【新NISA】やってはいけない投資=ギャンブルになる行動とは?

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は投資とギャンブルの違いについてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
投資とギャンブル
こんなご質問をいただきました。
「投資とギャンブルの違いについてですが、株式は価値を生み出しますが、ビットコインなど仮想通貨や金などは価値を生み出さないので投資というよりギャンブルの方向ではないでしょうか?
またレバレッジ投資や信用取引もギャンブルと言っていいのではないでしょうか? 投資ではなくギャンブルになる行動について、どうお考えですか?」
とのことです。
投資とギャンブルの違いについてですが、このことについてはいろいろな意見がありますが、先月に出版された『お金の不安という幻想』という本でうまくまとめています。
結構面白い本なので、この本自体の要約や紹介もいずれやろうと思います。
この本で書かれている投資とは何かについてですが、まず株式投資の利益には2種類あると言います。2種類あるというか、2種類しかないと著者は言い切ってますね。
一つが企業の財布から出てくる利益です。企業がお金を稼いで、その利益の一部を配当として還元したりすることですね。企業が社会に新しい価値を生み出すことにより、企業自体が株と一緒に成長していくというものです。これがあることによって、株式はゼロサムゲームにならずに、投資した全員が勝つことができるということもあるわけです。
もう一つが他の株主の財布です。株式のもう一つの側面として、企業が実際に価値を生まなくても、その株が噂とか期待感とかから上がっていくというパターンがあります。それで実際企業はなんの売り上げも出していないみたいな仕手株的なパターンはよくありますね。
つまりこれは企業が生んだ価値ではなくて、新しく買ってくれた人が生んだ価値なのですね。はやく買った人が、遅れて買った他人に高く売りつけることによって、利益を得るというものです。投資というか投機です。
ゴールドとかビットコインは、それ自体は価値を生み出すことはないので、このタイプになります。これが過剰になっていくと、最後に買った人が一番損をするというチキンレース的な形になっていきます。どこかの段階で誰も買う人がいなくなり、一気に崩れてしまうというものです。
さらにこれを複合したケースとして、企業が未来に生み出す価値で利益を出すというものです。たとえばトヨタが電気自動車開発に乗り出したというニュースがあったときに、株価がバッと上がることがありますが、これは他人の財布によって値上がりしている一方、企業が未来に生み出す価値による値上がりとも言えます。
それで企業の財布から来るお金というのは、企業が世の中の役に立ったことで得られた報酬なので、これは正常な投資と言えると著者は言います。
さらにわかりやすく言えば、株式の利益というのは、
・誰かの役に立ったことに対する報酬。
・他の投資家をあてにしたお金。
の2種類に分けられ、この2つを見分けることが投資かギャンブルかを見極める鍵になるといいます。
「誰かの役に立った報酬」に対する投資は、世の中を良くしていくことにもつながるので、これは健全な投資といえます。
一方で、利益の大部分が「他の投資家をあてにしたお金」であれば、新しい価値を生み出しているわけではないので、これはたんに投資家同士でお金の奪い合いをしているのに近いとも言えます。こうした投資はギャンブル要素が強くなります。
例えば株式でなく、不動産で当てはめてみましょう。
不動産を買って、家賃収入を受け取る形の投資を考えてみます。これは生活者に居場所という価値を提供していますので、社会的に健全な投資とも言えます。
一方で、将来の値上がりを期待して不動産を買った場合、これは将来誰かが今よりも高く買ってくれることに賭けているわけで、ギャンブル性が強いといえます。
銀行預金で考えてみると、預けたお金は銀行が他の人に貸し出し、融資された人たちが社会に価値を生み出しますので、これは健全な投資と言えます。なんかお金を使わないと経済が回らないという人がいますが、お金を銀行に預けていれば、銀行が預けたお金を経済をまわすのにつかってくれているので、変な無駄遣いするよりは全然経済を回しています。
次に暗号資産やFXはどうかと言えば、これは自分が買った値段より他の投資家が高く買ってくれることに依存することになります。新しい価値を生み出しているわけではないので、ギャンブル要素が高いと言えます。
それで健全な投資か、それともギャンブルかを考えると、「その利益は誰の役に立った報酬なのか」という単純な問いで分類できるという話です。
この問いにうまく答えられない商品や、自分自身がそういうサービスを使いたくないものに対して投資するのは気を付けた方が良いという話ですね。
値上がり益ばかりを強調する投資は、「自分より高く買ってくれる誰か」が存在しないかぎりは成立しないわけで、短期で1億円儲けたみたいな話には注意が必要なわけです。
こういう他人の財布をあてにする戦いというのは、言い換えれば、あなたの財布も他人に狙われているということにもなります。仮想通貨やFXなんかも、そういう取ったり取られたりの世界なわけですね。
それで投資をするときは「自分はギャンブルをしたいのか、健全な投資をしたいのか」をよく考えて、投資先を決めた方がいいわけです。
ギャンブル的な投資を一概に否定する気はありませんが、ただそういう投資と健全な投資をまぜこぜにするのは危険という話です。
それで前回の動画でも述べた、「〇年で1億円稼いだ」みたいな短期投資の成功例も、これは他人の財布をあてにしての成功である場合もあり、もちろん他人の財布を狙っているのであれば、他人からもあなたの財布は狙われているわけで、高値掴みさせられる可能性もあるわけです。
こういう取ったり取られたりの戦いというのをしたくなければ、世の中に価値を生み出している企業に長期投資をしていくのがいいとは思います。それか、インデックスで企業まとめ買いでもいいですね。
まとめ
そんなわけでまとめると、
投資には
・誰かの役に立ったことに対する報酬(企業の財布からの報酬)。
・他の投資家をあてにしたお金(他人の財布からの報酬)。
の2種類があり、多くはこれらが混ざった状態である。
・後者の割合が大きい投資はギャンブル性が高いと言える。
・健全な投資かギャンブルかは、「その利益は誰の役に立った報酬なのか」という単純な問いで分類できる。
・銀行預金は、銀行が企業に貸し出して価値を生んでくれる。(そのため、お金を使っていなくても銀行に預ければ経済を回していることになるのですね。)
・不動産は、家賃収入狙いならば生活者への価値提供、将来の値上がり狙いなら他人の財布をあてにしているため、ギャンブル性が高いと言える。
・暗号資産、FXは他人の財布からの報酬なのでギャンブル性が高いと言える。
・値上がり益ばかりを強調する投資は、「自分より高く買ってくれる誰か」が存在しないかぎりは成立しないので注意が必要。
・あなたが他人の財布をあてにした投資をしているとき、他人もあなたの財布をあてにした投資をしている(ギャンブルとはそういう世界です)。
・投資をするときは「自分はギャンブルをしたいのか、健全な投資をしたいのか」をよく考える。
となります。
そんなわけで、FXや仮想通貨など、他人の財布をあてにした投資は、自分の財布も狙われていることはちゃんと理解しておいた方が良いとは思います。
できればただ単に「値上がりしそうだから」という他人の財布に頼った投資ではなく、自分の応援したい企業とかに投資していくのが健全でいいとは思いますね。
企業はよくわからないという人は、銀行預金したり、インデックスで企業まとめ買いしたりでもいいとは思います。
そんなわけで数年で何倍みたいな、他人の財布をあてにしたうまい話というのは、多くの場合、自分の財布が狙われているわけなので、注意した方が良いでしょう。















