3月FOMC、利上げ継続かー銀行破綻で利下げ予想まで【米国株投資】

時事投資お役立ち情報

FOMC 20230322

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

シリコンバレーバンクの破綻や、スイスの大手投資銀行クレディスイスもヤバい状態で買収騒ぎになっているなど、金融不安が収まらない状況になっています。

一方で、利上げによる経済へのダメージが大きい以上、これ以上の無理な利上げは控えるではないか、あわよくば利下げもあるんじゃないかとの読みから、S&P500は反転上昇し、現在4000台を回復しました。

SP500 2023

年初来では+4.67%です。ただ下げ過ぎた分を回復していった形なので、このまま単調に上値を追う状況にもなりづらいとは思います。

金融不安から資金がテック系に流れていることと、経済悪化での金利低下の可能性もあり、金利に大きな影響を受けるNASDAQも年初来から上昇をしています。現在、年初来で14.18%ですね。

NASDAQ

そんな状況の中、開催される3月FOMCですが、状況が状況なのでかなり難しいかじ取りを迫られます。今回は次回の利上げがどうなるかについての話題です。

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かじ取りの難しい次回FOMC

アメリカの金利を決めるFOMCですが、これまで何度も続けた利上げにもかかわらず、インフレが収まらない状況なので、次回は

0.25%ではなく、0.5%ぐらい上げないとやばいのではないか

という意見も有識者から多く出てきました。

とくに金利にいち早く反応せざるをえない債券投資家にとっては、0.25%と0.5%は2倍違うので大きな問題です。

これまでのところ、債券投資家の80%は、次回0.25%の利上げを予想していました。

そこへきてシリコンバレーバンクの破綻やら、もともと問題が多かったクレディスイスもやばいみたいな話が出てきたため、FRBがこのまま利上げを強行するのかという部分が読みづらい状況になっています。

さらなる銀行破綻や投資家保護のため、いったんここで利上げを停止したほうがいいのではないか、という意見も出始めています。

MUFGセキュリティーズアメリカのジョージ・ゴンキャルベス氏は、

「FOMCは利上げをするが、見通しについてはハト派的姿勢になる可能性もある。

もしくは利上げを実施せず、「先送りする」と言って済ますかもしれない。

市場の機能低下は、FOMCが利上げの一時停止を正当化する口実として何度も使われてきた。

市場の不安定さを理由にした利上げ見送りを非難することはできない」」

と述べています。場合によっては利上げ見送りもありえるとの立場ですね。

ブルームバーグの調査では、エコノミスト98人のうち11人は、FOMCが利上げ見送りと発表すると予想しています。

数字としては「見送り派」は多数派ではなく、基本的にはこれまでどおり利上げがおこなわれるとの予想が大多数です。

少数派の中では、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルは0.25ポイントの利下げという大胆予想をしています。

利下げしたら一気に株価が上がりそうな感じはありますが、いまの高インフレ状況だと利下げは批判のマトになるので、そこまで踏み込めない気はしますね。

おさまらないインフレ

現在の問題として、これまでの利上げで政策金利は4.5%ぐらいになってしまっていましたが、それでもインフレがおさまらないというのが現状です。

シリコンバレーバンクの破綻前では「少なくとも5.5%以上まで金利を上げないとおさまらない」というのが、一般的な認識になっていました。

そのため。金利のピークは今年の後半ぐらいになるとの予想が大半だったのですが、現在の状況だと無理な利上げも難しいため、今年半ばでピークが来る可能背も出てきています。

VTIやVOOでおなじみのバンガード社のジョン・マッツイレ氏は

「6カ月から12カ月の間に、金利のターミナルレート(最終到達点)は市場がこれまで考えていたような5.5%超ほど高くならないだろう。

米金融当局は何かを壊す地点に近づいており、信用引き締めに伴い景気が減速するからだ」

として、現在の経済状況だと景気減速はもはや不可避であり、大きな利上げをする必要性がないことを示唆しています。

現在、アメリカの地銀が新規融資を控え、融資基準をそうとう引き締めると見られています。ようするに貸し渋り状態ですね。それにともなって、自動的に経済減速とインフレ抑制が働くという算段です。

 

まとめ

状況は読みにくくなってきましたが、金融不安からの利上げストップ期待で、S&P500やNASDAQなど株価のほうは調子よく上がっています

日本のほうも、本日日経平均が一時500円を超える大幅高になっています。

銀行、保険、証券株の買戻し、海運、鉄鋼、機械とかの景気敏感銘柄も上げていますね。東証プライム市場は94%が上げていますので、アメリカ様様というか金利様様いったところです。しかし本当にアメリカ追従の市場だなとは思います。

ちなみにQ太郎は昔、アメリカが上がったら日本が上がるから、アメリカが上がった翌日の寄付で日本株を買うみたいなシステムトレードをやったことがありますが、あまり成功しませんでした

成功しなかった理由ですが、アメリカが下がると日本もズドンと下がる場合が多いのですが、アメリカが上がっても日本はちょっとしか上がらない、場合によっては下がるみたいな状況が多かったです。

上げへの反応幅は小さく、下げへの反応幅が大きいコツコツドカーン状態になっていたのですね。日本株弱いですね。

そんなわけで、多くの人が思いつくことはだいたいうまくいかないという実例でした。現在やったらどうなるかはわかりませんので、誰か試してみてください。責任はいっさい取りません。

そんなわけでどうなるかわからない今週の3月FOMCの利上げですが、結果が出たらまた動画をアップしようと思います。