ウクライナ侵攻2日目の米国ETFはグロース失速、バリュー上昇の展開
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨日は、開戦後の米国ETFの値動きについての記事をアップしました。開戦前、開戦後でどう動いたかわかりますので、今後の参考にでもしてください。
また中・長期的な方針については、開戦前のこちらの記事を参照してください。まだ利上げもインフレも去ったわけではないので、まだまだ注意が必要です。戦争は一時的な要因ですが、利上げとインフレは経済の長期的なリセッションにもつながります。
今回は、開戦後2日目で米国ETFはどう動いたのか、それを見ていきましょう。YouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
S&P500とナスダックの値動き
まずはS&P500とナスダックからです。
S&P500は前日比+2.24%アップです。昨日同様、長い陽線を付けていますね。ただ出来高は昨日ほどありません。あきらかに抵抗線となる200日移動平均線が意識されていますね。
上値がかなり限定的になっていますので、200日移動平均線にぶつかった時点でいったん売りに転じるのか、それとも突破して50日移動平均線をめざすのかといったところです。
何にしろ、上昇幅はかなり限定されていますね。上のほうはダブルトップ付けていますしね。チキンレース化しているところがあります。
そしてナスダック。2日目にして上昇が弱くなりました。前日比+1.64%とS&P500を下回った上げになっています。やる気あるのかという感じですね。出来高も減ってますしね。
というのも、ロシアとウクライナが対話のテーブルにつきそうな感じなので、大きな戦争は回避され、3月の利上げは予定通りおこなわれるのではないかと思われます。経済制裁もぬるい感じですしね。
昨日は、
「戦争するから利上げ延期されるんじゃね?」
という楽観論からのグロース上げでしたが、一夜にして話が変わってきました。
本当に市場はコロコロと状況が変わります。とくにネット時代は情報が速いですからね。こういうのに振り回されて、ボラティリティが高くなってしまうのですね。
ナスダックもダブルトップを付けていますので、上値は限定的です。ただ50日移動平均線まではまだ距離があるので、短期取引の人はもうちょっと遊べるかもしれません。
それでは米国ETFの変化を見ていきましょう。
インデックスETF
それでは、まずはインデックス四天王のVTI、VOO、VIG、VYMからです。
VTI
みんな大好きVTIですが、前日比+2.23%の上げとなりました。
しかし出来高がやたらと少ないのが気になります。
200日移動平均線まではまだ距離があります。ただダブルトップをすでに付けているので、上値は重いですね。
戻り売りには警戒したほうがいいでしょう。
長期投資の人は淡々と積み上げて、自分の判断で売ったり買ったりはしないようにしてください。
あくまで10年後、20年後のための投資です。
VOO
つぎにVOOです。前日比で+2.18%と、VTIよりボラティリティが微妙に低いですね。
こちらは200日移動平均線が近づいていますね。
そこを突破しても、次に50日移動平均線とダブルトップが待ち構えていますので、VTI同様、上値は限定的です。チャート的には厳しいものがありますね。
戻り売り警戒状態かと思います。
VIG
しっかり長い陽線をつけてきたのは、「保守的なVTI」こと、連続増配ETFのVIGです。前日比+2.58%とVTI、VOOを超える上げです。
ただ200日移動平均線までの距離はあまりありませんので、上値は限定的ですね。
戻り売り警戒水域かと思われます。
VYM
高配当ETFのVYMは200日移動平均線を突破しての大陽線です。前日比で+3.01%と、インデックス四天王の中では一番の上昇率になりました。
ボラティリティの高いグロース多めのVTI、VOOの上昇率が低く、バリュー多めのVIG、VYMの上昇率が高いということは、やはり利上げが意識されていますね。
グロースにはこれ以上踏み込まないという意思が感じられます。
S&P500のほうがナスダックよりも上昇率が高かったのも、やはりグロースを追いかける人が少なめなのかもしれません。
さて、高配当御三家のSPYDとHDVも見ていきましょう。
SPYD
あいかわらず斜め上を行く高配当御三家の問題児SPYDですが、窓開けからの大陽線ですね。前日比+3.26%で、50日移動平均線も上に突破しました。
ただ引けにかけては失速して、上ヒゲでの終了です。前回のもみ合いの位置まで距離がほとんどないので、上値はかなり限定的になっていますね。
そもそも高配当ETFとしてはおいしくない利回りなので、セオリー通り、ズドン後に買うのがいいでしょう。
積み立てはVTIとかで十分です。
HDV
年初来から奇麗な右肩上がりを続けている優等生のHDV。SPYDを超える前日比+3.28%で、こちらも大陽線です。50日移動平均線を上に突破しての、上昇トレンドに戻ってきました。上値までもまだ距離がありますね。
ディフェンス銘柄が買われているということは、2日目にしてグロースが厳しくなっている展開です。昨日までグロース優勢だったのですけどね。
市場は本当にコロコロ変わりますので、柔軟に対応する必要があります。変に頑固になるとやられますので注意してください。銘柄に思い入れは持たないほうがいいですね。
Q太郎も、ヤバくなったらQYLDをすべて売却する気満々です。
思い入れとか全然ないです。
もうかるかもうからないかだけです。
それとVTIなどの長期積み立ては普通に淡々と続けてください。市場は気にしなくていいです。これは人口とGDP増加に対する投資なので話がべつです。
つぎにグロース勢のナスダック100ETFであるQQQとQYLDを見ていきましょう。
QQQ
2日目にしてあきらかに失速しているQQQです。200日移動平均線までまだ距離があるにもかかわらず、前日比+1.55%です。出来高も前日の半分ぐらいですね。
200日移動平均線まで距離はあるので、もうちょっといけるかなといったところです。
ただ大きな戦争にはならないという観測から、3月に入ったら普通に利上げがはじまる可能性があるため、一夜にしてグロースを追いかける流れが変わってしまいましたね。
市場の反応はきわめて早いです。今後も状況次第でコロコロ変わりそうです。
QYLD
我らがオクトパスレッグETFのQYLDですが、大きく失速しましたね。前日比+0.90%です。出来高も半分ぐらいに減りました。
かろうじて20ドルラインは突破して、20.1ドルになりましたが、正直厳しいです。
これで利上げを一度もしていないというのがすごいですね。
ナスダック、強いときは強いですが、弱いときは弱いですね。
セクターがかたよってるので仕方がないところです。それにしても、利上げへの反応は敏感ですね。
これでまた大きな戦争になりそうという話になったら、利上げ延長観測で、また大きく上がってきたりしそうです。
債券・ゴールド・エネルギー・コモディティETF
次に債券・ゴールド・エネルギー・コモディティを見ていきましょう。
戦争などどこ吹く風でマイペースに横這いを続ける債券ETFのBND。出来高に埋まってしまっていますね。前日比+0.09%です。
現在の分配金は2%ぐらいなので、ちょうど10年債利回りの2%のあたりで止まっている感じです。
ある意味、状況に流されず、一番正確に株価を刻んでいるETFとも言えます。
わかりやすいといえばわかりやすいです。
GLD
昨日は暴騰からの大陰線をつけたゴールドETFのGLD。前日比-0.33%です。
十字を付けていますので、売り買い双方に迷いが見られる展開です。
ゴールドは価値が変わらないため、もうかりはしませんが、資産の大きい人は、資産の一部の価値を保護するという意味で買っておくのもいいかと思います。
ただ資産が少ない人は、ゴールドはいらないとQ太郎は思います。
増えませんので、資産拡大には向きませんからね。詳しくはこちらの記事を参照してください。
VDE
エネルギーセクターETFのVDEですが、あいかわらず横這いが続いています。
ただ前日比では+2.55%ですね。やはりこのあたりのラインでの頭打ち感があります。
DBC
コモディティETFのDBCですが、こちらもGLDと同じように十字をつけていますね。前日比で-1.51%です。売るか買うかの迷いが見られます。
前回も言いましたが、経費率が0.82%とくそ高いので、買うときは気をつけてください。
レバレッジETF
ついでにレバレッジETFも見ていきます。
SOXL
半導体株の3倍レバのETFであるSOXLですが、前日比+4.61%と、前日と比べて大きく失速しました。200日移動平均線まではまだ距離がありますね。
テクノロジー株の3倍レバであるTECLですが、前日比+4.25%です。こちらも失速ですね。
200日移動平均線までちょっと距離が近いので、上値が限定された状態かと思います。
まとめとQ太郎の見解
まとめると、
VTI/VOO 失速
VIG/VYM/SPYD/HDV 大きく上昇
QQQ/QYLD/SOXL/TECL 大きく失速
と、大きな戦争にならないことから、3月の利上げは普通におこなわれるという観測からのグロース失速、バリュー上昇が鮮明化された展開ですね。
債券はいつものごとく横這い。
ゴールド・エネルギー・コモディティは迷いが見られる横這いとなりました。
やはり前日と翌日で、一気に動きが変わりましたね。
前日は「戦争するから利上げ延長だろ」の楽観論からのグロース上げで、戦争が大きくなりそうにないことや、制裁がぬるいことからから「普通に利上げあるわ、これ」の展開でグロース失速、バリュー上げと、一夜にして手のひらを返してきましたね。
とくにいろいろイベントのある時期の市場はこのようにコロコロ変わりますので、そのときそのときで対応していく必要があります。
利上げとインフレ懸念自体は解決したわけではないので、Q太郎的には全然楽観視はできません。
3月の利上げがどうなるかを注目していきたいと思います。