中国iPhone工場から労働者多数脱出ーアップルの現状と今後【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
前回はアップルのまあまあよかった決算についての話でしたが、世界最大のiphone工場である中国河南省鄭州工場で、新型コロナウイルス対策をめぐって多くの労働者が脱出しているとのニュースがありました。
今回はiphone中国工場の現状と今後、アップルへの影響についてです。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
中国iPhone工場の現状
さて、アップルの決算を受けて、先週末に株価は前日比で+7.56%と大きく上がりました。アップルの決算については前回を参照してください。
アップルの上昇に引っ張られる形で、NASDAQは+2.87%、S&P500も+2.46%と上がり、週末はプラスで引けました。
今週からはFOMCなどイベント目白押しなので、また大きな株価変動がありそうです。
そんな中、世界最大のiphone工場である河南省鄭州市のフォックスコン工場では、新型コロナウイルス対策をめぐって多くの労働者が脱出しているとのニュースがありました。
もともとフォックスコン(富士康科技集団)工場は、コロナ以前からいろいろヤバイことで知られていましたが、今回もコロナ対策で工場と寮の行き来しか許されないような状況になり、出稼ぎ労働者の地元への脱出が相次いでいます。
ちなみにフォックスコン工場がどれだけの規模かというと、ピーク時では35万人という従業員を抱えていました。現在も20万人ほどの労働者が従事しています。
フォックスコン工場はコロナ以前から、1カ月で13人など異常なまでのペースで飛び降り自殺があったり、労働者への暴行があったりなど、いろいろとアレなことで有名な工場で、常に人手不足で見舞われています。
その人手不足を補うために、鄭州市内のあちこちに、フォックスコン就職用の店舗がタバコ屋のような気軽さで存在していたりします。
しかもフォックスコンは、中国語で書くと「富士康」だったりします。
それでフォックスコンが日本企業だと信じている中国人は結構多くて、「日本人は中国人に過酷な労働を強いていてけしからん」「日本に富士康がないのは労働基準法にひっかかるからで、そのために中国に工場をつくった」みたいな話になって、なぜか反日の火種にもされていたりします。
ちなみにフォックスコンは台湾の会社で、台湾だと鴻海(ホンハイ)といいます。シャープを買収した会社ですね。
いちおうニンテンドースイッチやプレイステーションの生産もおこなっていたり、一時期シャープと業務提携をしていたり、中国の工場は「富士康」の名前を付けているので、日本企業と勘違いされまくって、反日材料にされています。
まとめとQ太郎の見解
「富士康」の名前は、「鴻海」ブランドへの攻撃をそらすためにつけたんじゃないかという気もします。ある意味優秀なブランド名ともいえます。
ちなみに中国政府から150億円ほどの巨額の補助金を受けていて、中国工場には中国共産党支部と3万人を超える共産党員を抱えていることから、半国有企業ともいえます。
そんなわけでフォックスコンでの事件は、完全に同胞同士の事件であって日本は関係ないのですが、「富士康」という名前の影響で日本企業だと思っている中国人は少なくありません。
日本人でもこの名前を見たら日本企業だと思いますしね。
「台湾の企業」だと知っている人でも、「大株主は日本だから、台湾企業の皮をかぶった日本企業だ」との理論が当たり前のようにネット上を飛び交っています。大株主が日本だという話もどこから来たのか謎ですけどね。
まあ、ほとんどの人は流し聞きした話をそのまま信じるので、詳しく調べようと思う人はほぼいないとは思います。
そんなわけで、知らないうちに日本がヘイトを引き受けているような状況になっています。
それで今回のコロナ対策による混乱で、11月の出荷が3割ほど減る可能性があります。
そんなわけで、習近平の独裁体制が整ったことから、中国リスクは上がっている状況ですね。
アップルの今後についてですが、中国の生産リスクを分散するために、2025年までにiphone生産の25%をインドに移管する方針です。徐々に中国依存を減らす形になるとは思いますね。
その一方で、現在、インドが中国から工場を奪うために、180兆円のインフラ計画に着手しています。
中国の人件費高騰や政治リスク、ゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱などを受けて、インドが次の世界工場になる可能性が出てきていますね。インドへの投資に妙味が出てくるかもしれません。
インド株ETFのEPIについてはこちらを参照してください。