DEI政策廃止でS&P500上昇?

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DEI

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回はDEI政策廃止によって米国株が長期的に上昇していくのではないかとのご質問です。

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DEI廃止で米国株上昇?

さて、こんなご質問をいただきました。

トランプ大統領がDEI政策を廃止する署名をしました。

性別は男と女だけになり、トランスジェンダーのスポーツへの参加も禁止するとの事です。

これを批判する人たちもいますが、自分はむしろ「トランプよくやった」と思いました。

差別がよくないのは当たり前ですが、さすがに近年は行き過ぎです。

「心は女」と言いながら女子風呂や女子トイレに入ってくるおっさんとか、元男がボクシングで女性をボコボコにするとか、女性からすれば恐怖以外の何物でもありません。

トランプがサインした時、周りにたくさんの女性を配置して喝采をしメディア対策を行ったことも印象的でしたし、女性側からすれば救世主のような存在です。スポーツを頑張っている女性からすると、男が参加して優勝を取られてしまうのは不公平感が大きすぎますし、着替えのロッカールームに男が入ってくる事態も防げます。

そもそも「心は女」なんて客観的に確かめる手段がないものは、犯罪の温床にしかなりません。性善説では世の中は良くならない、むしろ犯罪の機会を増やしてしまいます。

これによって企業も実力によって人を採用することが出来るようになったので、今後はDEIへのコストを減らし、優秀な人材を取ることができるようになったことから、アメリカ企業の業績が上向きになるのではないかと考えています。

アメリカのリセッションが来ると言われていますが、DEI廃止によって企業が効率化し、むしろS&P500は上昇するのではないでしょうか。この辺りの考えをお聞かせください

とのことです。

まあ、ご質問でおっしゃられたように、行き過ぎたDEIを是正するというのは、スポーツとかトイレとかの問題が発生しそうな場においてはよかったんじゃないかとは思います。

ただアメリカでは、言われているほどDEIが浸透しているわけでもありません。

例えばアメリカだと3年前ぐらいからパスポートで男性・女性という性別以外に、Xという性別を入れることができるようになっています。これはアメリカが始めたわけではなくて、すでにその前からニュージーランドとかオーストラリアがやってましたし、カナダやドイツ、インド、パキスタンもやってますね。世界的にそういう流れになってきたという形で、アメリカでも取り入れられたというのがあります。

アメリカでは、州によっては運転免許にXを入れてもいいところもありますね。ただ州の場合は、性別証明が必要になったりします。Xと書けばすぐに通るわけではなくて、認可に時間がかかったりしますので、アメリカでそこまで一般的に普及しているみたいな話ではありません。できることはできるけど、手続きはけっこう時間かかるよみたいな感じですね。その分、手続きの手間が増えることで事務作業の負担も増えるので、性別を2つにしたことで、政府的にはこのあたりのコストカットになるとは思います。

ただアメリカ国内はそれでよいのですが、先ほども言ったようにカナダとかニュージーランドとかのXを使っている国もありますので、そういう人達がアメリカへ入国した際に手続きが煩雑になったり揉めたりしそうな感じはありますね。

トランプ大統領は、2028年ロサンゼルスオリンピックでトランスジェンダーの人はビザを発行しないと言っていますので、このあたりは今後の流れを見ていきたいとは思います。

それと企業側としてDEIから手を引きたかったのは、採用枠でDEI枠みたいなのを設ける問題もありますが、いわゆるDEIコンサル詐欺みたいなのが横行していたというのがあります。

世の中やっぱり性善説だけでは成り立たなくて、世の中で多様性が叫ばれるようになると、企業の多様性を指導するコンサルが有象無象にあらわれて、大金をぼったくったり、やたらと偏った知識を教えたり、能力があっても入社できないみたいな逆差別状況を作り出したりとカオスな状況になっていたというのもあります。多様性ビジネスというやつですね。

多様性自体は良いですし、それ自体に反対する人もいないとは思いますが、こういうのに乗っかってくるコンサルに大金払うのがばかばかしいと思う企業も当然出てくるわけでなのですが、一方でそういうのをやめると世の中から「あの企業は差別的だ」とみられてしまい、企業イメージにもあまりよろしくないことから、しぶしぶ続けていたみたいなのがあります。世間の批判を恐れて金を出し続けたみたいな感じですね。

そこへトランプ大統領が「DEIやめるぞ」っていったら、そりゃとびつきたくなるわけです。トランプ大統領が引き金でやめたわけではなく、もともとやめたかったのですね。そこへ大統領のお墨付きをもらったので、マクドナルドとかウォルマートとかメタとかボーイング社とかが「よっしゃ」って感じで堂々とDEI縮小していったというだけの話とは思います。

そもそもこれらの企業はもともとそこまでDEIには熱心ではなかったので、今回の件で一気に業績に大きな影響を与えるかというと微妙なところとは思います。

それにDEIに熱心な企業は、今後も熱心に続けるでしょうし、全体的にはそんなに大きな影響はないんじゃないかという気はします。

それよりも関税政策の問題とか、金利の問題の方が、株価には直接影響してきますしね。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・大前提として、差別がいいことだと思う人はほとんどいない。

・ただ行き過ぎたDEIを是正すること自体は、女性の人権を守るという意味でもよかったのではないかと。

・世の中、性善説だけは成り立たない。多様性ビジネスのようなものがはびこり、極端な思想や逆差別的な環境が作り出されたことへの揺り戻しもある。

・今回DEIをやめた企業は、そもそも前々からやめたかったが世間の目を恐れていた。トランプ大統領に乗っかる形で堂々とやめただけかと。

・DEIを続けたいところは続けるだけなので、全体としてはそれほど大きな変化にならないのではないか。

・それよりも関税や金利の方が直接的に株価に影響を与える。

となります。

そんなわけで、みんなが言い出したかったけど悪人扱いされるのをおそれて口に出さなかったDEI問題ですが、良い悪いはともかくトランプ大統領がやっちゃってくれたので、もともともDEIに消極的でやめたかった企業としては「よっしゃ」で乗っかりましたし、そうじゃない企業はこれまでどおりなので、そこまで大きな影響はないんじゃないかなとは思います。

何にしろ、いろいろな社会実験をトランプ大統領はすごいスピードでやってくれるので、良い悪いはともかくとして観ている方は面白いですね。メディアもニュースに困らないとは思います。今後もどうなるか見守っていきたいとは思います。