米国リートETF「SRET」(分配利回り6.6%)は危険?リスクと内容をわかりやすく解説

2021年7月22日SRETリート, 高配当ETF

sret

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

今回は、世界の高配当リートに投資するETF「SRET」。分配利回りも6.6%ほどとなっています。

リートとは、簡単にいうと不動産を株式化したものです。不動産から出る家賃収入などを、株主が受け取れることから、高配当になりやすい銘柄です。

ただリートは、暴落時は普通の株よりよく落ちるという特性を持っていることも合わせて理解しておくといいでしょう。

今回はSRETとはどんなリートなのか、そのリスクについてなど、じっさいに10万円ほど投資したので述べていきます。

 

SRETとは?

SRETとは、投資初心者が喜びそうなテーマETFや高配当ETF乱発連発していることで有名なグローバルX社が手掛けているETFです。

正式名称は「スーパーディビィデンド 世界リート ETF」で、これに投資しておけば、世界中の高配当リートに投資をすることができます。

投資している地域

sret region

どんな地域のリートかといえば、上の図のように70%がアメリカです(グローバルX社のサイト参照)。

ぶっちゃけほぼアメリカのリートですね。

2位がカナダ、3位がオーストラリアと続きますが、大局に影響がない程度の割合で含まれています。

投資銘柄と年間経費率

sret top10

銘柄数は30になっており、上の表はそのうちのトップ10です。SPYDでも登場した銘柄が含まれていますね。

分散が効いているかどうかといえば微妙なところですが、ただこの30銘柄、ボラティリティの少ない銘柄を選んで集めています。リスクを低く抑えるようにしているのですね。

分配利回りは6.6%(2021年7月21日)と高いですが、年間経費率は0.58%と、こちらもなかなかに高額。

「米国リートだけでいいや」という方は、分配金は低くなりますが、「IYR」などの年間経費率の低いリートETFを選ぶのがいいかと思います。SRETと違って、株価が上がりやすいので、長期保有の安心感があります。

投資対象の業種

リートとひとことでいっても、不動産にはさまざまなタイプがあります。

商業施設なのか、オフィスなのか、ホテルやリゾートなのか。

それぞれにそれぞれのリスクがありますが、ETFのばあい、これらを組み合わせて運用されます。

SRETの配当金が多いのは、貸付金利を収入とするモーゲージリートの配分が多くなっています。

ようするに不動産自体からの収入ではなく、不動産購入に貸し付けているお金からの受取金利ですね。

リーマンショックを経験したことのある方は、モーゲージと聞くと、「危なくね?」と思うかもしれません。

じっさい危ないですし、レバレッジのかかっているものもあるため、暴落時にはよく落ちます

そのため暴落後に買うのが正しい買い方かと思います(そこが底であるとは限りませんが)。

SRETでは、以前まではモーゲージの比率が50%を超えていたのですが、現在はリバランスをおこない、40%前後まで減らしています。

ただモーゲージを含めないと高配当にならないという現実も合わせて理解しておくといいでしょう。

分配金と株価の推移

SRET divided

分配金は毎月分配で、見ればわかるようにどんどん落ちていっています

2020年2月5日に0.1あったものが、一年後の2月3日には0.05と半分になってしまっていますね。

SRET returns

再投資なしでの株価の推移ですが、コロナショック後からなかなか立ち直れないという「高配当ETFあるある」の動きです。ただ、いちおう上向きになっているのは救いといえます。

SRET divided annual年間分配金の推移を棒グラフにしたものです。これも右肩下がりの傾向がみられますね。

コロナ前に購入した方は、株価の下落に加えて、分配金の減配もあったので、ダブルパンチでダメージを食らっているかと思います。

 

IYR、SPYDとの比較

リートをあつかっている他の高配当ETFと比較してみます。

ここではみんな大好きSPYDと、米国リートETFの代表であるIYRを比較対象にします。

hikaku

分配金再投資がないばあいは、以上のようなグラフになります。青がSRET、赤がIYR、黄色がSPYDです。

見ればわかるように、SRETの下落の大きさ、下落後の戻りの悪さが際立ちますね。これは分配金再投資ありでもたいして変わりません。再投資ありでもSRETはコロナショック前の価格に戻っていないのです。

とにかく下落に弱いため、一回でも暴落を食らったら終わった感がすごいかと思います。

 

まとめと筆者の見解

下落を食らったときのヤバいレベルでの落ちっぷり、年々減っていく分配金といった問題があり、普通に考えて投資対象にするのは難しいかと思います。レバレッジのかかったモーゲージリートがかなり効いている感じです。

短期~中期ならまだしも、長期保有には向いていませんね。

いちおう10万円ほど購入していますが、コロナ後の下がった状態での投資です。コロナ前に買っていたら、もう見たくもないレベルのETFかと思います。

これを買うぐらいなら、普通にIYRやSPYDを買ったほうが幸せになれるでしょう。

ただ、「高配当がいい」「いつでも逃げる準備はできている」という覚悟のある方は、暴落して安くなったときに購入するのがいいかと思います。毎月定額購入とかはやめたほうがいいでしょう。

次回は10万円投資した結果について述べていきます。