【新NISA】含み益こそ握力必要ー「新NISA利確民」というパワーワード

新NISA投資お役立ち情報

nisa kauryoku

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は新NISAの利益確定についてです。

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「新NISA利確民」というパワーワード

こんなご質問をいただきました。

「新NISA損切」というパワーワードが一時期流行っていましたが、今年は「新NISA利確民」というパワーワードが登場しています。

昨年株価が大きく上がって含み益が多く出たことから、年初の軟調で怖くなってさっさと利益確定してしまうといった行動です。

利益を得られている点では「新NISA損切」とは違うと思いますし、今後株価が下がっていけば利益確定していて正解という考えもありますが、何だかもやもやします。やってることが「新NISA損切」と同じような気もします。

上手く言語化できませんが、これについてどうお考えでしょうか?

とのことです。

まあ、これも以前言ったことですが、もともと何を目的に投資していたかですね。

短期投資が目的ならべつにいいとは思うのですが、長期投資が目的なら、そもそもまだ新NISA2年目ですから、そんな直近の値動きで売り買いしていたらもともと計画していたこととまったく違うことをすることになります。

長期投資が目的なのに、今年利確するということは、長期投資を急に短期投資に切り替えているわけなので、もはや投資目的が違ってきてしまっているのですね。

その場その場で投資方針をコロコロ変えていたら、それこそ感情で投資しているようなものなので、ギャンブルやっているのとあまり変わらなくなります。

急に利益確定するのは、株価が暴落して急にろうばい売りするのとやっていることは変わりません。握力は含み益にも必要です。

多くの人は、含み損に対して握力を強くしないといけないと思っていますが、長期投資の場合に本当に必要な握力は含み益での握力です。

長期投資すればするほど、含み益は複利の力で雪だるま式に増えていきます。それをどうやって握力を発揮して利益確定の誘惑を我慢し、長期投資を成功させるかが重要とは思います。

たとえば「10年前にApple株を持ってたらどうなっていたか?」みたいな話がありますが、だいたいの人は含み益や含み損に耐えられなくなって途中で売ったり買ったりしてしまうので、実際に10年もガチホできる人なんてほとんどいないというのが現実です。だいたい2倍ぐらいなったら半分売ろうみたいにほとんどの人は考えてしまうので、2倍が4倍、4倍が8倍みたいな複利を転がして倍々ゲームをしていくことは言うほど簡単ではないのですね。

2倍になったときに半分売ったら、また1からやり直しなわけです。元本取り戻せているので損はしませんが、「10年前にApple株を持ってたらどうなっていたか?」という命題からは外れてしまうわけです。数年で半分売っちゃってますしね。

ビットコインなんかもそうですね。「10年前にビットコインを買っていたら」みたいな話がありますが、ほとんどの人は途中で売り買いしていて、ガチホなんかできていないわけです。まあ、将来暴落するかもしれませんし、含み益のまま撤退せずにずっとホールドしつづけることは簡単ではないのですね。とくにビットコインみたいなボラティリティの高い物だと、耐えきれる人のほうがめずらしいとは思います。

逆に人は、含み損に対してはけっこう耐えられたりします。インデックス投資ならそれでもいいのですが、個別株の場合に「ここで売ったら損する」と思って、ずっとそのまま塩漬けで何年も株価が戻らないというケースはけっこうあるとは思います。

そんなわけで人間の特徴として、「利益はちょっとでも出たら確定してしまうけど、損失は損したくないので塩漬けしてしまう」という、「損したくないマインド」が発揮されてしまうのですね。

そのため、含み損より含み益に対する握力の方がパワーが必要なのですね。新NISAでの長期投資は、含み損より含み益をいかに我慢できるかにかかっているとは思います。とくに長期になればなるほど含み益は膨らむので、どこまで我慢できるかといった話になってきます。

「でもいつか売らなきゃいけないじゃん。いつ売るねん」という話ですが、そもそも投資する前に売るときのことまで決めておく必要があります。売るときのことも決めずに、ぼんやりと長期投資とかやっているので、狼狽して売ったりしてしまうわけです。

たとえば60歳まで売らないとか、2倍になるまで売らないとか、どういうときに利益確定するかのマイルールを決めておいた方が良いでしょう。そうでないと謎のタイミングで利益確定してしまって、その後の株価が上がって再エントリーが困難になるということになります。売ったときより高値で買い直すということになりかねないのですね。

Q太郎のやっている取り崩し投資も、「一括購入して、次の月から自動売却で取り崩す」とルールを明確化してその通りに実行しています。実行というか、自動売却設定してあとは放置しているだけですが、とにかくルール通りに事を運んでいるわけです。急に取り崩ししたりしなかったりみたいに、そのときそのときの気分では決めていないわけです。

とにかくまずはルールを明確化して、短期投資でも長期投資でも、どんなときに売るかを買う前に決めておくのがいいでしょう。そしてそのルールどおりにおこなうことが重要です。そのときそのときの気分とかで売り買いしていたら丁半バクチをやっているのと変わりがないというかきりがありません。

一番いいのは、長期投資するならそもそも株価を見ないのが一番とは思います。

まあ、株価ぐらいは観てもいいですけど、口座の含み益・含み損は観ないことですね。

口座の含み益・含み損を見るから一喜一憂してしまいますし、そもそも自分が買った値段を基準にしてものを考えてしまいますので、だいたい間違った判断をしてしまうことが多いです。「30年後に何倍」なんて考えている人は、30年はひたすら積み立てておけばいいだけです。実際そんな簡単ではないので、株価を見ないなど、含み益での握力を鍛えておいた方が良いとは思います。

そもそもあなたの含み益・含み損と株価の動きは全く関係ありませんので、自分の買った値段で売り買いを考えない方がいいでしょう。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・人間には損したくないという心理が働くので、含み損より含み益に対する握力が弱い。含み益の方が強い握力が必要。

・とくにボラティリティの高い物に対しては、含み益に対する握力を発揮するのはかなり困難。(2倍ぐらいになったら売りたくなるわけです)

・長期投資なのか短期投資なのか、どういう場合に売るのか、買う前に決めてルール化しておく。そしてそれを守る。

・長期投資なら、ひたすら淡々と積み立てて、口座の含み益・含み損を見ないのがいいかと。

・そもそもあなたの含み損・含み益と株価は何の関係もない。自分の買った値段を基準にしてモノを考えない。

となります。

とにかく投資目的がなんなのか、どういうときに売るのかを今一度ちゃんと決めておいたほうがいいでしょう。

とくにどういうときに売るかはちゃんと考えておかないと、そのときそのときの気分や市場の空気でろうばい売りしてしまうので注意が必要です。

含み益ほど握力が必要になってきますので、ルールを決めて、ルールを守るということを徹底しておいたほうがいいですね。