「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)」は買い?【米国高配当株投資】

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BTI

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

今週はリセッション懸念による金利低下期待と、決算のよい企業が多かったことからの、米国市場上昇の一週間でした。

SP500

S&P500は続伸で前日比+1.42%、年初来で-13.89%です。

ただ昨日も言ったように、三尊天井が近づいていますので、注意が必要です。またズドンが来たばあい、円高も合わさってダブルパンチになる可能性もあります。いまの時期は往復ビンタあたりまえなので、短期投資はとくに慎重にいくのがいいでしょう。

NASDAQ

NASDAQのほうも続伸で、前日比+1.88%、年初来で-21.74%です。Amazon、アップルの決算がよかったことも株高をけん引しました。アップル、アマゾンの決算については昨日の動画を参照してください。

ただテクニカル的には三尊天井到達なので、来週どうなるかといったところです。戻り売り警戒ですね。

今回は、みんな大好き、高配当銘柄の「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」のズドンの話題です。「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」自体がどういう銘柄かもわかりやすく解説していきます。知らない銘柄を買ってもしょうがないですしね。

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコとは?

さて、「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」こと「ブリタバ」です。ティッカーシンボルはBTIですね。

世界的な企業で、日本にも「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン」があります。ブリティッシュなのかアメリカンなのかジャパンなのかどれやねんみたいな、国名が社名に3つも入っているというすさまじい名前です。

ちなみに「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン」ですが、その前身となるB&Wジャパンは1984年に設立されたので、すでに30年以上の歴史があります。日本のたばこ業界では2割のシェアがありますね。

ADR銘柄

本家のほうのブリタバですが、イギリスに本社を置く会社です。そのため、厳密には米国株でなく、 イギリス株を米国市場に上場させた米国預託証券いわゆるADR(American Depositary Receipt)と呼ばれているものです。

ADRを買うことで、間接的にイギリス株に投資ができることになります。

ADRはほかにも中国やインドなど、さまざまな国の株があります。昨日は中国株ADRのアリババグループが、上場廃止リストに載ったいうことで、-11%のズドンが起こりましたね。

アメリカ政府の、アリババグループへの会計監査を、中国政府が拒否しているからです。3年連続で監査要件を守れなかったばあい、上場廃止になります。

Q太郎的には、中国とかロシアとか政治リスクのある国の株は買わないほうがいいとは思います。もうかるかもしれませんけど、リスクのほうがどうしても大きいのですね。そもそも中国企業は粉飾が多いので、投資家保護の観点からも監査は必要とは思います。

それでイギリスは政治リスクは低めとは思いますので、中国ほど気にする必要はないとは思います。

ADR銘柄の良いところは、国ごとの税制に従うというところですね。

米国株投資においてもっともやっかいな外国税10%ですが、ブリタバはイギリスの企業なので外国での源泉徴収額は、前回の取引明細から計算してみると0.7%と1%に満たない安さでした。

これは大きなメリットになるとは思います。

BATの歴史

ブリタバの会社自体の話ですが、100年以上の歴史がある老舗企業です。

1902年に、イギリスのインペリアル・タバコと、アメリカのアメリカン・タバコ・カンパニーの合弁企業として設立されました。

ダンヒル、ケント、ラッキーストライクとか、タバコを吸ったことのない人でも知っているような銘柄をあつかっています。

最近は健康リスクの問題でタバコが売れなくなってきましたが、その代わりという感じで、いわゆる加熱式タバコや電子タバコを拡大しています。ちなみにQ太郎はタバコを吸わないので、正直違いが分かりません。

世界のたばこ業界での立ち位置ですが、ナンバーワンがフィリップ・モリスで時価総額は1500億ドルぐらいです。

つぎにブリタバで935億ドル、3位はルトリアグループで800億ドルぐらいです。

昨年までアルトリアのほうが時価総額は大きかったのですが、現在逆転しています。アルトリアもズドンして配当利回りが8%超えていますね。

株価の推移

BTI

それで株価の推移ですが、発表された6月のイギリス消費者物価指数(CPI)が+9.4%と、40年ぶりの高さになってしまいました。アメリカを超えるインフレ状態ですね。

これによってブリタバをはじめとして、生活必需品などディフェンシブ銘柄が売り込まれています。

ブリタバは2日で-14%のズドンです。配当利回りは8.8%まで上がりました。

インフレになると原料高と買い控えで、小売りへの打撃が大きいですしね。CPIについてはこちらを参照してください。

とくにたばこ業界は、禁煙がすすんでいることもあって、年々縮小傾向にあります。

BTI long

株価の推移ですが、2017年にレイノルズ・アメリカンを494億ドルという巨額での買収したのち、財務が悪化して株価は低迷しました。いま必死で借金を返しており、あと400億ポンド、ドル換算だと490億ドルぐらい残っています。

2018年以降は30-40ドルのボックス相場での横這い傾向がずっと続いています。

そのため、ズドンしたとはいえ、現在の株価は39.17ドルで、全体で見ると、まだボックス相場の上値である40ドル前後の高値圏になります。

買うにしても株価的には高値圏なので、一気にお金を入れないほうが安全とは思います。

メリット・デメリット

メリット・デメリットを見ていきます。

メリットは、やはり高配当ですね。現在8.8%あります。

それと歴史のある大企業なので、そうめったに潰れることはないとは思います。タバコは参入障壁の高い産業ですしね。

デメリットは、企業の成長にはあまり期待できないということです。株価も横ばいか下落傾向ですし、今後健康上の問題でタバコの売上がどんどん落ちていくのは、だれもが想像つくことだとは思います。

そのため、現在高配当とはいっても、これまで減配も何度もありましたので、現在の高利回りは約束されたものではないということも注意しておいたほうがいいでしょう。

それと配当性向が高くなっています。

昨年の1株当たり利益は2.90ドルで、配当金は2.18ドルだったので、配当性向は約75%と、かなりの高さになっています。配当金出し過ぎと言うか、けっこう限界まできてしまっていますね。ちなみに一般的な配当性向は20~30%なので、75%はかなり高い数字です。今後の減配の可能性もあります。

そんなわけで、ズドンしたとはいえ、長期で見るとまだボックス相場の高値圏の40ドル前後あたりです。

イギリスのインフレ率が9%超えてますので、小売りはしばらくは厳しいと思いますね。

長期で見るとまだ40ドル近辺の高値圏ではあるので、投資するにしても打診買いぐらいがよいかなとは思います。