暴落局面でも上がる米国ETF8選
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
ロシアの原発占拠やインフレ懸念で昨夜は大きく落ちましたね。リセッションを見越して、幅広く売られている状況です。
S&P500とナスダックを見ていきましょう。
S&P500は前日比-2.95%です。前回の大きな下げとの違いは、今回は陰線での下げなのでさらに下げが続く可能性があります。
NASDAQのほうも大陰線。前日比-3.62%と大きな下げになっています。
出来高を伴った下げなので、注意が必要になります。
我らがタコアシETFのQYLDも前日比-2.56%の大陰線になっています。
20ドルラインで買いが多く入っているので、今後これが大きな売り圧力になりそうですね。
しかしウクライナ問題で物価上昇は続いていますし、利上げをおこなわないと本格的なインフレ突入になる可能性もあります。
一方で、利上げをおこなうことでリセッション(景気後退)に陥る可能性もあります。
景気が停滞しているにもかかわらず、インフレがどんどん進むと、スタグフレーションという最悪な状況になります。
わかりやすくいうと、給料も上がらないのに、物価だけがひたすら上がっていく状況ですね。
「景気悪化すれば、みんな買い控えるから、インフレもおさまるんじゃね? だったら利上げしなくてもよくね?」
という人もいますが、石油や小麦など生活必需品は買わざるを得ないので、利上げもせずに勝手におさまると考えるのは楽観的すぎるかなとは思います。
そんなわけで、こんな状況でも上がっている米国株・ETFを紹介していきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
暴落局面で上がるETF8選
HDV
トップバッターは、ディフェンスに定評のある高配当ETFのHDVです。前日比は-0.67 %と踏みとどまりました。年初来で+4.04%です。順調な右肩上がりを続けて、最高値を更新していますね。チャートもきれいな波を打つ堅調な上昇トレンドです。
HDVは日用品とエネルギーセクターがともに20%ほどを占めていますので、インフレ懸念で上がりやすくなっていますね。
ただ上がり過ぎているため、高配当ETFとしてのうまみは少なくなっています。
VPU
2番目は公共事業セクターETFのVPUです。
年初からずっと下がり続けていましたが、ウクライナ侵攻後から反転しての、連日の上げです。
ネクステラエナジーやデュークエナジーなど、エネルギーセクターが多いので、時流に乗った上げですね。
分配金も3%ほどあって悪くないので、Q太郎も買っています。けっこう利が乗っているので、時期を見て売ろうかなと思っています。
エネルギーは梯子をはずされたとたんにズドンがきますしね。
VDE
3番目は、鉄板のエネルギーセクターETFのVDEです。
年始から順調な右肩上がりで、年初来32.81%です。昨日も上がって、前日比+1.58%でした。
ウクライナ問題が何とかならない限りは上がり続けそうですが、解決のきざしが見えたとたんにズドンが来る可能性は高いですね。
Q太郎は以前買っていましたが、もうすでに売り払いました。詳しくは以下の記事を参照してください。あんまり高ボラティリティの銘柄持ちたくないんですよね。見張るのが面倒ですし。
GLD
4番目は、インフレ懸念で上がり続けているゴールドETFのGLDです。前日比+1.49%、年初来で10.74%の上げですね。
ゴールド投資はもうかりませんが、資産の価値の保全という意味では悪くないので、資産の多い人は少し投資しておくといいかもしれません。
GLDを買いやすくしたGLDMというのもあります。楽天証券だと取引手数料が無料になっていますね。詳しくはこちらの記事を参照してください。
GDX
5番目は、ゴールド高騰に乗っかって上がっている金鉱株ETFのGDXです。前日比で+2.56 %と、この状況でも大きく上げています。
金鉱株はゴールドと違って、投機的な側面が強いですね。短期投資向きのETFとは思います。
Q太郎も以前ちょっと買っていましたが、ボラティリティが大きくてQ太郎向きではなかったので売りました。
いちおう分配金も出ますが、本当にちょっとだけです。
DBC
6番目は、コモディティETFのDBCです。
こちらも年初から順調に上がっていますね。前日比+2.18%、年初来で32.31%の上げになっています。
出来高も伴ってあげているという、きれいな上昇になっていますね。
経費率は0.82%とくそ高いですが、短期でうまくうねりを取りにいける人にはいいとは思います。
TIP
7番目は米国物価連動国債 ETFのTIPです。
債券ETFなので普段はボラティリティも小さいのですが、年初から利上げ予測で下げて、さらにインフレ懸念で2月半ばから上げてきましたね。
分配金が4.85%とけっこう多いので、Q太郎も少し買っています。
ただ利上げも控えているので、今は難しい時期だとは思いますね。
DBA
8番目は農業ファンドETFのDBAです。
インフレ懸念でこちらも普段見られないような出来高で上げていますね。前日比+1.79%、年初来で+13.01%です。
これも経費率が0.86%と高めなので、短期でうねりを取る形での投資がいいとは思います。
長期的には右肩下がりの銘柄です。
まとめとQ太郎の見解
この時期にあげているものは投機的な側面もあるので、注意が必要です。
とくに金鉱株はゴールドと違って、ボラティリティがかなり高いので注意したほうがいいでしょう。
Q太郎的には、あくまで短期取引で投資するものだと思っています。
エネルギー関係も戦争特需的なところがあるので、いつ梯子をはずされるかわかりません。短期取引でしたら逃げ場も合わせて考えておいたほうがいいでしょう。
HDVは堅実に上がっていますが、アクティブ投資の側面があるので、今後おなじようなパフォーマンスを保てるかは不明です。
それとディフェンス銘柄中心ですが、じつはVYMに比べてボラティリティが高いということにも注意したほうがいいでしょう。
セクターに偏りがあるので、どうしても景気サイクルの影響は受けてしまいます。今は時流に乗っていますが、長期的にはやはり分散のきいたVYMのほうが安定感があるとは思います。
今後の大イベントですが、やはり今週10日におこなわれる消費者物価指数(CPI)の発表ですね。
ウクライナ侵攻後に利上げがどうなるのかの判断材料にもなりますので、多くの投資家が関心を集めている一大イベントかと思います。
CPIの2月の予想中央値ですが、前年同月比7.9%上昇という、かなりヤバイ数字が出ています。
1月が7.5%だったので、それを超えていますね。1982年初頭以降で最大の上昇率ともいわれています。本格的にヤバいのではないかという気がしてきました。
少なくともグロースの多いNasdaqにはダメージが大きいですね。QQQ、QYLDへのダメージもさらに大きいものになる可能性があります。
日本のほうも日本のほうで、日経平均が2万5000円を割れてしまいました。「遠くの戦争は買い」が通じない状況になってきた感じですね。
ガソリン価格もバンバン上がっていきますし、ニッケル相場も急騰しまくっています。これで中国が台湾侵攻に動くと半導体不足がさらに加速して、経済がどんどん悪化する一方だとは思います。アメリカではすでに電気代が高騰して2倍ぐらいになっているみたいですしね。
このインフレで給料上がりませんみたいな状況だと、スタグフレーションまっしぐらです。
ウクライナ問題はなんとか早く解決してもらいたいものです。
もし楽天ポイントが余っていましたら、楽天の「ウクライナ人道危機緊急支援募金」へ募金するのもいいかと。「ウクライナ 楽天」で検索していただければと思います。