なぜ男はコレクションにお金をつぎ込むのか?所有欲の心理学

otoko collection

こんなご質問をいただきました。

「コレクションといえば、収集家というのは男性が多い気がするんです。骨董、フィギュア、カード、玩具など……。この点についての心理科学的な裏付けはあったりしますか。ご存知でしたら教えていただけると幸いです」

とのことです。ありがとうございます。

これ、たしかに言われてみると、そういう印象ありますよね。フィギュアショップとか、カードショップとか、骨董市とか、覗いてみると男性比率がかなり高い気がします。

これって、ただのイメージなのか。それとも、何か心理学的な裏付けがあるのか。

そんなわけで、ようこそ、Q太郎のお金の哲学チャンネルへ。賢く資産形成をしつつ、お金に悩まされないための生存戦略を日々発信しています。

今回は、このご質問をきっかけに、所有欲とコレクションの心理について、深掘りしていきたいと思います。

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所有欲は男性の方が強いのか

まず大前提として、一般的には、男性の方が所有欲が強いと言われています。これは、権力欲とも結びついているところがあるんですね。

恋愛なんかでも、男性が女性のことを「俺のものだ」というような言い方をすることがありますが、逆はあまり聞かないですよね。

男尊女卑的なフレーズなので、今の時代だと、これはなかなか危険なフレーズになってきていますが、そのわりに、少女漫画に出てくるイケメン男性とかは、よく使ったりします。そっちのほうが女性に受けるみたいですし、売上的にも、そっちの方がいいみたいですね。

動物的な本能のようなものもあって、オスが縄張りや群れを守ろうとするように、人間の男性にも、家族や領域を自分のものとして守ろうとする感覚が出ることがある、と言われています。それが「俺の物だ」みたいな言葉になってしまうのですね。

コレクション欲が「目立ちやすい」だけかもしれない

ただ、ここで一つ、訂正というか、補足しておきたいことがあります。

コレクションに関しては、女性もモノを集める人は少なくないと思うんですね。

なので、「所有欲は男性の方が強い」というよりも、「コレクション型の所有欲は、男性の方が目立ちやすい」という言い方が正確だと、Q太郎は思います。

特に、フィギュア、時計、車、カメラ、オーディオ、カード、ゲーム、模型、古本、ミリタリーグッズ、ガジェットといったジャンルは、男性コレクターが目立ちますよね。研究でも、コレクションに使う金額については、男性の方が多い傾向が示されているそうです。

ただし、これは「女性に所有欲がない」という話ではありません。

女性の場合は、コレクションがもう少し、生活や人間関係、自己演出、実用性と結びつきやすい印象があります。服、バッグ、化粧品、食器、雑貨、インテリア、手帳、文具などですね。すべて日常的に使うものばかりです。

外から見ると「コレクション」に見えにくいだけで、実際にはかなり集めていることもあります。コレクションする系統が違う、という方が正しいのかもしれません。

面白いのは、所有の意味づけにも差が出やすいところです。ある研究では、男性は所有を「権利」「排他性」「自分の自由」と結びつけやすく、女性は「責任」「自己とのつながり」「誇り」と結びつけやすい傾向が報告されているそうです。

つまり、男性の所有欲は、「これは俺のものだ」「俺の領域だ」「俺の能力や趣味性の証明だ」という形を取りやすいのかもしれません。けっこう動物的、本能的なんですね。自分の力を示すための、見せびらかしの所有欲といった感じです。

なぜ男性のコレクションは目立つのか

では、なぜ男性のコレクターが目立つのか。

まず、男性の趣味は「分類・完全化・スペック比較」と相性がいいものが多いんですね。時計、ゲーム、カード、鉄道、模型、オーディオなどは、型番、年代、希少性、性能差、シリーズ制覇がはっきりしています。これは、コレクション化しやすい。世間的にも、コレクションとしての価値が認められやすく、金銭化もしやすいわけです。ようするに、財産と化してしまっているわけです。

次に、男性は物を通じてステータスや専門性を示すことが多いです。高級時計、車、カメラ、パソコン、オーディオなどは、「自分はわかっている人間だ」というシグナルになる。いわば、所有物が名刺になるんですね。これは、以前の動画でも話したシグナリング効果と同じ構造です。所有物で自分という存在を示そうとするわけです。無言の自己紹介です。

そして、男性は中年以降にコレクション趣味へ戻る人が多い、という指摘もあります。子どもの頃は男女ともに集める行動が見られるものの、思春期以降に女性の収集行動は減りやすく、男性は中年以降に再びコレクションへ向かいやすい、という研究紹介があるんですね。

中年男性のコレクション欲というのは、単なる趣味というより、「人生の回収作業」になりやすいと、Q太郎は思います。

なぜかというと、子どもの頃の未完了感を、大人のお金で回収できるからです。いわゆる「大人買い」ですね。

子どもの頃は、欲しい物がたくさんあります。ゲームソフト、カード、模型、漫画、プラモデル、ミニカー、フィギュア、ラジコン、CD、楽器。でも、子どもにはお金がありません。親に買ってもらえない。それを、大人になってから回収するわけです。

Q太郎の知り合いにも、やたらとラジコンとか模型を買っている人がいますね。子供のころに買えなかったので、今になってコレクションをしはじめたという感じです。ビックリマンシールをいまだに集めている人もいると言います。

ちなみにQ太郎は、数年前に実家にあった100枚ぐらいのビックリマンシールをオンライン業者に売りましたね。売れるってことは、買う人がいるということですね。ちなみに2000円弱ぐらいになりました。シャーマンカーンとかヘッドロココとかのヘッドシールもいくつか入っていたので、もうちょっといい値段になるとは思ったのですが、思ったよりかは安かったです。

それと、今回はコレクションの男女の差の話なので、中年男性のコレクションの話については、次回また深掘りしていこうと思います。

女性の所有欲はどこへ向かうのか

一方、女性は、子供の頃はシールとかビーズとかを集めたりしますけど、思春期以降は、所有欲が別の形に移りやすいと言われています。

集めないわけではないんですが、男性のように「物を分類して、シリーズとして保管し、棚に並べて完成させる」という形ではなく、もう少し生活や人間関係、自己演出、実用性に溶け込みやすいんですね。服とか、化粧品とか、バッグとか、アクセサリーとか。飾るわけではなく、日常的に使っているものなので、コレクションとして認識されにくい、というのはあると思います。

ここで重要なのは、男性の方が所有欲が強い、というよりも、男性の所有欲は「物体化」しやすい、ということです。

女性の所有欲は、人間関係、居場所、美しさ、安心感、生活空間、推し、思い出など、物そのもの以外にも分散しやすい。形のないものですね。

一方、男性の所有欲は、物、数、シリーズ、希少性、性能、領域、称号に集まりやすい。「全巻そろえたい」「限定版が欲しい」「初期型が欲しい」「このメーカーの歴史を押さえたい」「棚に並べて眺めたい」みたいになりやすいんですね。ゲームだったら、シリーズ全部そろえたいとか、DLCを全部買いたいとかですね。なんかファミコンのカセットを全種類集めているという人もいますね。あと、週刊少年ジャンプを何年もずっと集めているとか。

これは、「物が欲しい」というより、世界を自分の秩序で並べたい欲望に近い気がします。要するに、自分の好きな世界を、リアルワールドに展開する形でしょうか。

だから、コレクター男性の部屋って、単なる物置ではなく、ちょっとした「王国」や「博物館」になりやすいんですね。棚に並んだゲーム、CD、フィギュア、工具、時計、模型。あれは所有物であると同時に、自分の人生の証拠品でもあるわけです。部屋が自分のアイデンティティの一部なのですね。だからそういうものを捨てられたりすると、自分の一部が失われるように感じるわけです。

所有欲は支配の入口にもなる

ここからが、今回一番言いたいところです。

所有欲というのは、自分の世界を作る力にもなりますが、行き過ぎると危険です。

所有物が増えるほど、管理コストも増えます。置き場所、掃除、劣化、売却の手間、家族との摩擦、そして先程も言った「手放す痛み」。

最初は自由の象徴だったものが、だんだん自分を縛るものに変わっていくんですね。

これ、以前お話ししたディドロ効果とも、けっこう近い話だと思います。一つ集め始めると、次もそろえたくなる。そろえることに夢中になるうちに、いつの間にか、物が自分の生活や時間を支配するようになる。どっちが主人なのかわからなくなる。

つまり所有欲は、男性にとって特に、自分の世界を作る力にもなるし、物に支配される入口にもなる。両方の側面がある、ということですね。

まとめ

そんなわけで、今回の話をまとめると、一般的に、男性の方が所有欲が強いと言われていますが、これは「コレクション型の所有欲が男性に目立ちやすい」というのが、より正確な言い方だと思います。女性も所有欲はありますが、生活や人間関係、自己演出と結びつきやすく、コレクションとして認識されにくいというのがありますね。

男性のコレクションが目立つ理由としては、分類・完全化と相性がいいジャンルが多いこと、所有物が専門性のシグナルになりやすいこと、そして中年以降に子ども時代の未完了感を回収しようとする傾向があることが挙げられます。中年男性がコレクターになりやすいことについては、次回また話そうと思います。

そして、所有欲は自分の世界を作る力であると同時に、行き過ぎれば物に支配される入口にもなります。コレクションのために、お金や人間関係をおかしくしたりなど、もはやどちらが主人かわからないような状態になったりもしますしね。ここは注意した方がいいとは思います。

皆さんは、何かコレクションしているものはありますか。また、男女でのコレクションの違いについて、実感はありますか。よかったらコメント欄で教えてください。全部読ませていただいています。

数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。

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