損切りと狼狽売りの違い【米国株暴落時の注意点】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨夜はまた一段と落ちました。
S&P500は長い上ヒゲをつけての下落です。前日比-0.72%で、売り圧力はかなり強いですね。
一時上がったものの、引けにかけてかなり落ちた形になります。
明日10日は米CPI(消費者物価指数)の発表なので、いったんポジションの整理をしたいというのもあるでしょう。
Nasdaqのほうも売り圧力の押されての長い上ひげで、前日比-0.28%です。
Q太郎も先月後半から、だいぶポジションを整理して、キャッシュポジションを増やしました。コ
カ・コーラ、マクドナルド、P&G、ファイザーなど、個別株の大半は売却しました。
コカ・コーラは昨日大きな陰線を付けての下落だったので、タイミングがよかったかと思います。原料高は小売りへ影響が大きくなりますしね。
コカ・コーラもマクドナルドも悪い株ではないので、ボラティリティが低くなったときにまた拾い直そうと思います。
いろいろ売ったおかげで、トレードでの利益はかなり出ている状況です。
市場のボラティリティが高すぎるので、キャッシュポジションを厚くしていく方向にしています。キャッシュポジションの使い方についてはこの記事を参照してください。
連日の大きな下げが続いていますが、今回は手持ちの株を売っていいのかどうかという話。いわゆる損切りとろうばい売りの違いについてを説明します。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
損切りと狼狽売り
話を戻しまして、損切りとろうばい売りですが、これは明確に分けておいたほうがいいでしょう。
損切りとは?
まず損切りについてです。
損切りというのは、自分が想定したシナリオどおりにいかなかったときに、株を処分することです。
短期投資では、たとえば上がると思って買った株が、その後下がり続けてしまったとしたら、それは当てが外れたということなので、さっさと処分してしまったほうがいいでしょう。
ここで長期投資に切り替えるということは絶対にしないでください。
すでに自分の想定したシナリオと別のことを始めているからです。
長期投資の場合は、長期的なシナリオが崩れた場合ですね。
たとえば全米や全世界に積み立て投資をするのは、2050年まで人口とGDPが増えるというシナリオがあるからです。
仮に核戦争とかがあって人口が減ってしまったらシナリオが崩れますので、このときは売って別の戦略を立てたほうがいいでしょう。
そもそも株をやっているばあいではないとは思いますが。
先月、Q太郎がコカコーラやマクドナルドなど個別株を売却した理由は、原料高で小売りが今後厳しくなるというシナリオと、アセットアロケーション全体のボラティリティが上がり過ぎていることが挙げられます。値段で売ったり買ったりは決めていません。
自分がどんなシナリオで買ったのか、それをもう一度よく考えてみてください。
VTIやVOOへの長期投資なら、当然人口が激減しないかぎりは、2050年までは積み立てても大丈夫でしょう。
短期投資の損切り
短期投資のばあいは、想定が狂ったら、さっさと売却してください。
たとえばいま石油関連の銘柄を買ったとします。いまこの状況で買うということは、短期的な利ザヤを稼ぎたいためですよね。
それで買ったあとに5%とか10%とか下落して、トレンドラインを下に突っ切ってしまったら、それはもう上がるという想定から外れてしまったわけです。
そうなればさっさと損切りして、その資金を別の銘柄に移したほうがいいでしょう。長期投資に切り替えるべきではありません。
それと短期投資の損切りについてですが、Q太郎のばあいですが、「5%以下になったら切る」みたいな数字的な切り方はしません。
たとえば50日移動平均線や200日移動平均を下に突っ切ったばあいとか、底値ラインになっていたところを割ったときですね。
もしくは今回のウクライナ侵攻のような、突発的なイベントがあった場合です。
自分がどういうシナリオで買っているのか、それをもう一度よく考えてから、売却するかどうかを決めてください。
全米や全世界への長期投資なら、当然売却する必要はありません。
長期投資の注意点
長期投資で一番よくないのが、
「いったん資金を引き揚げて、底値でまた買い直す」
というものです。
長期積み立て投資で、これは絶対にやってはいけません。
誰も底なんてわかりませんので、淡々と積み立てるのが一番です。
そもそも底がわかるのであれば大金持ちになれます。
それに10年後とか20年後には、いまの株価なんてどうでもよくなっているような状況です。
これはS&P500ETFのSPYの株価ですが、ITバブルの高値も、リーマンショック時の高値も、いまから見れば誤差レベルです。
この頂点で買おうが、底値で買おうが、いまから見ればどうでもいいですよね。
そういうわけで、長期投資で「いったん売って、底値で買う」という考えは決して持たないようにして、淡々と積み上げてください。積み立て設定したら、放っておくのが一番です。年に1回見れば十分でしょう。
損切りしたあとに株価が上がったら?
それと「損切りしたあとに株価が上がったらどうするのか」という問題ですが、そんなことはよくあります。
そもそも株価の動きは上がるか下がるかだけなので、損切りしたあとに上がっても当たり前なのです。
ただ自分のシナリオから外れた場合、それはもう撤退するべき時期なので、そのあとに上がろうが下がろうが関係ありません。淡々と損切りしてください。
損切りしたあとに上がるとか、普通によくありますので、それを恐れるべきではありません。
狼狽売りとは?
次にろうばい売りですが、これは損切りとはまったく逆で、自分で立てたシナリオを無視して、そのときの状況で売ってしまうことです。
たとえば長期投資をしているのに、株価が落ちているというだけの理由で株を手放してしまうことです。
想定していたシナリオが崩れたら、どんな状況でも手放すべきです。しかし株価を理由に売るのは控えるべきです。
あくまでシナリオから外れたかどうかの問題ですね。
まとめとQ太郎の見解
まとめると、損切りは、シナリオ通りにならなかったときに、すみやかに処分することです。
処分後に上がることもありますが、そもそもシナリオから外れた以上、見立てとは違うので、さっさと処分するべきです。
狼狽売りは、シナリオを無視して、株価やそのときの状況だけで売ってしまうことです。
長期投資なのに、いったん売って、底値で買い直すといった考えですね。
そもそも底値なんてわかりませんし、10年後、20年後から見れば、いまの株価とかどうでもいいレベルになっているかと思います。
そんなわけで、あくまで自分の決めたシナリオにはずれたかどうかで、損切りを決めてください。
長期投資は淡々と積み立てて、底値で拾うとかいう色気は出さないでください。そもそもそんなシナリオは、買った当初にはなかったはずです。
逆に言えば、買うときにいつ売るかは決めておくのがいいでしょう。