【新NISA】「eMAXIS Slim 全米株式」の1%取り崩し投資ー楽天VYMの問題点についても

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zenbei torikuzushi

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は前回の動画で述べていた楽天VYMの問題と、代わりに来年から「eMAXIS Slim 全米株式」の1%取り崩しにしようという話です。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

「eMAXIS Slim 全米株式」の1%取り崩し

さて、現在新NISAでは4本の投資信託に投資しています。

eMAXIS Slim S&P500(毎月1%):60万円分
eMAXIS Slimオルカン(毎月0.3%):60万円分

ニッセイNASDAQ100(毎月1%):60万円分
楽天VYM(毎月0.7%):60万円分

それで来年からオルカンではなく、楽天SCHDを積み立てるという変更をしました。積立での楽天ポイントが欲しいという理由ですが、楽天証券では自動積み立てと自動売却は同時にできないため、オルカンを積み立てつつ取り崩しをおこなえないので、代わりに楽天SCHDを積み立てつつ分配金をもらうという形で積み立てと取り崩しを同時におこなうという話です。

楽天VYMの問題

それで前日パフォーマンスの見直しを行ったのですが、楽天VYMがけっこう問題ありでした。

楽天VYMの今年の取り崩し投資のパフォーマンスですが、以前の動画で発表した内容だと、

4:楽天VYM(毎月0.7%)

分配金合計:56,089
分配金利回り:9.3%

元本部分:60万円→70万2,262円
トータルリターン:+15万8,351円(+26.4%
(S&P500(毎月1%)+33.3%)

となり、結果としてはそんなに悪くはなかったのですが、今年は上昇相場ということもあってそれぐらい上がるよねみたいな感じでした。ただ4本の投資信託の中では最下位のパフォーマンスで、オルカンにも抜かれています。

ボラティリティが小さければべつにパフォーマンスが低くてもかまわないのですが、問題はここ5年間のパフォーマンスです。
     年率  ばらつき
楽天VYM 17.09%  20.31%
S&P500  22.69%  21.06%

eMAXIS SlimのS&P500投資信託との5年間のパフォーマンス比較ですが、これかなりひどくないですか?

年率で5.6%もの違いがあるのに、ばらつきは0.75%しか違いがありません。ようするにS&P500に近いボラティリティを持っているのに、リターンが低いということです。

さすがにこれは商品としてどうなのかという感じです。

ボラティリティが低いのでしたらリターンが低くてもべつにかまわないのですが、ボラティリティがおなじぐらいでリターンは低いですだったら、もはや意味がわかりません。おなじリスクだったら、どう考えてもリターンのいいS&P500を買った方が合理的です。

それで実際のVYMと楽天VYMでどれぐらい差があるのかというと、5年でのトラッキングエラーが9.88%と、ほぼ1割違うのですね。もうべつもんやんこれという感じなので、もうこれにこれ以上投資し続ける意味があるのかという感じになってきました。

しかも信託報酬は0.192%と全然変化ありませんし、やる気が全然感じられません。たぶんたいして売れなくなっているので、中の人もやる気をなくして適当に現状維持でいいやみたいな感じになっている気がします。いまはいろいろといい商品がありますしね。しかも高配当系なのに分配金出ませんし、商品コンセプトとしてどうなんだという部分もあります。

そんなわけで、あきらかにやる気を失った投資信託に資金をつぎ込むのは、ゾンビ企業延命のために助成金を入れているようなもので、市場原理としてはあまり好ましい行動ではないため、来年の新NISAでは入れ替えようと思います。楽天も新しく出したS&P500とかオルカンとかSCHDの方に力を入れて、もう過去の投資信託は改善する気もなさそうですし、どうでもいい感じにはなっていますね。

それで入れ替え先ですが、できるだけ頑張っている投資信託にお金を入れたいというのがあります。やる気のある投資信託ですね。

なんか投資家では「中国が嫌いでも投資の世界では関係ない。中国を買え」みたいな人がいますが、行動原理が完全にお金だけになっているので、個人的にはこういう考えはあまり好きではありません。テスラがいくら儲かっていようが、イーロンマスクがなんか好きになれないのでテスラ株を買う気はありませんし、アップルもスティーブジョブズがどうかと思うのでApple株も買う気はありません。

あくまで自分のお金は心地よいところに送り込みたいわけです。Q太郎的には儲けやトータルリターン以上にこっちのほうが大切だと思っています。

それで今回楽天VYMの代わりとして選んだのが、「eMAXIS Slim 全米株式」です。全米株式というのは、ようするにVTIですね。S&P500は大企業だけですが、VTIは中小を含むほぼすべての企業に投資します。オルカンのアメリカ版だと思っておけばいいでしょう。

中小企業が混ざるので、ボラティリティはS&P500よりちょっと高くなります。ただ時価総額加重型で、中小企業の影響は小さいため、パフォーマンス自体はS&P500とそこまで大きく違いはありません。S&P500にちょっと毛が生えた感じだと考えていただければいいでしょう。

それでこれがどうして頑張っているかといえば、経費率の安さです。

アメリカだとVTIはメジャーですが、日本だとそこまでメジャーでもないにもかかわらず、0.09372%というかなり頑張った経費率を打ち出しています。eMAXIS SlimのS&P500と同額ですね。けっこう赤字覚悟なんじゃないかとは思います。

それでこんなに頑張っているにもかかわらず、純資産総額は165億円と主要インデックスにしては低めです。iFreeNEXT のFANG+が経費率0.7755%とかなり高めなのに純資産総額が4122億円ということを考えると、ちょっとこれはどうなんだという感じがします。

アメリカのメインストリームであるVTIを日本に安く提供してくれているので、つぶれてほしくないというのもあり、応援する気持ちも込めて来年から新NISAで年初一括60万円を投資し、2月以降から1%取り崩しを行っていきます。1%なのは、S&P500でも1%で問題なかったからです。VTIで取り崩しをしたらどうなるかのデータにもなりますし、来年からはじめたいと思います。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・楽天VYMはS&P500と同等のリスクにもかかわらず、リターンはS&P500よりもだいぶ低い。経費率の改善もなく、トラッキングエラーは約10%でやる気を感じられない。

・「eMAXIS Slim 全米株式」はVTIを0.09372%という低い経費率で提供してくれおり、かなり頑張っている。純資産総額は165億円と多くはないが、つぶれてほしくないので応援の意味も込めて来年から年初一括投資。

・投資はお金よりも、投資先に心地よく自分のお金を送り出せるかどうかの方が重要。

となります。

そんなわけで、VTIを頑張って安く提供してくれている「eMAXIS Slim 全米株式」に来年から投資していきたいと思います。

それと「S&P500ゴールドプラス」ことゴルプラで取り崩し投資をしないのかとか、「FANG+で取り崩し投資をする場合は何パーセントで崩せばいいのか」みたいな質問がいくつか寄せられていますが、これについてはまた次回以降に述べていきたいと思います。