楽天SCHDは買い?【VYM、VTIとの比較も】
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は要望の多かった楽天SCHDについてです。さくっと説明していきます。
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楽天SCHD
さて、楽天SCHDについてです。
ようするに米国のETFのSCHDを買うだけのファンドですね。下手なことをしないぶん、安心感はあります。
元になるSCHDについては以前というか2年前の動画で紹介しているので、今回はさらっと要点だけおさらいしていきます。というか、動画を出してもう2年も経っていることが一番の驚きですね。
SCHDの特徴
SCHDの特徴ですが、細かいことは過去動画を観てもらうことにして、簡単にいうと「VTIを超えるリターン、かつVTIより低ボラティリティ。さらにVYM並みの高配当。長期的にはVYMを超える増配力」という、「僕の考えた最強のETF」みたいな性質をもったETFになります。十分なリターンと分配金を狙えるETFですね。
経費率も0.06%程度と、VYMとおなじレベルでお安くなっています。年間の分配金利回りはだいたい3%ちょい程度を見込んでいるので、これもVYMとおなじような感じになっています。純資産総額も、2年前は約6兆円でしたが、現在はさらに膨らんで8.4兆円ぐらいになっていますので安心感があります。
ちなみに現時点でのSCHDは83ドルほどで、今年の10月10日に1対3の分割が行われますので、低価格で買いやすいETFでもありますね。2011年のSCHDの登場時が20ドルちょいだったので、その価格に戻そう的な思惑があるとは思います。ユーザー視点で運営されている感じがよいですね。
ただ問題点として、日本の証券会社が扱っていないので、買うことができないという問題がありました。今回は投資信託を通して、間接的に投資できるようになったのですね。
SCHDが2年経ってどんな感じになったのか、VYM、VTIとトータルリターンを比較してみましたが、上昇相場で現状はVTIがちょいリードしていますね。ただ下落相場では、SCHDの優秀さが出ているとは思います。Q太郎的にはズドンからどう身を守るかのほうが重要なので、SCHDの動きの方が好ましいですね。
リスクに対するリターンの大きさであるシャープレシオを比較してみますと、
SCHD VTI VYM
Sharp 0.70 0.72 0.62
Sortino 1.14 1.10 0.96
現時点ではSCHDが0.70に対して、VTIが0.72とわずかにリードしています。ただ下落耐性の強さをあらわすソルティノレシオはSCHDが1.14に対して、VTIが1.10と、こちらはSCHDがリードしています。ズドンに対してはSCHDの方が強さがありますね。
現在のSCHDのセクター比率を見てみますと、1位金融、2位ヘルスケア、3位生活必需品となっていて、テクノロジーは少なめです。高配当系なので金融の割合は多いですが、2位・3位を大きく引き離しているような、大きく偏っている状況ではありませんね。バランスはいいと思います。
ついでにVYMのセクター比率を見ていくと、1位金融、2位生活必需品、3位テクノロジーと、SCHDと違ってテクノロジーがけっこう多めです。一方でヘルスケアは4位ですね。VYMで気になるのは、やはり金融が突出していることでしょう。SPYDもそうですが、高配当ETFは金融で配当金を稼ぐというスタイルになりがちなので、セクターバランスが金融に偏ってしまう傾向がありますね。
昔はVYMももう少しバランスのいい形だったのですが、何か近年は金融がとがってきてしまっています。
ただ分散で考えると、SCHDはおよそ100銘柄に対して、VYMは約400銘柄なので、分散を考えるとVYMの方がいいという人もいるでしょう。ちなみにVTIは約3900銘柄ぐらいあるので、米国株の分散としては最強ですね。分散だけで考えればVTI一択とは思います。
配当金の伸び率を見ていきますと、青がVYM、緑がSCHD、灰色っぽいのがVTIで、最初はVYMが優勢だったのが、どんどんSCHD優勢になっていきます。これはSCHDの増配率が高いということです。トータルリターンの強さ+増配力で考えれば、VYMよりSCHDの方が好ましい結果になっています。
楽天SCHDのメリット・デメリット
さて、次に楽天SCHDを見ていきましょう。
始まったばかりなのでどれぐらい資金が集まるかとか、トラッキングエラーがどれだけなのかとか、細かいところはわかりようがありませんが、現時点での予想経費率は0.192%程度が見込まれています。0.2%ぐらいで考えておいた方が良いでしょう。
元のSCHDが0.06%ぐらいなので、そこそこ上乗せされていますね。「SCHD買うだけファンドなのに取りすぎじゃね?」とは思いますが、中抜きは日本の誇る伝統芸能ですし、むしろ「日本企業がこれぐらいで済ませてやっているんだから感謝しろ」とまで言われそうなので、まあ良心的なレベルとは思います。
楽天VYMも似たような感じの経費率なので、楽天VYMに合わせた感じがありますね。
とりあえず現時点では、予想経費率以外は未知数な部分が多いので、今後どうなるかといったところです。
分配金ですが年4回(2・5・8・11月)なので、新NISAで購入することができます。配当金が欲しい人はこれを狙ってみてもいいでしょう。楽天VYMの方は配当が自動再投資なので「意味ねー」と思っていた人は乗り換えもありなんじゃないかなとは思います。
メリット・デメリットを見ていきますと、メリットその1はやはり日本からSCHDが買えるということですね。この投資信託で、現時点で言える唯一のメリットはこれです。どんだけトラッキングエラーがあるかはわかりませんが、とりあえずSCHDが欲しいという方はこれを買うしかありません。ここがこの投資信託の唯一無二の部分です。
メリットその2ですが、外国税の処理が内部でされるので、二重課税にならないことです。分配金を投資戦略の中心に持ってきている人にとってはちょっとお得感はあります。ただこういうのも、投資信託の経費率とどっちが高いかみたいなのもありますね。まあ、日本からSCHDが買えない以上、現時点では本投資信託を買うしかありません。
メリットその3は、やはり年4回の分配金です。分配金を投資の中心に据えたい人にはよい投資信託でしょう。日本の毎月分配型という名のたこ足配当投資信託とは違いますしね。現在のところ、見込み年間配当が3%ちょいほどぐらいになるとは思います。
次にデメリットですが、デメリットその1はいろいろと未知数です。SCHDを買うだけファンドなのでそうそう悪いことにはならないとは思いますが、資金がどれだけ集まるのか、トラッキングエラーがどれぐらいなのかとか、いつまで運営が続くのかとか、そういうことですね。早期償還になると、次の投資先を考えなければいけないのなどいろいろと面倒です。
デメリットその2は、経費率と隠れコストです。現時点ではだいたい0.2%ぐらいで楽天VYMとおなじ感じにはなっていますが、こういうのはフタを開けないとどうなるかはわかりません。
まあ、でも日本の投資信託の中では、この経費率は安い方なので、許容範囲内かなとは思います。昔は経費率1%でも安い方、投資信託買っただけで手数料5%、経費率3%みたいなのもまかり通っていた時代がありましたしね。100万円買っただけでいきなり5万円取られる上に、毎年3万円ほど削られていくわけです。それで解約したい場合も、解約手数料で5%払ってくださいという感じで、年利何パーで回せば利益出るねんて話です。
そんなのに比べれば、いまの環境は天国のようなものです。0.何パーセントの違いの言い合いなんて、昔の日本では考えられませんでしたしね。
デメリットその3は、トータルリターン的にはVTIやVOOとさほど変わらないので、トータルリターンを重視する人は、経費率の安いS&P500系の投資信託を買った方が合理的とは思います。資産を膨らましたいという方はスタンダードなインデックスでいいとは思いますね。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・SCHDはVTI並みの高いトータルリターンと、VYM並みの高配当を備えたETF。増配力はVYMより上。ただし日本で買うのが困難。
・楽天SCHDは経費率が0.2%ほど。年4回(2・5・8・11月)の分配。
・楽天SCHDのメリットは、
日本でSCHDを買える
外国税の内部処理
年4回の分配金
・デメリットは
いろいろ未知数(トラッキングエラー、どれだけ投資が集まるかなど)
隠れコスト
分配金がいらないならS&P500系の経費率の安い投資信託の方が合理的。
となります。
基本的には分配金が欲しい人向けですね。楽天VYMは分配金ありませんでしたしね。
分配金いらなかったら、普通にeMAXIS SlimとかのS&P500系の経費率の安い投資信託でも買った方が合理的ですし、長く運営されている分安心感もあります。
それでQ太郎ですが、実験的にちょっと買ってみようかなとは思います。
どういう買い方をするかですが、現在新NISAで取りくずし投資をしていますので、来年の新NISAの成長投資枠で何かと入れ替えて買うか、特定口座で買うか、ちょっと考え中です。さすがに未知数なので投資のメインにはできませんね。
現在新NISAの取り崩し投資ではeMAXIS Slimの米国株式とオルカン、楽天VYM、ニセナスの4本を60万円ずつ年初一括で買って取り崩しています。
入れ替えるとするとなると、来年から年初一括投資でなくポイント目的で積み立てをするオルカンになります。オルカンは毎月0.3%取り崩しなので、SCHDで年間3%ぐらい見込めるのであればだいたい同じぐらいの分配金利回りになります。これをポイント目的で積み立てていきます。
もしくはオルカンをこれまでどおり新NISAで年初一括投資にして、楽天SCHDは特定口座でポイント目的の積み立てをするとかですね。オルカンはすでに特定口座で自動取り崩しをしているので、システム上、積立投資はできない状況です。
今年投資するなら新NISAはあいてないので、特定口座で投資するしかないですね。来月から月5万円積立という方法もあります。
どうするか決まりましたらまた報告いたします。