忙しい人ほどFIREできない。お金より怖い「自由な時間」

忙しい人ほどFIREできない。お金より怖い「自由な時間」
仕事、投資、副業、予定で毎日が埋まっている。それは充実している証拠でしょうか。それとも、自分の人生を長い目で考えないための忙しさでしょうか。今回は、ドリー・クラーク氏の『ロングゲーム』やワンモアイヤー症候群にも触れながら、「忙しい人ほどFI...

最近、「忙しい」という言葉を、成功の証のように使う人が増えた気がするんです。

仕事が忙しい。会議が忙しい。副業が忙しい。投資の情報収集も忙しい。休日まで予定が埋まっている。

もちろん、忙しくならざるを得ない時期はあります。子育てや介護をしているかた、生活のために複数の仕事を抱えているかたに、「余白を作りましょう」なんて、簡単に言える話ではありません。

今日Q太郎が考えたいのは、そういう話ではありません。

十分に選べるはずなのに、自分から予定を埋め続けている。お金があっても、「忙しい、忙しい」と言い続けている。そういう状態のことです。

忙しい人は、時間がない人ではないのかもしれません。自分の時間を、誰に渡すか決められなくなっている人なのかもしれないんですね。

以前、このチャンネルでは、資産額が十分でも「もう1年だけ働こう」と退職を先延ばしにする、ワンモアイヤー症候群の話をしました。今回の話は、その続きのような内容です。

「もう1年」と言って働き続ける人は、本当にお金が足りないから辞められないのか。それとも、忙しさを手放した後で、自分の人生をどう使うか考えるのが怖いのか。

そんなわけで、ようこそ、Q太郎のお金の哲学へ。お金に飲み込まれないための生存戦略を独自の視点で解説します。

今回は「忙しい人ほどFIREできない、本当の理由」を深掘りしていきます。

・忙しいと、長い人生を考えられなくなる

ドリー・クラークさんのベストセラー『ロングゲーム』には、目先の仕事に追われている人ほど、長い時間軸で人生を考えられなくなる危険性が書かれています。

朝から会議、メール、締切、電話。帰宅してからも、家事や連絡が待っている。目の前に飛んでくるボールを打ち返しているだけで、一日が終わってしまう。

この状態で、「5年後、自分はどう暮らしたいか」「10年後、誰とどんな時間を過ごしたいか」と考えるのは、なかなか難しいですよね。

忙しい人ほど怠けているわけではありません。むしろ逆です。真面目で、頼まれたら断れなくて、今日の仕事をきちんと終わらせようとする人ほど、予定表が他人の依頼で埋まっていきます。

ただ、目先の仕事を完璧にこなすことと、自分の人生を長い目で設計することは、別の能力なんですね。

ゲームで言えば、目の前に現れる雑魚敵を一匹ずつ倒すのは得意なのに、次の町へ向かう地図を一度も開いていない状態です。戦闘には勝っている。でも、どこへ向かっているのかは分からない。

FIREを目指して投資をしている人も、ここは他人事ではないと思います。毎月の積立額を増やす。株価を確認する。制度変更を調べる。副業も頑張る。どれも悪いことではありません。

でも、その作業で毎日がいっぱいになって、「自由になった後、何をしたいのか」を一度も考えないまま資産だけ増えていくとしたら。それは少し変な話です。

・余白がある人は、人の話を聞ける

Q太郎は、時間に余裕があることを、何もしないことだとは思っていません。

本当に余裕がある人は、急に予定が空いたから暇を持て余している人ではない。人の話を最後まで聞ける人です。

誰かが相談をしてきたときに、「次の予定があるので」と、頭の中で時計ばかり見なくていい。気になった本を見つけたときに、その日のうちに少し読める。平日の午後に、散歩へ行くか、昼寝をするか、仕事をするかを、自分で選べる。

こういう小さな余白は、資産額とは別の豊かさだと思うんですね。

個人的には、お金をたくさん持っているのに「忙しい、忙しい」と言い続けている人を見ると、少し不思議に感じます。いわゆる「忙しいアピール」ですね。

忙しいことを自慢しているようで、実は「自分の人生を自分でコントロールできていません」と言っているようにもQ太郎にも見えます。

もちろん、大きな仕事をしている人には、どうしても忙しい時期があります。ただ、忙しい状態がずっと続き、それを手放せないなら、資産はあっても、時間の主導権はまだ他人や予定表に握られたままなのかもしれません。

お金持ちかどうかより、自分で余白を作れるかどうか。Q太郎は、こちらの方が本当の豊かさに近いと思っています。

・自分から忙しくするという逃げ道

ここから少し話がひっくり返ります。

忙しさは、仕事や家族に与えられるものだけではありません。自分から忙しくしている場合もあります。

予定を入れる。頼まれごとを引き受ける。勉強会へ行く。投資のニュースを追い続ける。休日にも何か生産的なことをしなければと、予定を埋める。

ぱっと見は、意識が高くて立派に見えます。でも、忙しくしていれば、考えなくて済むこともあるんですね。

この仕事を、本当はいつまで続けたいのか。

今の会社を辞めたら、自分には何が残るのか。

家族や友人と、どんな時間を過ごしたいのか。

資産が目標額に届いた後、本当は何をしたいのか。

こういう問いは、少し嫌なんです。答えがすぐに出ない。人によっては、今の生き方に不満があることまで見えてしまう。

だから、予定表を埋めてしまう。やるべきことに追われていれば、「これが私の望んだ人生なのか」という面倒な問いを、今日は考えなくて済みます。

忙しさは、努力のあかしではありません。考えたくない人生から、目をそらすための、一番便利な言い訳になることがあります。

Q太郎も、これは人のことを言えません。何か大事な判断を先延ばしにしたいときほど、急に部屋の片付けを始めたり、細かい作業を全部終わらせたくなったりします。学生の頃の、テスト前のあの状況ですね。急に掃除をしたくなるみたいな。

やっていることは間違っていない。でも、本当に向き合うべきことからは逃げているわけです。

・ワンモアイヤー症候群は、忙しさの形を変えただけ

ここで、前回のワンモアイヤー症候群の話に戻ります。

資産が十分でも、「あと1年だけ働こう」と言い続ける。これは、お金の不安だけの話ではないと思います。

仕事を辞めれば、平日の昼間が突然、自分のものになります。朝起きて、誰にも予定を決められていない。会議も、締切も、会社の評価もない。

自由を求めていたはずなのに、いざ自由が目の前に来ると、怖くなる人がいます。

忙しかった頃は、「仕事があるからできない」と言えました。でも、仕事を辞めて時間ができた後は、「自分は何をしたいのか」に、自分で答えなければならない。

ここが怖い。

だから、「まだ資産が足りないかもしれない」という理由を作って、もう1年働く。忙しさを続けることが、人生を自分で選ぶ怖さから守ってくれるわけです。

前回の動画では、リスクをゼロにしようとすると、もう1年を永遠に正当化できてしまう話をしました。今回の言い方をするなら、「もう1年」は資産を増やす手段であると同時に、人生を考えないための予定表でもあるのかもしれません。

ここで最初の問いに戻ります。忙しい人ほどFIREできないのは、お金が足りないからだけではない。忙しさを失った後の人生を、自分で引き受ける準備がまだできていないから、という面もあるんじゃないかと思います。

・FIREの前に、余白を使う練習をする

では、どうすればいいのか。

Q太郎は、いきなり会社を辞める前に、余白を使う練習をした方がいいと思っています。

有給を取った日に、予定を詰め込まない。週末の半日だけ、誰にも渡さない時間を作る。副業や投資の情報収集にも、終わりの時間を決める。

何かすごい趣味を始めなくてもいいんです。散歩をする。本を読む。昼寝をする。気になっていた友人に連絡する。何もしない。

ここでいう余白は、ただスマホを眺めて時間を溶かすこととも少し違います。通知に反応する時間ではなく、自分が何をするか、何をしないかを選べる時間です。

最初は、落ち着かないと思います。時間があるのに何も生産していないと、不安になるかもしれません。

でも、その落ち着かなさこそが、今まで忙しさで隠していたものかもしれません。退職してから初めて向き合うより、まだ仕事があるうちに少しずつ慣れておいた方がいい。

セミFIREや週に数日だけ働くという選択が、ここでも意味を持ちます。収入をいきなりゼロにしないことだけが利点ではありません。仕事がある日と、自分で使う日を両方持つことで、余白を使う練習ができるからです。

FIREは、仕事をゼロにすることがゴールではありません。平日の午後を誰に渡すのか。自分で決められることです。

自分が幸せかどうかを確認する方法に、「椅子に30分、何もしないでじっとしていられるか」というのがあります。

科学者で哲学者のパスカルは、「人の不幸は、家でじっとしていられないことだ」と言いましたが、じっとしていられるかどうかが幸福と不幸の分け目とは思います。

椅子に30分、なにもせずに座っていられず、スマホをすぐ見てしまうのであれば、まだ何か足りないということですね。日頃、瞑想とかをしている人は、楽にこなせるとは思います。

・Q太郎の結論

ここまで話してきたことをふまえて、Q太郎なりの結論を言わせてください。

忙しいことは、悪ではありません。誰かの役に立つために忙しい時期もあるし、夢中で仕事をしたい時期もあります。

ただ、その忙しさを自分で選んでいるのか。それとも、断れない依頼や、考えたくない不安に流されているのか。ここは、ときどき確認した方がいいと思います。

予定がぎっしり埋まっていることは、人生が充実している証拠とは限りません。むしろ、人生をコントロールできていないサインになっていることもあります。

お金があっても、忙しさを手放せない。人の話をゆっくり聞く時間も、自分で考える時間も持てない。それなら、自由を買うために増やした資産を、まだ自由に使えていないのかもしれません。

生活の余白は、贅沢品ではありません。自分の人生について考え、選び直すために必要な空間です。

FIREを目指すなら、資産額だけではなく、「余白を持てる自分になれているか」も育てておく。Q太郎は、それが本当の準備なんじゃないかと思っています。

・まとめ

そんなわけでまとめると、忙しい状態が続くと、目先の仕事をこなすだけで人生が終わり、長い時間軸で自分の未来を考えられなくなります。

本当の豊かさは、予定が空っぽなことではありません。人の話を最後まで聞けること。急な誘いに行くかどうかを自分で決められること。何もしない午後を、罪悪感なく持てることです。

一方で、自分から予定を埋める忙しさは、「この人生でいいのか」「仕事を辞めた後に何をしたいのか」という嫌な問いから目をそらすための言い訳になることがあります。ワンモアイヤー症候群も、忙しさの形を変えただけかもしれません。

FIREで手に入れたいのは、働かないという肩書きではありません。自分の時間を、誰に渡すか決められることです。

皆さんは最近、自分で守っている余白の時間がありますか。何もしない時間を作るとしたら、何をして過ごしたいでしょうか。よければコメントで教えてください。全部読ませていただいています。

数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。ではまた、Q太郎でした。この動画を気に入っていただけましたら、高評価・チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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