個人向け国債、どれを買ったらいい?【変動10年/固定5年/固定3年】

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kokusai

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は質問のいくつかあった個人向け国債について、わかりやすく解説していきます。

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どの国債を買ったらいい?

さて、個人向け国債についてのご質問がいくつかあったので、まとめて答えていきます。

以前、バケツ戦略の話で、中期バケツに入れるものとして、元本保証のある日本の個人向け国債をあげました。

それでこの個人向け国債ですが、変動10年・固定5年・固定3年の3種類があります。それでこれの3つのうちのどれがいいかという話です。

そのことについてさくっと話していきます。

個人向け国債のルール

まず個人国債のルールですが、どれも年2回利子が受け取れます。ただし株式とおなじく、利子には金融所得課税の20.315%がかかってきますので、受け取れるのは税引き後のお金です。

そして買ったら1年間は解約できません。

それで満期になる前に解約する場合ですが、解約すると元本と、まだ受け取っていない利子の日割り相当額がもらえます。

ただしペナルティとして解約した時点での、直近2回分の利子を返さないといけません

つまり1年ですぐに解約してしまった場合、すでに受け取った2回分の利子を返さないといけないということですね。

実際は元本から、直近2回分の利子が引かれた金額が戻ってくるということです。

ただ日割り分の利子は受け取れるので、1年ちょっとすぎたぐらいなら、合計では元本より日割り分ちょっと多い金額が受け取れます。

1年1か月で解約したら、1か月分の利子はもらえます。つまり合計で元本+1か月分の利子ということになりますね。

そのため元本は保証されますが、1年間の時間を無駄に使ったということにもなります。Q太郎的には時間のコストが一番大きいですね。

そのため、ちょっとでも得したければ2年後以降に解約したほうがいいでしょう。少なくとも1年分の利子はもらえます。

何にしろ元本は保証されますので、「1年以上銀行に置いておくぐらいなら」という方は買っておいてもいいとは思います。

逆にすぐ使うお金で国債は買わない方がいいでしょう。1年間資金が拘束されるので、いざ使いたいときに使えないという事態が発生します。

バケツ戦略でいうところの短期バケツのお金は現金がいいですね。

変動10年債

個人向け国債の種類についてですが、先程も述べたように変動10年・固定5年・固定3年の3種類があります。

これらの利子の違いですが、ざっくりいうと変動10年は、10年債利回りに0.66%を掛けたもので、固定5年は5年債利回りから-0.05%を引いたもの、固定3年は3年債利回りから-0.03%を引いたものになります。

変動10年:10年債標準利回り×0.66%
固定5年:5年債標準利回り-0.05%
固定3年:3年債標準利回り-0.03%

変動は掛け算で、固定は引き算なのですね。そうなるとどういうことかというと、利回りが高くなれば掛け算より引き算のほうがお得になる場合があるということです。

たとえば利回りが0.1%しかない場合、引き算だと固定5年の0.05%を引いたら残りは0.05%です。割合でいえば50%割り引かれた形になります。

これだったら0.66%かけたほうがお得ということになります。

ところが利回りが5%とかになった場合、0.05%を引いても4.95%で、利息をほぼフルにもらえることになります。逆にX0.66%だと3.3%になってしまうのでかなり大きく減りますね。

そんなわけで、現在は変動10年のほうが利子は高いですが、高金利になってくれば固定のほうが魅力的な商品になってくる可能性もあります。

ただ固定は買った時点の金利で固定されるので、金利が上がってお得感が出たときに買えばいいでしょう。当たり前ですが、金利が低い時に買ったら、その低い金利が5年間固定されてしまいます。

逆に超低金利で債券利回りが低くなってしまった場合ですが、たとえば固定5年の5年債利回りが0.05%だった場合、これから-0.05%したら0やんけという話になりますが、すべての個人向け国債は0.05%を最低保証としてくれています。

そのため、金利が日銀のせいで著しく下がっても0.05%は保証してくれます。0.05%なんてすずめの涙程度ですが、少なくともまったく利子がもらえないということはありません。

それで現在の個人向け国債の利子ですが、

変動10年:0.69%→税引後0.5498265%
固定5年:0.59%→税引後0.4701415%
固定3年:0.40%→税引後0.3187400%

と10年債が一番利回りがいいですね。利子だけ求めるのであれば、現状は変動10年がいいでしょう。

ただ10年も持っていられないという人は固定でもいいでしょう。途中解約したら直近2回分の利子、つまり1年分の利子を返さないといけませんしね。

10年債を5年で解約すると実質4年分の利子なので、固定5年を満期まで持っていたほうがお得ともいえます。

ここは自分の投資スタイルに合わせるのがいいとは思います。

ちなみに現在の三井住友銀行の、300万円まであずけられるスーパー定期300の10年ものだと0.3%なので、これに預けるぐらいだったら個人向け国債買ったほうがいいんじゃないかなとは思います。

それにしてもやっぱり日本は金利が低すぎますね。三井住友銀行の普通預金だと0.020%ぐらいしかありませんしね。これでも増えたのですけどね。

低金利な台湾でも普通預金で0.2%、定期で1.6%ぐらいありますし、アメリカは短期の定期預金だと5%超えてたりしますしね。

日銀が無理やり抑えていなければ金利は上がって、バケツ戦略もやりやすくはなるのですが、金利上げるにもあげられない状況ですしね。正直詰んでいる感はかなりあります。

個人向け国債の買い方

それと個人向け国債の買い方ですが、楽天証券でもSBI証券でも買えます。

Q太郎もどちらの証券会社でも変動10年をちょっと買っています。利回りそんなによくないというか人為的に抑えられた利回りなので、たくさん買う気はないですね。

変動10年を選んだのは、単に利回りがいいからというのと、固定を買うタイミングを見計らうのが面倒だからというのがあります。選ぶのが面倒ということですね。

このあたりは自分の投資スタイルと相談するといいでしょう。

正直、変動も固定も0.何パーとかいう差しかないので、どれ買っても団栗の背比べといったところとは思います。

自分がどれだけホールドできるのか、たとえば変動10年なら6年以上途中解約しないつもりならいいとは思います。5年ぐらいしか持てないなら、固定5年を満期まで持ったほうがペナルティ払わない分お得です。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・個人向け国債は元本保証、利子は年2回払ってくれる。

・買ったら1年間解約できない。

・中途解約時はペナルティとして直近2回分(1年分)の利子を返す必要がある(戻ってくる金額から差し引かれる。1年で解約したら1年分の利子を返さないといけないので、実質元本+まだ受け取っていない利子の日割り分が手元に残ります)。

・変動10年:10年債標準利回り×0.66%
 固定5年:5年債標準利回り-0.05%
 固定3年:3年債標準利回り-0.03%

・現在は変動10年の利回りが良いが、金利が上がれば、引き算である固定5年・固定3年も魅力的になる。(ただ固定なので、買った時点の金利で固定されてしまうことに注意してください。金利が低い時に買わないほうがいいでしょう)。

・どれだけの期間、国債を持ち続けられるかを考えて選ぶ変動10年を5年で解約すれば、ペナルティで1年分返さないといけないので、実質利子は4年分。それだったら固定5年を満期まで持ったほうがいいといった判断ですね)。

・銀行の定期預金に預けるよりは現状お得感はある(銀行は定期10年ものでも0.3%とかですしね)。

となります。

とにかく日本は低金利すぎて、債券はほとんど現金と変わらないという不便さがありますね。使いにくさはあるとは思います。

これからどうなるかはわかりませんが、利回り考えるとそもそもインフレに負けてますし、買うにしてもちょっとぐらいかなといったところです。