米CPI減速!米国株爆上げ&円高トレンド?【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨日、7月のアメリカのCPI(消費者物価指数)が発表されました。
予想を上回る減速だったことから、インフレと積極的な利上げ懸念が払しょくされ、米国市場は大きく上昇しました。
S&P500は前日比+2.13%と上昇。年初来では-12.22%となります。うまくいけば4500あたりまで戻しそうな感じはありますね。
NASDAQは前日比+2.89%、年初来で-18.81%と、-20%の弱気相場からは抜け出しましたね。
CPI低下で利上げ観測が遠ざかったため、当然ドル円は円高方向に動きます。直角落下で132円台まで落ち、現在はちょっと反発して133円台前半になっています。
今回は米CPI減速による、今後の米国株上昇と、ドル円が円高トレンドへと進んでいくのかどうかの話題です。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
7月の米CPI発表
さて、注目されていた7月CPIが昨日発表されました。CPI自体についてはこちらの動画を参照してください。
前回の6月CPIは、前年同期比で+9.1%と大きな伸びを見せていましたが、今回発表された7月のCPIは、前年同月比+8.5%と、予想の+8.7%を下回る数値でした。
正直、+8.5%でもじゅうぶん高い数値なのですが、予想より下回ったということで株価は大きく上がりましたね。
今回のCPI減速をけん引したのは、ガソリン価格の低下です。前月比7.7%低下です。
ただし、食品や住居費はあいかわらず上昇傾向ですね。食品コストは前年同月比で10.9%上昇と、1979年以来の高い伸びになっています。
コアCPI
変動の大きいエネルギーと食品を抜いたコアCPIですが、前年同月比で+5.9%となりました。これは先月とおなじ数値ですね。予想は+6.1%だったので、こちらも予想を下回ったことになります。
ただ注意したいのは、あくまで予想を下回ったというだけで、いまだに8%以上もある物価上昇がどうにかなったわけではありません。
そもそもガソリン価格が落ちただけで、食品価格は上昇をつづけたままです。アメリカのスーパーの食品とか、2倍ぐらいの値段になっているようですね。
物価高はそのまま政府批判につながっていくため、バイデン政権がインフレ退治の手を緩めることはないとは思います。
株高・ドル安
今回の結果を受けて、株高・ドル安の展開になりました。次回9月の利上げが0.75%ではないという観測からですね。
ただこのお祭り騒ぎに対して警告をする専門家も少なくはありません。
ロンバー・オディエ・アセット・マネジメントのフロリアン・イエルポ氏は、
「物価の伸び率低下はインフレの終了を意味しない。米金融当局は依然としてインフレに対する措置を要している」
と述べています。
また米シカゴ連銀のエバンス総裁は、
「インフレ率を目標の2%に確実に戻すため、今年いっぱい、そして来年に入ってからも利上げは続くと見込んでいる。インフレ率は依然として容認できないほど高い」
と述べています。
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も、
「インフレの予想外の鈍化は喜ばしいが、インフレとの闘いで勝利宣言をするには程遠い状況。利上げの道筋を変えるものではない」
と述べています。
まとめとQ太郎の見解
現状、8%以上の物価高は十分すぎるほどの高い状態です。
次回の9月のFOMC前に、8月CPIの発表がありますが、そこでどうなるかといったところでしょう。FOMCについてはこちらを参照してください。
ただテクニカル的には、S&P500は前回の三尊天井を抜けてきましたので、短期的にはさらなる上昇トレンドに入る可能性もあります。
ただ年初来からの50%戻しを確認できないかぎりは、ベアマーケット・ラリーが続く可能性もあります。
CFRAのストラテジスト、サム・ストーバル氏は、
「S&P500種が4232の水準を上回るまで、ベアマーケット・ラリーであることに変わりはない。ただその水準を上回れば、いかなるベアマーケットも底値から50%戻した後にまた大きく落ちるというケースはない。ベアが過去のものになったという初期のシグナルになる」
とのことです。
当面は、半値戻しの4232が目標価格になります。現在4210なので、もうちょいで届きそうとは思いますね。
6月ですでに米国市場は底打ちしたのかどうか、来月のCPIも注意深く見守っていく必要があるとは思います。今月だけ下がったではなく、連続で下がっていないと意味がありませんしね。
今後のドル円についてはこちらを参照してください。