アップル採用減速で米国市場下落ー主要ハイテク企業が予算抑制、株価は景気後退が織り込まれていないとの指摘も

2022年7月30日一般ETF, 米国株決算投資お役立ち情報

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QYLD全力太郎ことQ太郎です。

昨夜はアップルの採用減速でリセッション(景気後退懸念)が噴出し、前半好調だった米国市場も、後半にかけては下落していきました。

SP500

S&P500は寄り付きから上げたものの、中盤以降は一気に下落に転じ、前日比で-0.84%になりました。年初来では-20.13%と、またもや-20%ラインを下回ってきましたね。

heatmap

分野別で見ますと、ヘルスケア、テクノロジーセクターが大きく下げた一方で、エネルギーセクターが上げています。100ドルを下回っていた原油先物は、またもや100ドルを上回りましたね。原油価格は100ドル以上か以下かが1つの節目とは思います。

NASDAQ

NASDAQのほうもおなじように、寄り付きで大きく上げたものの、中盤以降から下落。最終的には前日比-0.81%、年初来では-28.25%となりました。

dollen

ドル円は138円前半で横這いが続いている状況です。1%利上げが後退したので、ドル高も一服といったところですが、これが押し目になるかどうかですね。1%利上げについてはこちらを参照してください。

10YB

リセッションのサインになる、みんな大好き逆イールドですが、2年債と10年債の逆イールドはまったく解消される気配がありません。的中率100%の3カ月物はまだまだ下ですね。逆イールドについてはこちらを参照してください。

そんなわけで今回は、アップルの採用減速と現在の市場状況、今後についての話題です。というか、アップルばかりが注目されていますが、そもそもGoogleやアマゾン、マイクロソフト、テスラなど主要ハイテク企業も、リセッションに備えて予算抑制や採用ペース減速、人員削減に向かっています。そのことについても述べていきます。

 

主要ハイテク企業が予算抑制

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さて、アップルが採用と支出のペースを落とす計画があるとのことで、アップル株は一気に落ちました。前日比で-2.06%、年初来では-19.20%です。これにひきずられる形で、テクノロジーセクターが下落しました。

株式市場はまだ楽観論があり、リセッションをまだまだ織り込んでいないと言われていますが、アップルはすでにリセッションを見越しての行動に移っていますね。

ただアップルの採用自体が大きく減速するわけではなく、通常増員があるところを、来年は人数を据え置くというぐらいのことです。しかもこれは一部の部門のみのようですね。

ちょっと過剰に反応しすぎている気もしなくもないですが、アップル自体は景気減速での売り上げ減速を見込んでいるということにはなりますね。

ちなみに今回アップルだけがやたらとクローズアップされている感じですが、そもそもアルファベット(グーグル)やメタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラなどNASDAQをけん引する主要企業も、予算抑制や採用減速に動いています。テスラ、マイクロソフト、メタは人員削減にも乗り出していますね。

全体的に、景気減速が不可避みたいな感じにはなってきています。

企業が生産力を減速させるということは、当然将来的な売り上げも減速します。売る物が減るのですから当たり前ですね。

現在、主要企業の決算シーズンで、アップルの決算発表は今月の28日になっています。これも注目したいところです。

決算シーズン

ちなみに本日19日は、おもちゃメーカーのハスブロや、みんな大好きJ&Jや、ネットフリックス、軍事産業のロッキード・マーチンなどがありますね。テスラは明日20日です。これも注目したいところです。

昨日18日はゴールドマンサックスの4~6月の四半期決算発表がありました。会社全体の純利益は47%減の29億3000万ドルになりました。ほぼ半減ですが、収入は119億ドルで、市場予想平均の107億ドルを上回った形になっています。

景気後退懸念からの債券やコモディティへの投資が急増したことで、トレーディング部門自体は32%増となりましたが、資産運用部門の収入が79%減、投資銀行部門の収入は41%減と足をひっぱる形になっています。

ちなみに「予想よりは悪くなかった」ということで、株価自体は大きく上昇して、昨夜は前日比+2.51%となりました。

そして明日決算があるネットフリックスですが、コロナ禍による巣ごもり需要もピークを迎え、アカウント数が減っているという状況ですね。前回の1-3月には20万人減り、今回は200万人減るとも言われています。株価も今年に入って-68%にもなっていますしね。

あとアカウント使いまわし問題ですね。1つのアカウントをみんなで使っているという状況です。

以前までは公式で放置していたのですが、1億世帯以上が使い回ししているそうなので、これにメスを入れるようですね。

実際、中南米5カ国に対して、住んでいるところ以外でアカウントを使用したばあい、追加料金を取る措置をはじめるとのニュースがありました。

期待値だけで伸びていたハイテク銘柄が、いろいろと厳しい状態になってきているとは思います。

利上げがまだまだ続きますので、上値はおさえられる形になりますね。

 

まとめとQ太郎の見解

ちなみにQ太郎は日本の高配当株をちょこちょこ買っていたりします。

円安ですし、けっこう利回りがよくなっている銘柄も多くなっていますしね。

日本株なら配当金控除も使えますし、税制的にも有利です。

それと日本株はそのまま買うと高いですが、ネオモバイル証券とかで、1株単位で買えば比率の調整がしやすいですね。

日本の高配当株についてはまた別の機会で述べていきます。

昨年までは日本株が高くなってしまっていて、あまり旨味はなかったのですけど、いまは配当金の利回りがよくなっていますね。

三井住友銀行が、現在配当利回り5%を超えて5.4%になっていますし、大型株がけっこういい感じにはなっています。昨年まで5%以下で微妙な感じでしたしね。

6%を超える高配当で有名な日本たばこも、うまく低い所で拾えたので、悪くはないかなとは思います。

こういう日本の大型株が将来伸びるかと言えば、正直そうは思わないのですが、日本には政府による株価ドーピングという文化がありますので、大企業は潰れることはないだろうということでの投資です。

日本は成功した社会主義国家と言われていますが、社会主義国家には社会主義国家なりの戦い方で挑むのがいいかなとは思います。

なんにしろ、日本株は高いので、1株単位で買って調整したほうがいいですね。