投資は“どうでもいい”と思えたら勝ち?

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toushi doudemoii

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、投資に必要なメンタルとしての「どうでもいい」と思うことについてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

投資に必要なのは「どうでもいい」と思うメンタル

こんなご質問をいただきました。

トランプが日和ってきたことで株価が戻ってきました。

威勢のいいことを言う割には中国にも相手にされなくなってきたことで、いろいろとトーンを落としてきています。

ウクライナ問題についても解決できそうにないと思ったらすぐに投げ出してしまいます。「就任48時間以内に戦争を止める」と言った事も「面白半分」だそうです。こんないい加減な人物を選んだアメリカ国民の頭の悪さに腹が立ちます。

今後の株価の回復は、すべてトランプがこれまでのことを撤回する事だけになってきました。トランプが撤回すれば上がるのでしたら、トランプのやっていることはアメリカの害にしかなっていません。今更製造業をアメリカに戻すとか夢物語もいいところです。

そもそもアメリカ人は発展途上国で労働に勤しむ人達のように勤勉な国民性ではありません。仮に製造業がアメリカに戻ったとしても、人件費が高すぎて機械化されるだけで雇用が増える方向にはいかないとは思います。国際競争力もガタオチです。

現在の状況の株式投資ですが、とにかくこの嵐(トランプ)が去るのを待つの一択だと思います。ただ先行きがあまりにも不安定で、トランプが去った後に経済がどれだけ回復できるかも疑問が残ります。

このような状況での投資についてですが、現金比率を多くする他に何があるでしょうか?」

とのことです。

まあ、最近のトランプ大統領はかなりトーンが落ちてきていますね。

ウクライナ問題もどうにもならない感があって、相手のせいにして投げ捨てている感じはあります。ちょっと介入しただけで解決なんて、そんな簡単な話でもありませんしね。

これまでの戦術として、強いことを言えば相手がひいてくれると思っている部分も多いですが、通用しなくてなってきていますし、「どうせもう選挙で勝てないだろう」みたいな感じで、企業はトランプ大統領の任期が終わるのをひたすら待つという戦略を取り始めています。

今台北にいますが、台湾の半導体トップのTSMCがアメリカに多額の投資をして、アリゾナ州に工場も作ったのですが、つくったのって2020年なんですね。それが5年経った今年にやっと稼働したという状況です。

なんで5年も稼働していなかったかと言えば、TSMCは台湾だとかなり過酷な会社で、夜中呼び出されるとか当たり前の世界なのですね。それでその状態をアメリカに持ち込んだことで働き方で従業員と対立が起こって、「そんなんだったら辞めます」みたいな人が続出して、すり合わせがうまくいかずに何年間も遅々として進まない状況になっていたというのがあります。

ただTSMC側から見れば、世界トップを維持するためにはやはりそれだけ働かないといけないわけで、ちょっと労働時間が増えるとすぐにストライキを起こしたりするアメリカとの相性がすごく悪いわけです。社員の匿名インタビューとかでも、「上のやつらはアメリカに工場作れば何とかなると思っているが、アメリカ人は勤勉じゃないし働かない。嫌なことがあればすぐにストライキをする」みたいに愚痴っていましたね。日本で工場作るほうがTSMCにとっては相性がいいんじゃないかとは思います。

アメリカはドル高を背景に、稼ぎたければ金融業を目指すのが当たり前の社会になっていますので、今更あまり稼げなくて苦しい製造業につきたい人がどれだけいるかの問題もあります。発展途上国の人達が家族を養うために、身を粉にして朝から晩まで頑張って働くみたいなメンタルにはなりませんしね。文化的な違いもあるとは思います。

そんな感じで国際分業を無視して、製造業を自国に戻そうとすれば、生産性が大きく落ちますし、国際競争力も失われてしまいます。

日本も自国での生産を重視することで、減反政策を行っていましたが、結果どうなったかと言えば補助金無しでやっていけるコメ農家がほとんど無くなってしまいました。

それで国際競争力もなくなってしまって、例えば日本からの輸出米は年間4.5万トン程度ですが、タイは約995万トンを輸出しています。生産力も国際競争力も落ちてしまっているのですね。そりゃ既得権益を守るために、大規模農業をやろうとする人たちをかたっぱしらから潰していけばそうなってしまうとは思います。

ちなみに1990年代の日本のコメの生産量は約1,200万トンでしたが、現在は660万トンと半減しており、食糧自給率の面からしてもあまりよろしくない感じはあります。米文化を守るという観点からしても逆の結果になっているんじゃないかとは思いますね。

そんな感じで、アメリカも下手に保護政策を行うと、長期的には国際競争力を減らして、それこそ貧乏国家まっしぐらになっていきそうな感じはあります。

そんな状況の中での投資ですが、現状の問題はトランプ大統領の政策にありますので、そのあたりが解消されるかどうかにすべてがかかっていますね。トランプ大統領が政策を撤回するだけで株価が上がるような状況ですしね。

そんな状況なので、質問者様がおっしゃられるようにいまは「待ちの一手」とは思います。

投資は基本的に「どうでもいい」と思えたら勝ちだとは思っています。

毎日株価を見て、増えた減ったで一喜一憂しているとだいたいろくなことがありません。

そもそも見たところで株価が上がるわけでもないので、時間の無駄というのもありますし、毎日お金の事を気にしているというのはメンタルにもあまりよろしくありません。

個別株の場合は決算を見張る必要がありますが、インデックスだったら基本的にはインフレ対策なので、余剰資金を突っ込んでおいてあとは「どうせ余剰資金だからどうでもいい」と思って放置しておけばいいでしょう。長期であれば現金の価値はどうしても目減りしてしまうので、その対策としては必要です。現金を持つことも、現金に投資しているのとおなじですしね。

これは何度も言っていることですが、どうでもいいと思えるのはあくまで余剰資金だからです。

バケツ戦略の話を何度も出していますが、短期バケツと中期バケツが埋まってさえいれば生活に支障はないので、あとのお金はどうでもいいわけですね。実際に使わないお金ですしね。

問題になってくるのは、これらが確保されていないカツカツの状況で、お金を投資に使ってしまっていることです。この状況だと人によっては「どうでもいい」と思いにくいので、自分のリスク許容度はちゃんと把握しておいたほうがいいでしょう。

例えば、数年後につかう予定の子供の学費を中期バケツに入れずに、「どうせインデックス投資していればもうかるから」と長期バケツに突っ込んでしまったばあい、それで実際に学費が必要なときに株式市場がズドンしてしまったら子供の運命が変わってしまうわけです。

そのため、中期バケツはしっかり確保して、不安がない状態にしておいてから、使う予定のない余剰資金で投資をすれば、株式市場で何が起ころうが「どうでもいい」の状態が作れます。

メンタルだけで自分に「どうでもいい」と言い聞かせるだけだと、相当なメンタルじゃないと難しい気はしますね。実際に資産は減りますからね。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・現在の株式市場は、トランプ大統領が政策撤回すると上がるというムーブメント。

・「次の選挙は勝てないだろう」との思惑から、企業は様子見状態。

・保護政策は日本の例からも、現実は国内生産力・国際競争力低下につながる場合が多い。

・「どうでもいい」と思えるメンタルをつくるには、短期・中期バケツを充実させ、余剰資金(数年間使わないどうでもいいお金)を投資に回す。(子供の学費はどうでもよくないので、しっかり中期バケツでキープした方が良いでしょう)

・全力投資で「どうでもいい」と自分に言い聞かせるのは、強メンタルでないと難しい気も。

となります。

そんなわけで、短期バケツ・中期バケツで安全を確保したうえで、余剰資金を投資をすることで「どうでもいい」のメンタルがつくれるわけで、それらが確保されていないと表面上「どうでもいい」と思っていても、やっぱり厳しいものがありますね。

以前の動画でもいいましたが、リスク許容度を見直すの良い時期でもあるので、「どうでもいい」と思える投資金額をさぐっていくのがいいんじゃないかとは思います。