FIRE後は住民税非課税世帯になるのがお得?

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FIRE hikazei

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回はFIRE後に住民税非課税世帯になるのがお得かどうかについてです。

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FIRE後は住民税非課税世帯がお得?

こんなご質問をいただきました。

政府が住民税非課税世帯1世帯当たりに3万円が給付されるそうです。

投資でFIREしている人は、特定口座源泉徴収有りで税金を払えば、住民税の申告は必要なくなります。他に収入が無い場合、原理的には何億円稼ごうが確定申告時には収入0円になるので、住民税非課税世帯になることができます。

そのため、FIRE後は配当利益などの確定申告をせずに、特定口座の源泉徴収だけにしておけばお得なのではないでしょうか。

今後も各党のばらまき政策によって、非課税世帯が得をすることが多くなるとは思います。非課税世帯を目指して収入を調整する人もいます。この点についてどうお考えでしょうか

とのことです。

ご質問にあるように、ほかに収入がなくて、配当の利益などを源泉徴収で済ませてしまえば、原理的には住民税非課税世帯になることはできます。

特定口座の源泉徴収ありの場合は、自動的に20.315%が取られることになります。そのうちの15%が所得税、5%が住民税になります。所得税は累進課税なので、収入によって15%が高いか安いかは分かれますが、住民税は確定申告した場合、所得金額の10%を取られることになるので、源泉徴収のほうがお得になる場合は多いですね。

源泉徴収のもう一つのメリットとしては、国民健康保険料の算定対象にならないというのがあって、これを回避できるのがけっこう大きいです。

ただ確定申告をしても、利益が国民健康保険料の基礎控除43万円以下であれば社会保険料がかかりませんので、配当控除なども考慮してこのあたりの利益だったら確定申告してもいいとは思いますね。

また確定申告した場合に、しなかった場合より戻ってくる金額が多ければ、やっぱり確定申告したほうがいいとは思いますので、状況次第とは思います。米国株の配当でも、外国税を多く払っていてそれ以外の収入が少ない人は、案外戻ってくる場合があります。

確定申告しない方が得かどうかは、国民健康保険料も含めて計算してみないとわからないので、源泉徴収が絶対にお得というわけではないですね。とにかくこのあたりは状況次第です。

計算方法としては、実際に国税庁の確定申告作成サイトで、株式利益を申告した場合と、申告しない場合で、実際に入力して計算したうえで、自分の地域の国民健康保険料の税率を調べて計算すればいいでしょう。ちょっと面倒ですが、時間がある人はやってみたらいいとは思います。

前年までは確定申告しても、「住民税申告不要」を申告することで国民健康保険料の支払いをまぬがれたうえで、還付金ももらえるという荒業が使えたのですが、今年からは無理になりましたね。そんなわけで、ちょっと面倒ですが、国民健康保険料の計算をして、自分でどっちがお得かを調べる必要が出てきました。

ちなみにいまいる台湾だと、累進課税は日本円で約250万円以下で5%、約560万円以下が12%、約1100万円以下が20%です。住民税はありません。

社会保険料は一律で5.17%なのですが、個人が負担するのはそのうちの30%になりますので、個人の社会保険料は1.55%ぐらいになります。

年収400万円だと、税金や保険料合わせてだいたい10%ほどが取られます。

日本で400万円だと社会保険料だけで60万円超えてきますので、これに所得税と住民税とか加えれば90万円ぐらいにはなります。全体の23%ぐらい税金が取られますね。

健康保険に関しては日本のほうが適応範囲が広いので、そのメリットを受けられるなら高くてもいいという考え方もあります。台湾だと歯医者で銀歯をつけるときは保険適応外になってしまうのですね。日本人で治療を受ける人は、とりあえず保険のきく白いやつで埋めてもらって、日本にもどってから銀歯をつけるみたいな人もいます。

そんなわけで日本は健康保険はけっこういいので、そのぶん高くなってしまうというのがあります。

非課税世帯のメリット

話を戻しまして、日本で住民税非課税世帯になることの利点としては、やはりばらまきによる利益をゲットできることですね。10万円給付とかありましたし、中途半端に確定申告するぐらいなら、源泉徴収のまま放っておいたほうが逆に手取りが増える場合もあります。

FIREで投資しか収入がないというのであれば、源泉徴収のままにすれば住民税非課税世帯になることができるでしょう。

ただ給付金があるかどうかは運任せですし、額もそんなに大きくないので、そこまで必死にやらなくてもいいかなとは思います。

しかしこういう3万円とか4万円とか中途半端な小銭をばらまいて国民生活がよくなるかと言えばなるわけがないとは思いますし、こういうのが多くなるとあえて非課税世帯にするために働き控えとかが起きて、日本の経済的にはむしろ逆効果な気がします。103万円の壁の引き上げみたいに、政府がお金を集めてから配るみたいなのを無くしていくほうがいいとは思います。

集めたお金を配るというのは、ようするに「うちの政党を支持すればお金を配るよ」という恩着せがましい話なので、お金を集める前の減税は、国民にとってはメリットがあっても、政党にとってメリットが無いのですね。「いくら配るかはおれたちが決める」という権限を持ち続けることが、政党の権限を維持するために必要になってくるとは思います。

こういうものに頼るよりも、「配る前の減税」の方向にもっていかないと、政府の無駄遣いは減りようがないですし、税金があればるだけつかっちゃうみたいな感じになりますね。

一般家庭だったら、収入が少なくなればぜいたくを減らすみたいな調整はするのですが、政府となると「金がなくてもぜいたくはしたい。だったらさらに国民から絞りとれ」ですので、いっさい減らす気はありません。減らす気はないのですから、毎年毎年支出はどんどん膨れ上がっていくしかないのですね。まあ、完全に社会主義国家になっているとは思います。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・特定口座の源泉徴収ありを申告しないことがお得かどうか、非課税世帯がお得かどうかは、国民健康保険料を含めて実際に計算してみないとわからない。

・給付金があるかどうかは運任せ。額もそんなに大きくないので、そこまで必死にやらなくてもいいかと。

・日本は健康保険料が高いが、そのぶん補償範囲が広い。

・政党はお金を配ることで自分たちの力やありがたさを見せつける必要がある。103万円の壁撤廃など、集める前のお金を減税することは、国民にメリットがあっても、政党にメリットはない。

となります。

そんなわけでけっきょくのところ、政党とか政治家というのは「お金を配る力」で持っているようなものなので、集める前のお金で減税でいいよという話になったら、政党や政治家が権力をふるうことができないのですね。

あくまで「おれたちが下々の国民に配ってやる。感謝してうちの党に投票しやがれ」というスタンスを保ちつづけることで、目先の金欲しい人が投票することで選挙に勝てますので、お金を配ることは、政党にとっては相当重要なのです。

そんなわけで、自民党にしろ、立憲民主にしろ、このあたりは変えようがありませんので、今後もお金を配るということは続いていくとは思います。

個人的には、国民は政策にだけに投票して、政治家はいらないという一番なんですけどね。