米雇用統計好調で米国株暴落の懸念もードル円・債券金利急上昇【米国株投資】

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koyou toukei

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

今回は棒人間バージョンでお送りします。

米国市場は棒人間、日本市場はお化けバージョンで使い分けるというのもいいかなという気がしてきました。

アメリカはリアリティを好み、日本は可愛いを好むともいいます。

rockman

ゲームも北米版のパッケージイラストがリアルだったりしますしね。ロックマン2も、海外だとロックバスターではなく拳銃持ってますしね。

さて、アメリカの雇用統計が発表され、市場予想の2倍を超える増加となりました。

リセッション懸念がやわらぐと、米金融当局による積極的な利上げの懸念が出てきます。

最近の株価上昇は、リセッション懸念からの、次回9月の利上げを0.5%で織り込んでいるからと言われていますが、それが0.75%になると問題が出てきます。金利上昇は株価下落にもつながりますしね。

今回は米国の雇用統計と、それに伴っての賃金インフレ、金利上昇、株価暴落懸念の話題です。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

アメリカ 7月雇用統計

さて、発表されたアメリカの7月雇用統計です。

非農業部門雇用者数は前月比で52万8000人の大幅増加となりました。

市場予想が25万人なので、予想の2倍の雇用者数となっていますね。

この就業者数は、コロナ前の水準にまで回復したことになります。

失業率のほうも3.5%に低下し、市場予想の3.6%を上回りました。上回ったというか下回ったですね。失業率なので低い方がいいですね。

雇用がいいのは悪いことではないのですが、次の9月にFRB(米連邦準備理事会)が積極的な利上げをする理由を与えることにもなるため、株式市場にとってはあまりよろしくない状況です。

とくに金利で大きく動くNASDAQのグロース銘柄にはダメージが大きくなる可能性があります。

現在の株高は、次回以降、利上げの手を緩めるという期待から上がっていますので、その前提が崩れると一気にズドンする可能性もあります。

現在、多くのエコノミストが「FRBが来月も大幅利上げを継続する公算が大きい」とのコメントをしています。

現在の株価は、9月の利上げを0.5%で織り込んでいる可能性が大きいため、それが0.75%やそれ以上になると、普通に考えて株価は落ちることになります。

賃金インフレ

それと企業収益によろしくないもう一つの問題として、賃金インフレがあります。

FRBは、実のところは求人数の増加を歓迎してはいません。

多くの企業が求人を増やしているということは、賃金を上げて労働者を取り合いするということにもなります。

賃金が上がるということは、物価も上がります。

アメリカは賃金や原材料費が上がれば、当然商品価格に転嫁されます。

そのため賃上げは物価上昇につながってしまい、FRBのめざす物価の安定につながらないことになります。

賃金インフレが起これば、当然FRBは積極的な利上げをしなくてはならなくなります。積極的な利上げは本格的なリセッションにもつながりますので、できればやりたくないのですね。

利上げのペースをおさえるためには、FRBとしては求人数減少と失業率アップがのぞましいわけです。つまり、今回は52万8000人ではなく、予想の25万人のほうが都合がよかったのですね。予想通りのほうが、FRBとしては助かったのです。

ちなみにアメリカ最大手の小売業・ウォルマートのトラック運転手の現在の給料ですが、初任給で11万ドルと言われています。日本円で1500万円ですね。初任給で1500万円ももらえる企業は、日本ではほとんどお目にかかれませんね。

この莫大な賃金が、そのまま商品価格にのっかってくるわけなので、当然インフレ上昇が止まらなくなるわけです。

そうなるとFRBはひたすら積極的な利上げをするしかなくなります。金利が上がると、株価も下がる結果になります。

積極的な利上げは米経済をハードランディングさせてしまう可能性があります。

「賃金アップ→インフレ上昇→金利上昇→株価下落→経済悪化→インフレは収まっていないのでさらに利上げ→さらに経済悪化」で、経済が悪いのにインフレだけが進むというスタグフレーション状態に陥る危険もあります。

債券、円安

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今回の雇用統計を受けて、債券利回りが上昇。10年債は0.1%ほど、2年債は0.2%ほど一気に上がっていますね。逆イールドがどんどん広がってしまっています。

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ドル円も一気に上昇して、135円台になりました。ここ最近のドル円のボラティリティは本当にすさまじいものがあります。

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そんなわけで、現在の株価が次回0.5%のマイルドな利上げを織り込んでの上げであれば、来月の金利次第では、株価下落の可能性もあります。

ちなみに市場予想ですが、現在は0.75%の利上げ予想が0.5%を上回る状況になっています。利上げの最終地点も3.6%超になっていますね。金利が高いと株を買うより銀行預けたほうが安全なので、株価も落ちていくことになります。

株価下落リスクが高まっているため、9月の利上げ発表までは無理な投資は避けたほうがいいかもしれませんね。