バケツ戦略の中期バケツはどうすればいい?
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回はバケツ戦略で問題になる中期バケツのあつかいについてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
バケツ戦略の中期バケツはどうすればいい?
こんなご質問をいただきました。
「自分もFIRE目指していて、バケツ戦略参考にしています!
ただ、中期バケツで保有する資産に悩んでいます。
主様は中期バケツを現金で保有しているかと思いますが、債券(特に米国債)やバランスファンドで運用することについては、いかがでしょうか?
インフレ負けしない程度の利回りは欲しいところですが、かといって価格変動リスクや為替リスクは大きく取れないので、結局現金や定期預金に落ち着くのかなと想像していますが、、」
とのことです。
ほかにも中期バケツについての質問がいくつかあったので、今回まとめて答える形で情報共有していきたいと思います。
まずバケツ戦略の基本ですが、短期バケツには生活防衛資金、中期バケツには直近数年で使うまとまったお金、長期バケツは使わないお金、余剰資金なのでそのまま現金や無リスク資産で持っておくと目減りしてしまうため、株式やゴールドなどリスク資産に投資してインフレ対策にします。
例えば働いている方なら短期バケツは半年分ぐらいの生活費、中期バケツは子供の学費や車・家のローンの頭金などのまとまったお金、残りは長期バケツで資産運用すればいいでしょう。残らなかった場合は短期バケツ・中期バケツをまずなんとかしてください。長期バケツの投資はあくまで余剰資金でおこなうものです。
FIREした方でしたら、短期バケツに生活費1年分、中期バケツに5年分の生活費、残りは長期バケツで資産運用します。例えば年間200万円使うのでしたら1200万円を短期バケツ・中期バケツでキープしておくことになります。残りは長期バケツで投資に回します。年初に1200万円あれば、長期バケツがズドンしていようが、そこから6年間は確実に年200万円生活ができるということなので、毎年はじめに1200万円あれば6年間安泰と考えられるわけです。
コメントで、「ほとんどの人は1200万円もキープできない」というのがありましたが、あくまで4%ルールのFIRE後の一例なので、バケツに何をどれだけ入れるかは個々人の状況によります。正直、まったく仕事しないで資産だけで食っていくとなれば、やはり身の安全の確保には長期バケツ以外にこれぐらいの金額はいるとは思います。
6年間の猶予があれば、状況によっては再就職とかの猶予もあります。投資が短中期的に確実ではないことは、今回のトランプ騒動でわかったとは思いますしね。
それで短期バケツ・中期バケツですが、短期バケツは生活防衛資金なのでいくら必要かは判断しやすいですが、問題は中期バケツですね。何をどれだけ入れるか、けっこう難しいところがあります。
まず原則ですが、短期バケツ・中期バケツは無リスク資産での運用が大前提です。リスク資産の運用は長期バケツでおこなってください。
それで無リスク資産というのは何かといえば、変動しないもの、つまり元本が保証されているものです。
一番わかりやすいのは自国通貨、つまり現金ですね。日本だったら日本円になります。
タンス預金でもいいですが、一般的には短期バケツは普通預金、中期バケツは普通預金か定期預金になるでしょう。
外国通貨は、日本の拠点を置くのであればこれは日本円から見れば為替変動がありますので、無リスク資産の元本保証からは外れます。そのためドルとかユーロとか元とかの外国通貨はリスク資産になりますので、これは長期バケツでの運用になります。中期バケツでは運用できません。
それと債券については、日本で生活をするのであれば、無リスク資産は日本国債になります。基本的には個人向けの変動10年がいいでしょう。国債についてはこちらの動画も参照してください。
それで米国債とか外国債券についてですが、これも以前言ったことがありますが、米国債である以上、為替変動がありますので無リスク資産にはなりません。
直近数年で使うお金に対しては、外国債券の利回りよりも為替変動のほうが大きいので、短中期的にはリスクが高い資産ということになります。
アメリカに住んでいて、ドルで生活しているのでしたら無リスク資産になりますが、日本に生活基盤を置いて日本円で生活しているのでしたら、これはリスク資産になります。そのため、外国債券を運用をする場合は長期バケツになります。中期バケツで運用できる債券は日本国債だけですね。
日本国債は、日銀が無理やり金利を抑え込んでいるので、他国に比べるとかなり利回りが低く、長年預けても大した額にはならないとは思います。
ただインフレ対策は長期バケツの仕事なので、短期バケツ・中期バケツは増やすことよりも、あくまでも生活防衛のための資金と割り切ったほうがいいでしょう。インフレ対策は長期バケツでしてください。
そのため、中期バケツに入れておけるものは、日本の場合だと現金の普通預金か定期預金、それと日本国債だけですね。外国債券とかバランスファンドはリスク資産なので、長期バケツで運用することになります。
バランスファンドだろうがズドンがあるものは無リスク資産にはならないのでだめなのですね。あくまで生活を守るためのものは無リスク資産でないといけないとは思います。
あと個々人の許容問題になりますので、バランスファンドや外国債券は無リスク資産なんだと言い切るのであればそうすればいいとは思います。どうせ自分のお金ですしね。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・短期バケツには生活防衛資金、中期バケツには直近数年で使うまとまったお金、残りの余剰資金を長期バケツで運用してインフレ対策とする。
・原則として短期・中期バケツは無リスク資産を入れる。
・日本での無リスク資産は現金(普通預金・定期預金)と日本国債のみ。
・海外通貨や外国債券、バランスファンドなどは為替変動があるのでリスク資産。長期バケツで運用する。
・短期・中期バケツは生活を守るためのものと割り切る。インフレ対策は長期バケツで。(積極的に増やすような場所ではないということですね)
・あと個々人の許容問題。バランスファンドや外国債券が無リスク資産だと思うのであれば、自分のお金なのでご自由に。
となります。
そんなわけで短期バケツ・中期バケツは生活を守るためのバケツなので、元本保証の無リスク資産を置くのが定石となります。直近数年だと為替変動の影響が大きいので、外国債券の利回りがいくら高くてもカバーしきれないため、リスクが大きいとは思いますね。
日本だと日銀が無理やり利回りを低くしているので、消費者側からすると預金も増えませんし、インフレ負けしまくりますし、ちょっとあれな感じですが、短中期はもう割り切るしかないとは思います。
現在はトランプ関税とかで景気の先行きが見えない状態ですし、保守的にいくのもいいとは思いますね。