資産を取り崩すのが怖い理由。続けると逆に「取り崩さないと不安」になる話

資産を取り崩すのが怖い理由。続けると逆に「取り崩さないと不安」になる話【取り崩し実験体験談】
取り崩しへの心理的抵抗と、実際に数年続けてきたQ太郎の心理変化についてです。録音できない環境なのでゆっくり実況形式(セルフボイス)でお送りします。チャンネル紹介ゆっくり実況形式(セルフボイス)について質問はブログのお問い合わせ欄でも受け付け...

インデックス投資をして積み立てて、老後に4%で取り崩す。投資家なら知っている4%ルールですが、理屈と実際の行動が一致するかというと、これはまったく別問題でして。

知識としての取り崩し戦略は、これまでの動画で散々語ってきました。しかし老後に取り崩して資産が減るのが怖いので、高配当投資のほうが安心できるという人もいます。積み上げたものを取り崩すのは、結構怖いのですね。

このチャンネルでやっていた取り崩し投資実験も、毎月20万円の目的達成で終了しましたし、今回は、取り崩しの知識を実際に行動に移したときに起きる、もっと生々しい心の動きについて話していきたいと思います。

そんなわけで、ようこそ、Q太郎のお金の哲学へ。お金に振り回されないための生存戦略を日々発信しています。

今回は「取り崩しの心理的な壁」について深掘りしていきます。

・なぜ怖いのか

なぜ取り崩すのが怖いのか。

インデックス投資というのは、基本的に「増える」ことに向けて何年も何十年も練習してきた行為です。給料日にお金が振り込まれる、投資信託を買う、株価が上がって含み益が増える、ボーナスが入る。また買う。また増える。この「増える」快感には、社会人になってからずっと慣れきっているわけです。

それが、ある日突然「毎月10万円、積み上げた投資信託を取り崩します」という、逆の状態に切り替わる。いままで積み上げてきた行動パターンと真逆のことを、いきなりやれと言われているようなものでして、怖くて当然だとQ太郎は思います。

これはたとえるなら、ずっと貯金箱にお金を入れる練習だけをしてきた子供に、ある日突然「今日から貯金箱を割って、中身を使ってください」と言うようなものです。理屈では「そのために貯めてきたお金」だと分かっていても、貯金箱を割る瞬間には、謎の抵抗感があるものなんですね。

しかもこの抵抗感、金額の大小とはあまり関係がありません。資産1億円を超えているのに、月5万円の取り崩しにすら踏み切れずにいる人もいる。理屈で言えば余裕で足りる金額のはずなのですが、「減る」という行為そのものへの抵抗感は、資産の額とは別のところにある感覚なんですね。

これは以前も言った「所有物は拡張した自分の一部」ということで、それを失うことは、自分の一部を失うような痛みを感じてしまうのですね。大富豪でも、すぐに買いそろえられる物を盗まれたら怒るのはこれが理由です。自分の一部が取られてしまうことへの不快感ですね。

・具体的シミュレーション

たとえば、資産5000万円を、年利4%で運用しながら毎月10万円ずつ取り崩していくとします。単純計算だと、年間120万円の取り崩しに対して、運用益は年200万円ほど出る計算になるので、資産は理論上むしろ増えていくペースです。

ただ実際にやってみると、暴落した年は話が変わってきます。たとえば年利がマイナス20%になった年は、5000万円の資産が単純計算で1000万円ほど目減りするうえに、そこからさらに120万円を取り崩すわけですから、通帳の数字が去年より1000万円以上小さくなっている、ということが普通に起こるわけです。

頭では「長期で見れば平均4%だから大丈夫」と分かっていても、その「暴落した年の1000万円減った数字」だけを見てしまうと、恐怖のほうが勝ってしまうんですね。

ここで面白いのが、同じ暴落を経験しても、その後の行動で結果が大きく変わってしまう点です。暴落に驚いて取り崩しをやめ、資産をさっさとすべて現金化してしまった場合、その後の回復局面の値上がりを取り逃がしてしまい、結果的に資産寿命が短くなります。

逆に、あらかじめ決めたルール通りに取り崩しを淡々と続けた場合は、回復局面の値上がりもそのまま享受できるので、長い目で見ると資産はちゃんと持ちこたえます。

つまり暴落そのものより、暴落したあとにパニックで動いてしまうことのほうが、資産寿命にとってはよほど危険なわけです。

たとえるなら、ダイエット中に体重計に毎日乗って、1日だけ増えた数字にショックを受けるようなものです。長い目で見れば順調に減っているのに、その日その日の数字に一喜一憂して、挙句の果てにダイエット自体をやめてしまう。

取り崩しも同じで、資産寿命という30年単位の長い時間軸の話を、通帳という1ヶ月単位の短い時間軸で見てしまうから、必要以上に怖くなり、せっかくの計画を自分で壊してしまうわけです。

・対策

この恐怖への対策として、Q太郎がおすすめしているのが、取り崩しの自動化です。取り崩し実験でやっていたことですね。証券会社の自動売却サービスなどを使って、毎月決まった日に、決まった金額、もが自動的に売却されて、指定の口座に振り込まれるように設定しておきます。

ポイントは、「今月売るか売らないか」を毎回自分で判断させないことです。判断の回数を減らせば、その分だけ恐怖と向き合う回数も減らせます。これはたとえるなら、毎回「今日運動するかどうか」を考える人より、「毎朝6時に走る」と決めてしまっている人のほうが、結局続けやすいのと同じ理屈ですね。判断を自動化してしまえば、意志の力に頼らずに済むわけです。とにかく自分で判断しない。自分で判断すると、必ず感情が入ってしまいます。そして人は感情で動くと、多くの場合に間違った決断を下してしまいます。

さらに、暴落時のショックをやわらげる方法として、以前の動画でも紹介したバケツ戦略があります。数年分の生活費を現金で確保しておけば、暴落した年だけ現金のバケツから生活費をまかない、資産が回復するまで売却を止める、という選択肢が取れます。債券の利息や配当で生活費の一部をまかなう「利回りシールド」を組み合わせるのも、同じ発想です。

もう一つ、地味に効果があるのが、いきなり大きな金額で始めないことです。最初から生活費全額を取り崩しでまかなおうとせず、まずは月1万円、2万円といった小さな金額から自動売却を試してみる。

ぶっちゃけ取り崩しは慣れですので、熱い温泉につま先からゆっくりはいっていくように、少額で少しずつ始めればいいのです。

慣れないうちに大きな金額で始めてしまうと、恐怖のインパクトも大きくなり、続けられずにやめてしまう可能性が高くなります。温泉で言えば、いきなり熱いお湯の中にダイブするようなものですね。

そんなわけで、少額から始めて、通帳の数字が減ることに慣れていくほうが、結果的に長続きします。

大事なのは、暴落した瞬間に慌てて対策を考えるのではなく、平常時のうちに「暴落したらこうする」というルールを先に決めておくことです。パニックになっている最中に冷静な判断はできませんから、冷静なときに決めたルールに、パニックのときの自分を従わせるという発想ですね。

・Q太郎の実体験

ただ、ここでちょっと意外な話がありまして。Q太郎は、この自動売却をずっと続けているのですが、慣れてくると、今度は逆の現象が起きました。

取り崩し実験は終了しましたが、自動売却を止めることに、なんだか心理的抵抗を感じるのですね。

最初は「減るのが怖い」だったはずなのに、いつの間にか「取り崩さないと不安」に変わっていました。

これ、たとえるなら、毎月給料が振り込まれるのを確認して安心するのと、まったく同じ構造です。

取り崩しも、慣れてしまえば脳が「収入の一種」として処理するようになるんですね。会社員時代、給料日に残高が増えるのを確認して安心していたのと、取り崩しで現金が増えるのを確認して安心するのと、脳のやっていることはほとんど同じなんじゃないかと、Q太郎は思っています。

振り返ってみると、取り崩しを始めた最初の数ヶ月は、売却の通知メールが来るたびに、少し身構えるような感覚がありました。ですが半年ほど続けたあたりから、その通知メールが「今月も無事に現金が確保できた」という、むしろ安心材料に変わっていったんです。

恐怖というのは、行動を続けている間ずっと同じ強さで居座り続けるわけではなく、時間とともに姿を変えていくものなんだなと、実感しました。

つまり最初の恐怖というのは、永遠に続くものではなく、行動を続けていくうちに、脳のほうが勝手に慣れてくれる部分もある、ということです。

・まとめ

そんなわけでまとめると、取り崩しへの恐怖というのは、理屈で理解しても消えるものではなく、実際に手を動かして、小さな金額から慣れていくしかない部分があります。ぶっちゃけ慣れるしかありません。

ただしその恐怖は永遠に続くわけではなく、Q太郎自身の経験では、続けているうちに「取り崩さないと逆に不安になる」「現金化しないと不安になる」というところまで感覚が変化しました。

いきなり大きな金額から始めるのではなく、まずは自動化の仕組みを作って、小さな金額から試してみることをおすすめします。人間の脳は、思っている以上に新しい状態に適応してくれるものだと、Q太郎は考えています。

皆さんは、資産を取り崩すことに対して、恐怖を感じるタイプですか。それとも、意外と平気なタイプですか。よかったらコメントで教えてください。全部読ませていただいています。

数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。

ではまた、Q太郎でした。この動画を気に入っていただけましたら、高評価・チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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