうのは短期的にはすぐに影響の現れるものではないので、すぐにどうこうなるわけでもありませんし、だからといってS&P500を売却するのもちょっと違うような気もします。そもそも株を買うのはインフレ対策の意味もありますしね。

ただこういう教育分野での問題は、数年後とか数十年後とかのスパンでじわじわと結果が出てくるとは思います。実際日本は研究分野への資金削減の効果がじわじわあらわれていて、世界をけん引するような新しいイノベーションは起こりませんし、GDPもじわじわ落ちていくみたいな感じになってきているとは思います。

そんな感じで、日本の現在進行形の実例もあるため、教育や研究分野への介入や資金減はろくなことがなさそうです。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・第一次トランプ政権とは異なり、今回は「そこまでやるか」のようなことをやるようになっている。

・ハーバード大学という有名大学への留学生受け入れ停止は世界へのインパクトが大きく、頭脳流出の原因にもなりえる。

・アメリカのトップ企業の創業者は移民かその子孫たち。留学生や移民の排除は今後のイノベーションを阻み、アメリカの衰退につながる要因になる。

・日本の大学は予算減で研究環境がよくなく、流出した頭脳を吸収しづらい。むしろ予算の多い中国へ行ってしまう可能性。(ノーベル賞とった教授ですらマラソンして寄付集めている状況ですしね)

・短期的に米国投資に影響が出る訳では無いので、今すぐS&P500を売ったほうがいいという話にはならないかと。ただ長期的にはじわじわと効いてくる可能性は高い(イノベーションの起こらない今の日本がまさにそういう状態ですしね)。

となります。

そんなわけで、このニュースで焦ってS&P500を売る必要はまったくありませんが、長期的にはボディブローのようにじわじわ効いてきそうな感じはあります。このあたりは注意しておいたほうがいいでしょう。これまでS&P500が右肩上がりだったからといって、今後も長期的にそうなるかどうかは別の話ですしね。

しかし中国の大躍進や文化大革命レベルに、指導者の思い付きだけで政策が行われて、あとあと国民が困るというような状況になってきているとは思います。

はたから見ている分は社会実験としては面白いので、どうなるか見守っていきたいとは思います。